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2008.10.05
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カテゴリ:音楽
ジャズ・セミナーの生徒さんたち、それぞれ順調に進んでいる。
先発組はアドリブ作りに面白さを感じ始めているようだ。作ってきたフレーズを演奏・録音してみるといろいろ発見。いざ作ってはみたものの弾き込まないと自分のものにはならない。やはり、その人のテクニック以上のad_libはできないものだ。譜面に書けたとしてもad_libとしての演奏とはならない。ピアノを弾くためのテクニック、特にクラシックのテクニックは最低限必要で、でもそれだけではjazzのフレーズは弾きこなせない。スケールが異なるので身に付けていくしかない。一方、グレードでも行なう即興のように手型でそのコードや進行にあったフレーズがどんどん弾けるようになる練習も必要だ。テキストではラインから発展してリズム・フェイクや音数を増やしていく方法で進めていっているが、それとは別にコードを基本形から展開して横につなげてブロックで取る練習やそこからフレーズにする練習、分散とスケールにしてつなげる練習等、慣れて来た生徒さんには別アプローチの練習法も導入していかなければと思う。

ad_libまでたどり着くのに、個人的にはスケールが全調弾けても、シャープやフラットのつく順番やいくつついたら何調かとか平行調が言えなかったり、書き出せなかったり、クラシックの経験は長くても所謂楽典が身に付いていない生徒さんもちらほら後発組には。。Jazzセミナーの生徒さんに限らずピアノをやっている限りこの知識は重要だと思い、5指全調スケールから1オクターブ全調スケールを習得した大人Pの生徒さんにこのあたりの基礎の定着するコーナーを試みている。1~2ヶ月くらいでだいたい理解して反応してくれるようになった。クラシックの理論、楽典って習ったとしても使うことがないと皆忘れてしまう。でもjazzではこれらの意識が無意識レベルで使えないと話にならない。実用として理論。その話をすると、「子供の時にそういうことを教えてもらっていたらよかったのに~」という生徒さんも。ヤ0ハの即興のように弾くだけでなく自分で曲を作るという視点が無ければ理論は理論に終わってしまいやがて忘れるだけのもの。そういう知識があり実用として使えれば、クラシックの曲を弾く場合にも自分で分析して自分で考えて曲を弾くことができるようになる。そして知らず知らずのうちにその理論は知識としてではなくtoolとして体の一部になっているのだ。自宅でクラシックを教えているレスナーさんも、「jazzを習いにきてよかった。今ショパンのプレリュードを分析しているけれど、骨組みがよくわかって譜読みも暗譜もしやすく、曲が理解しやすくなった。」と。私自身jazzの勉強をしてよりクラシックが理解できるようになり、クラシックもより好きになり音楽を楽しむ幅が広がったように思ったので、同じことを生徒さんも感じてくれていることにとてもうれしく思う。jazzを教えつつ、クラシックのピアノ教育を振り返ることが多くなり、何が基礎なのか?何を教えなければいけないことなのか?ほんとうに弾くことばかりやっていていいのか?理論は理論を教えるだけに止まっていて、ほんとうに演奏することに役に立つ指導をしているだろうか?と。。
とにかく、jazzでは自分で創作する楽しさ、自分で作ったものを演奏できる楽しさ、さらに他の人とアンサンブルできる楽しさ、音楽の表面だけでなく中身が分かる楽しさ、をどんどん伝えていきたい。

ということを言っていたら、グレードを受けたいという生徒さんもでてきた。曲は上手に弾けるので問題は即興。でもad_libも上手に作ってくる生徒さんなので、jazzの様にテンションはいらないから容易に進みそうだ。5級までチャレンジできそうな予感。

一方、クラシックのレパートリーに取り組んでいる中上級の生徒さんたちの課題は、、それぞれだけれど、共通点は表現力を高めるための脱力、とその脱力のためには音楽的な解釈の力、楽譜を読み取る力を養うという共通項がある。
シューベルトの即興曲を練習している生徒さん、指が動かないというが、力の入り過ぎ、手が呼吸していない、間接が出ずにお山ができていない、スケールで1-3、1-4など指かぶせの時に鍵盤を触れていなくて指がパタパタしてミスタッチ、腕から肘の角度のポジション、さらに上半身の使い方、移動の仕方の認識がまるで無い、、、などなど。やっぱりこれらは基礎の基礎です。。こんなに難しい曲を弾くところになるまで身に付いていない、教わっていない(?)、単に生徒さん自身が無視していたのか(?)、、という現状に悲しくなる。テクニックが難しくなる以前の状態で基礎は身につけておくべきだと思う。生徒さんもだんだん苦しくなるばかり。曲の中で指導することでなんとかなるかと思っていたけれど、1冊テクニック解説用の本を導入した方がいいのだろうかと迷う。10分でもコーナーを作ってみようか。。
同じ生徒さんでモーツアルトのソナタの方は、シューベルトと異なり、譜面から呼吸のタイミングはよくわかるのに、まったく無視で無呼吸状態。ご本人も呼吸ができなくてしんどい!と。同感です!まず「アウフタクトは吸います?吐きますか?」とフレーズ毎に吸うか吐くか質問していくと、理解できたようだ。「ここは強いんですね?弱いんですね?」という2元論でしか楽譜を読むことができない生徒さんなので、この呼吸という視点で楽譜を見ていくというのは理解してもらえそう。次回が楽しみ。

