鎧。
見えない恐怖に晒されて
見てきた悲しみに支配されたまま
ボクは気取った言葉や気取った態度で生きているのかな?
まとわりついてる”大人”の鎧を脱いでしまえば…きっとボクには何も残らない
"今日は暖かくて過ごしやすいね”
柔らかい日差しが…ほら、あの混沌とした日々を思い出すよ
"急に冷え込んで…今夜は星が綺麗だね"
真夜中の冷たい空気と満天の星空が…ほら、あの光のない寒い日々を思い出すよ
"お腹が空いたから何か食べようか?"
あのカレー屋さんの匂い、あの牛丼屋さんの匂い
いつもなら食欲をそそるのに...この季節だけ…何だかうんざりしてくるよ。
寝静まった夜中にココロの中を裸にしてみなよ
何が残るってんだ?
やはりボクは思う。
あの日生まれた悲しみは誰にも癒せはしない。と
あの日生まれた恐怖との闘いに終わりはないのだ。と
そこにある喜び
そこにある悲しみ
そこにある危機
全部包み込んで静まり返った夜
祭壇に花を手向ける人々を思う
それを遠目で見ていたボクは何様だ?
見えない恐怖に晒されて
見てきた悲しみに支配されて
あいまいな自分にケリをつけられない
それでも時間は流れて
また新しい1日がはじまる
ボクは生きている
それはだけは確かな事
真夜中に壊れかけたココロを温めよう。
そして朝になったらまた"大人"の鎧を身につけるんだ
"いつか、きっと"を探し出せると信じて。
2020.3.11