続・第64回 富士登山競走 (山頂コース)
案内版タイムで2時間なら、まぁ6掛けで1時間チョイ、急げばもっと、と甘く見ていたのは確か。ただ明日のことを考えると、疲れが残るほど急ぐのは避けたい。 意識して、ストライドを狭くしてピッチで登った。 まだかまだかと、つづらの道を、登って登って、30分ほど。端足峠(はしたとうげ)にポンと到着。眼前の木の合間から、富士が雄大に望めた。 端麗な独立峰、十分な高さ、大きさ。さすがの富士に感激。やっぱり来てよかった。 意外と早くこれた。もうこうなったら、竜ヶ岳山頂へ行くしかない。 鞍部を越えて、つづらに登って、笹原を抜けた先、端足峠から25分ほど、見通しのよい原っぱが山頂だった。 しかし、途中のつづらからは見えていたけど、山頂につくと視界はなくなった。流れる雲はあれ、富士はそこそこクリアなはず。なのに、こっちの山がガスっているとは。 残念。でも、ベンチが置いてあり、この山頂は、富士を眺めながら憩うのにぴったりだ。よい場所を知った。その収穫に満足。 下りは転ばないことだけに注意を払い、平坦なところは軽くジョグして、45分で戻ってこれた。18時前に下山。往復とも誰にも会わなかった。この時間なら当然か。 気まぐれ登山で日も暮れたから、富士五湖の車巡りはパスした。◆ ◆ ◆ 参加4回目。4回を振り返って思うのは、参加費の高騰である。第60回のときは、\6,000だった。この内容で\6,000は安いなぁと思った。心の声が届いてしまったのか、翌年、\8,000になった。まぁ、妥当かなぁーと受け入れた。すると今年は\10,000になった。 高速代の休日特別割引\1,000がなくなったのも痛手だ。 一年に一回、ほれた大会だから、そりゃ少々高くても申し込むけどさぁ。 来年また\2,000上がらないことを、ただ祈るのみ……。 こうなれば、完走Tシャツだけは、なんとしても貰わなければ。 ただ、関門間際の完走者である私には、完走Tシャツはどうも天狗に思われそうで、気軽に着ていく気になれず、しまったままになるのだけど。去年のも3回使っただけ。 胸に大きく"VICTORY"。 会場に掛けてあった。好みのブルーだ。 今年から、後日、完走者へ発送、という方式になった。 スタートして金鳥居へと向かう。例年より走りやすかった。昨年完走したので、前からスタートできるぞと喜んだのに、指定されたのはCブロックで、最後尾だった。5合目タイムで並べるようにしたのかもしれない。 山頂完走者を無条件に前へもってくるよりも、五合目タイムで並べる方が、全体のロスは少ない。そうなら賛成。 そして、その効果あってか、中の茶屋まで、すいすい行けた。 気づけば、もう馬返し。去年より2分半ほど速いタイム。 『おっ、思いのほか調子いいぞ』 この大会、気を緩ませると、ダメなのである。 1分2分の貯金など、気が緩むと、きつい山道の登りで一気に失ってしまい、5分の遅れとなって返ってくる。 今年はそれをやってしまった。 五合目手前で渋滞したけど、これは昨年と同じ。 去年とほぼ同じタイムで五合目を通過。この区間、去年より2分半余分にかかって、馬返しまでの貯金が消えた。 そういえば去年は、この区間が勝負だと、極力走ったのだった。今年は周囲のアベレージ以上であることに満足していたように思う。 五合目を過ぎて視界が開けた。 振り返ると、山中湖が綺麗に見えた。金鳥居をくぐるときは富士山が見えなかったけど、いまは視界抜群。 このあと、周囲の景色なんぞ一顧だにせず、ひたすら足元をみて登り続けた。どこに足を置けば、グリップがよいか、それだけが大事。それだけが関心事。 <つづく>