初~中級レベルの生徒さんたちは、ブルグを導入してデータにあわせて一定のテンポで間違いなく弾けるところまで完成度を要求することにしている。繰り返し弾くことの重要性(あたりまえのことだけれだ、、トホホ、、)、書かれていることを忠実に演奏する(これもあたりまえ、、)等。大人だから早いテンポの曲は弾けないものだと思い込んでいた節があるが、、、そんなことはないと発見。130でも16分音符は弾けるし、このテンポを要求することで脱力できていないことが弾けない原因だと理解させて、脱力した弾き方や指をばたつかせず一息に弾く弾き方や手の使い方などを指導できるいいチャンスだと発想の転換。
指が動かないからと、ゆっくりした曲ばかり、ゆっくりにしか弾いていないとだめだ!と発見。ゆっくりな曲でも和音をすばやくつかむ練習により、どの和音が取り難いか選別がされてくる。難しい箇所は指がその鍵盤にのせられる準備が遅いだけに過ぎない。準備に時間がかる、場所を探すのに時間がかかる、考えるのに時間がかかる、楽譜を見て考えるからより時間がかかる。指のせいにしないで~!指は忠実に動いてくれてるのに!と指の気持ちになってしまう。腕や上半身の移動など指が動きやすいように準備をしてやりさえすれば、音はちゃんとなってくれる。
意識を変えていくこともレッスンでは重要なことだと思う。お仕事でレッスンがあいた生徒さんがいたけれど、前回のタッチの指導がちゃんと身に付いていた。それまでしんどそうに弾いていたけれど、それがとてもいい手の形になっていたのでその変化に驚いた。意識を変えることでこうも大きく変化し、さらに生徒さん自身も楽に弾けるようになった、と。

ピアノ王子は大学生になって大忙し。来るたびに新曲を持ってくる。昨日はブラームスのバイオリンソナタの伴奏譜。前回はピアノ譜「ポニョ」を弦スコアにアレンジする相談に、シューベルトの「ます」の伴奏譜。オケ部に入ってバイオリンのはずが、ピアノが弾けるということが部員、特に先輩にわかり、お声があっちこっちかかっている状態らしい。なんでもすぐ弾けると思われているようだが、、、彼は耳派、で初見は弱い。私の指導が悪かったのか、、って一様PMSなので自分の好きなもってくる曲しか見ていない。。一様学習者グレードの6級は受かったけれど、初見は苦手。でもそんな彼に、お声がたくさんかかり、否が応でも短期読譜しなければならない情況って初見をきたえられるいい機会と、少々私はにんまり。必要にせまられれば誰でもやるっきゃない!頑張れ!大学では英語の先生目指して英語の予習に独語の予習、クラブの練習のために読譜、って時間あるの?って聞いたら、寝る時間削って、、よく頑張っている。もう早速来年の発表会のことを訪ねてきた。「いつもと同じ5月くらいだと思うよ」というと、今から何かやりたそうな様子。今年は復帰して1ヶ月ちょっとで1番難しいノクターンをギリギリセーフで間に合わせた。「もしかしたら、オケのほうでピアノ・コンチェルトが回ってくるかもしれないので早めに、、」という話。「受験で休んでいた時に密かに譜読みしてたショパンのバラードをやりたい、、」と。1番は以前弾いたし、、2番、3番、、は、、えっやっぱり4番て!!「あの病的なフレーズが好きで」と。「まぁ、なんでも持ってらっしゃい。私弾けませんけど、聞いてあげるだけならできるから、、ハハ~!」
プレリュードの分析に、バラードに、、私の宿題は増える一方。
まだ、コンファメ、終わってません!

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最終更新日  2008.10.06 14:33:12
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