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misty247

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2014.02.17
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カテゴリ:文章修業
 「まったくのゼロからアップルパイを作りたければ、まずは宇宙を作らなければならない。」という名言があったなと思いだした。
 言葉を使ってなにかを書く際も、「まずは」「まずは」と遡っていけば、源はどこまでも遠のいてゆく。書くことが「おそろしい」と著者はたびたび口にされているが、一字一句ゆるがせにはできないという覚悟を、このようにさも当たり前の心がけと示されたら、たしかにおそろしい。

 「自分の力の範囲内でものを書こうと思えば、まずは宇宙を作らなければならない。」
 この本の著者の基本スタンスはこんなあたりではと思われる。ここでいう宇宙とは、自分自身の、心の中、知識の中、経験の中に広がる、まぁいうなれば、ひとつの宇宙である。
 パイ生地の素をこねて、ビン詰めのシロップ漬けリンゴを並べ、オーブンで焼き、シナモンをふりかけ、フローズンのホイップクリームを添えて、「はい、アップルパイの出来上がり」なんて論外も論外、なにひとつ作ったことにはなっていないのだ。

 昨今、根拠もなく「あなたは、できる」とポジティブ思考に染まらせ、まずはさせてみて、できが悪くても「すばらしい。その調子で」と称賛し、とりあえず続けさせるという教え方、学び方が多い。ものごと学ぶに当たり、こういった甘っちょろい受け身な姿勢は、この本の与り知るところではないようだ。そのような姿勢では、この本から学べることは何一つないどころか、逆に意欲をそがれてマイナスになるかもしれない。
 しかし、言葉の使い方こそ、自分そのものである。そこが宇宙の中心地点と、これに首肯するなら、共感や刺激をうけるところがいっぱいだ。

 日常の言葉をいい加減にしないこと。
 ものの見方、聞き方を曖昧にしないこと。
 何かを言うことによって、そうは言わなかった自分とは違う自分が決まっていく。
 人の言葉ではなく、自分の内側からにじみ出ている言葉を使うこと。
 事実を曖昧にではなく伝えるために。
 自分の認識のために。
 自分の声で説得するために。






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Last updated  2014.02.17 17:31:46
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