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2009.05.21
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カテゴリ:音楽
発表会までカウント・ダウン。
自宅の生徒さんも仕上げに突入。

ブラームスのラプソディーの生徒さん、
前回のレッスンからまったく弾いてません、、というふとどきもの!!
レスナーさんなので、レッスンのちょっとした空き時間に弾いたら?
といっているが、空き時間がないって、、生徒さん多くてうらやましい状態?!
仕上げにはラストから流れを確認していく。
後ろから見ていくと全体の流れやつながりがわかりやすいし、
生徒さんも理解しやすいようだ。
やっぱりブラームスってエネルギーがめちゃいる。
でもがんがん弾くだけでは説得力をもって集中して流れを作ることができない。
仕上げ段階になってくると、引き算が重要になってくる。
不思議と、即興・作曲の先生が試験では得意な生徒さんほどやりすぎて
失敗するケースが多く見られると言っていたのを思い出す。
流れの中でどの音域の音が重要なのかをもう一度整理して、
一音一音が重要な部分とsoundとして重要な部分とを選り分ける。
響きだけが重要なフレーズ、特に低音の響き、中間部のある箇所や、
フレーズの方向性を大きく見ていくことで響きのコントロールがやりやすくなる。
やっぱり、曲を作曲する側としてみる視点って重要だとつくづく思う。
生徒さんに解説するにも、構造的にも作曲する視点で話をしていくと
イメージがとらえやすいようだ。
彼女の場合、指はよく動くが,ポイントの音が認識されていないので、
さっさと何気なく弾いてしまうことで、落ち着き無く聞こえていた。
拍子感とポイントの音をしっかり上から乗って弾くように確認して、
その響きを聞いてから次の音を出すように指導すると、
説得力のあるつながりになってきた。
どの音が重要なのか、その響きをちゃんと聞いて次の音につなげていくことで、
口では説明できないタイム感と説得力のある流れが自然とできてくる。
弾きごたえあるなぁ。。って私は聞いてるだけだけど、、。
本人も満足感たっぷり。
何度やっても指導しがいのある曲だ。
後は十分で消化してほしい。

ショパンのエチュードの生徒さんもエオリンアンと革命頑張っている。
革命はもう少しテンポほしいけど、腕の重みを使っての打鍵を指導してから
必要な響きは補えるようになってきた。
こちらはあともう1ヶ月あればなぁ。。。
エオリアンの方は、後はよく音を聞きながらコントロールしてつなげていくこと。
特に一番の盛り上がり、和声進行もどんどん変化して覚え難く、弾き難い所。。
はよ、覚えなはれ!難しい所ほど、そこだけでいいから覚え!といっているが、、なかなか。。
見て弾いていると,視覚に神経がいってしまうのでやっぱり音は聞けなくて、音を出すことだけにコントロールがし難い。。
でも頑張っている。彼女の音楽の別の才能も見えてきたことはよかったかも。
いろいろチャレンジさせてみることだなぁ。。

キャサリンロリンのおばさまもいい音がでるようになってきた。
お家では電子ピアノなのでよくわからないとおっしゃるが、
音がほんとに変わってきた。
これも腕の重みで弾くことを口うるさく言ってきたこの半年の効果。
でも楽譜にしがみついてる曲では元の打鍵になってしまう、とご本人も自覚。
余裕がでてきてはじめて、いい音を出すことに集中できる。
そこまでの道のりが、、、けっこう長かったりして。
これからはその道のりを短く、いい音で弾ける時間を長くしていってもらいたい。
50代から始められた大人でも、電子ピアノでもいい音で弾けるようになるものだと、
少し指導にも自信がもてたケースかも。。

ロンド・カプリチョーソの生徒さん、前回はちょっと冷たくつきはなしたけれど、
今日はその効果もあってか随分いい具合になっていた。
まだ根本的にはテクニックの問題はあるけれど、、、
こちらも通した後、後ろから流れの確認。
ラストのページ、テクニック的に改良点多々。
まずローテーションができずに、指だけで頑張っている。
微妙にリズムのノリや音のニュアンスがどんなに頑張っても異なる。
必要な所で脱力が出来ていないとやっぱり、適切な表現にはつながらないケースだと再認識。
こちらは宿題に。
ラストとのオクターブ連続のフレーズの整理と、こちらもポイントの音とその響きを聞くことで、ラストのクライマックのイメージがしっかりできてきた。
さかのぼって、いろいろとチェックしていく。
同じ4小節フレーズの連続で2小節づつ対比した箇所、
微妙に後半のフレーズ回しが違う。変奏だけれど、なにかキラキラ感がないなあと思ったら、フレーズの高音の音の響きが薄いことに気づく。いろいろ発見があって面白い。
prestになってからのモティーフの同じような連続箇所、なんか重たい,スタッカートのテクニックの問題かと思ったが、拍子感も問題だった。拍子感ひとつで,もたつきが解消。これもおもしろい発見だった。
さらに調性の変化を意識することで、次への方向性が見てくるので、聞いていて納得。指だけ動かしていても、説得力のないフレーズになってしまいがちだ。特にCmの調性のV-Iの連続からC7がE/BーB7-Eと展開していく流れ。ドミナントから転調というパターン、最近作曲でもよく使うようになってきた方法、ここにもでてた!C7といってもドッペルなので代理コードなんだけれど、、演奏する側へ方向性を考えて弾かないと意外な転調の効果が薄れる。作曲する側はこの意外性を、、どうだ!という気持ちで(メンデさんはちがうかもしれないけど)作っているのでやっぱりそうやって弾いてほしいもんだ。
彼女も和声分析はしてあるので、こういった謎解きの理解は早い。なるほど、、と理解して弾くと,聞いていてもわかりやすくなる。岡田さんの本に書いてあった「正しい演奏とは」の意味が身にしみて分かるようになってきた。まだまだもっと緻密に作曲する側の視点で分析していくと、もっとその作曲家の意図が見えてきて「正しい~」に近づくことだろう。
今日もいろいろ発見の多いレッスンだった。
メンデの特徴も見えてきた。
ブラームスとはちゃうわ。。
同じ曲でも生徒さんによって弾いてくる内容が異なるので、
なんでだろうという考える材料をいっぱい持ってきてくれる。
楽譜を見ながらまた考える、分析してみると、また違ったものが見えてくる。
また、その瞬間が楽しい。
音楽やっててよかった,とい思える至福の一瞬かもしれない。。
たいへんだけど、発表会前仕上げの段階のレッスンって一番楽しいかも。。
(生徒さんにもよるけれど、、、)





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最終更新日  2009.05.21 23:34:22
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