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2008.11.28
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テーマ:Jazz(1977)
カテゴリ:音楽
一昨日、上原ひろみのライブに行ってきた。
CDデビュー作を持っているけれど、ライブははじめて。
ちょうど同じ頃にClassicの上原彩子にJazzの上原ひろみ、
おなじ上原、ヤ0ハJ専出身ということで、
音楽教室ができてようやく世界に通用する演奏家、アーティストが育ってきたものだと思っていた。

会場は新しくなったサンケイブリーゼ。
内装は黒で統一された大きめのライブハウス的な雰囲気。
同年代が多いけれど、中には小学生くらいの子供づれや、
親世代の年齢の方もちらほら。
約10分位遅れて非常灯も消され真っ暗になりスタート。
鍵盤の前に座り、集中しているのかしばしじっとうつむいてから演奏がはじまる。

CDやTVの映像などで知っていたものと、
実際のライブとでは伝わるものがこうも違うものかと思う。
確かにテクニックがあり、ただならぬ演奏をすることは知っていたけれど、
実際のライブではメンバーとのやりとりは言うまでもなく、
アーティストの人そのものが伝わるものだ。

楽しくてしようがないという表情いっぱいの顔。
座っているより立ち上がることが多く、
頭ぶつけないかと思うほど上で結んだ爆発した髪が揺れる。
他のメンバーはクールで職人肌。
でも時々ひろみちゃんの弾く高音域でのくすぐるようなピアノの音に、
赤ん坊に触れられたように、わぁぉ~!って顔になったり、
互いのフレーズを拾ってキャッチしてコミュニケーションなどやりとりが面白い。
ライブで実際に顔の表情が見えないとわからないこと。

ピアノ、ドラム、ベースにギターと楽器は違えど役割に止まることなく、
ピアノはドラム化して、ドラムと応戦、
ピアノはベース化してギターと合戦、
ベースはギター化して不思議な世界をかもしだす。

きっと好きなんだろうなぁ、1日中ご飯も食べずにピアノ弾き続けているのかもしれないし、
メンバーが集まると3日位演奏というより楽器を片手に遊び続けているんじゃないかと思ってしまうほど。遊びながらアイデアが次々出てきて曲が広がっていき、互いのテクニックや音楽性を尊重していることで紡ぎ出されていき、膨らんでいく、そんなことを想像してしまう。

スタイルの幅が広い。JazzというよりFusion系が強い印象。
生ピアノだけでなくシンセを3台並べ、音色はシンセベース系かエレビ系で、
タルカスの倍速のようなフレーズではじまる曲が印象的。
かとおもうと、オスカー・ピーターソン、アート・テータム、エロールガーナーばりのスライド系swingを雰囲気たっぷりに、ふわっと一瞬つつまれるような年配の巨匠テクや超テクで表情いっぱいに弾いたり、
ミシェル・カミーロばりの打鍵の連打のバッキング、
クラシックの現代曲、パラディドル系練習の途中から変拍子でドラム化した途端違う世界へかけぬけていったり。
赤ちゃんがお腹の中で人類の進化を超特急でとげるかのように、
Jazzの歴史を古いところから一挙に現代のデジタルの時代までかけぬけるかのようだ。
デジタル時代のJazz?
いろいろな影響はかいま見られるものの、
現代、今という時代だからこその音楽。
今という時を感じざるを得ない。
やりたいことならジャンルという区分は軽く超越。
種々のスタイルを超絶テクで瞬時にワープ。
でも決して古い時代のものを知らない、演奏できないわけではない。
会場を一瞬にその時代の空気に変えてしまう。

ピアノの音色は、Classicのジャンルのピアニストを除いて、音色の幅が広い。
生で聞いたJazzピアニストの中でこれだけ音色の幅が広い人ははじめてだった。
特にソロの曲でのピアニッシモ。
ポピュラー系のピアニストはやたら堅いばかりの音の人が多い。

とにかくパワフル。でも一昔前のRockがそうであったように、
自我の爆発や自滅的な破壊的なエネルギーではない。
アドレナリンをあおり立てることを目的とした音楽ではない。
自己顕示のエネルギーでは決してない。
なんだろう。面白くてしょうがないというエネルギー。
うまく言葉が見つからないけど、
きっといい人なんだろうなぁ。
音はその人間を如実に映し出すものだ。
MCの時の声のかわいらしいこと。
音楽に生きているってこういうことをいうんだろうなぁと思う。
音楽で生活ができるという狭い範囲のものでなく、
ご本人も言っていたように、ライブで成長をさせてもらっている、
それが幸せだと。
ご本人の感謝の気持ちが不思議とエネルギーにとけ込んでいるようにかも。
その濃い時間をaudienceとshareして、聴衆から元気をもらう。
音楽の才能をフルにライブで惜しむことなく出し切り、
またそのことで新たなエネルギーを与えられ、
音楽の中で密な時間を幸せに過ごすことを許された才能ある人。

才能やテクがあるのはあたりまえで、やり抜いていく強靭でしなやかな感性を持つすごい若い人がどんどん現れてくるんだろうなぁと思う。
ライブが終わり、鳴りやまぬ拍手に再度ひろみちゃんが現れMC後、
静かにピアノソロ。舞台は暗転。
これで終了と席を立ち戸口に歩いていく間も、熱狂ファンの手拍子鳴りやまず。
再び、舞台にライト、聴衆の歓声とともにひろみちゃん再び現れる。
私も足を止め拍手、しばらく拍手に答えた後、メンバーを呼びに。
再びメンバーそろって演奏。ここからの歓声のすごいこと!
スタンディング・ライブのよう。
7時開始を10分遅れではじまったライブ、終了したのは10時だった。

元気だ。。。
でもまた行きたい、上原ひろみのライブ。
CD買う前にまずライブ。
一度行ってみる価値あり!
いや絶対行くべし!ライブ。
頑張れひろみちゃん!!


音符Hiromi Uehara - I Got Rhythm (Live in Montreal)


音符Hiromi Uehara  Return of Kung-Fu World Champion


音符HIROMI UEHARA "XYZ"



聞き出したら止まらない。チックとの演奏すごい。。

四つ葉Chick Corea meets Hiromi - Summertime (Live)


四つ葉Chick Corea & Hiromi Uehara - Spain


四つ葉Chick & Hiromi ~ Concierto de Aranjuez / Spain Part 1


四つ葉Chick & Hiromi ~ Concierto de Aranjuez / Spain Part 2


四つ葉Chick & Hiromi ~ Fool on the Hill






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最終更新日  2008.11.30 16:50:12
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