misty247

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  点字を書く 36 (出力用テンプレート作成)

  ◆ Mission8. 出力用テンプレート作成 ◆　出力用テンプレートである "BrailleDropper.dot" が、いよいよ形なってきた。今度の形は、イメージではなく、マクロが出力した成果物なのである。　マクロから、テキストボックスへ、点字を書き込むには、Shapeからアクセスする。ShapeはDocumentのShapesコレクションで管理されている。OptionBase1の配列でもある。 doc.Shapes(1).TextFrame.TextRange = sBraille　インデックスは貼った順番で採番されているので、決め打ちで構わないが、ソースの可読性が悪い。nameも使えるが、nameはWord上では設定できないようである。同テンプレート上のマクロを中断させて、ActiveDocumentをウォッチして対象を定め、VBAのイミディエイトペインから、doc.Shapes(n).name="txtBraille"として保存すれば、永続的に残ることが確認された。　これによって、マクロからの点字データ設定は、次のように記述することができた。 doc.Shapes("txtBraille").TextFrame.TextRange = sBraille　差出人を記述するフッターは、 doc.Sections(1).Footers(wdHeaderFooterPrimary).Range.Text　で設定できた。　宛名は、本文である。 doc.Sentences のIndex 2～4に、郵便番号・住所・氏名を設定。　(1行目はバーコード)　行末に vbCr をつけることによって Sentence となる。設定時に vbCr をつけ忘れると、Sentences の Item数が変わってしまう。　テンプレートの拡張子は、Office2003 互換の ".dot" で保存できて、マクロから新規作成もできた。マクロ本体の"点字一筆くん.dotm"も、同じく".dot"で動作することがわかった。実際にOffice2003やそれ以前のバージョンのWordで動作するかは未検証だが、リリースは".dot"でいこう。

  2011.07.20

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• 点字を書く 35 (出力用テンプレート作成)

  ◆ Mission8. 出力用テンプレート作成 ◆　あれやこれやの試行錯誤の末に、印刷した墨点字と、小型点字器N632のマスを、重ねることができた。再び参照や設定する場合に備えて、設定値を掲載しておく。　Brailleフォントは22ptで配置。フォント設定の文字幅と間隔は、倍率100%、文字間隔0.7pt。段落設定で、行間隔は、段落前と後ろはともに0行、行間は固定値で29pt。配置は、右揃え。　墨点字を出力するためのテキストボックスを１つ配置して、この設定を行った。　テキストボックスの書式設定は、テキストボックスと文字列の間隔は、すべて0mm。　サイズは高さ62.76mm、幅133mm。倍率はともに100%。　レイアウトは、前面配置で位置は、ページを基準として右方向8.2mm、下方向31.8mm。　点字郵便物のマークもそうだが、レイアウトを前面もしくは背面とし、ページを基準として配置するのが肝要である。宛名情報を最終段階で編集しても、不用意に移動させてしまう恐れがない。　動的に挿入するカスタマーバーコードも、ページ基準とした。ShapeのPropertyに、以下のWORD定数を設定すればＯＫだ。 .RelativeHorizontalPosition = wdRelativeHorizontalPositionPage .RelativeVerticalPosition = wdRelativeVerticalPositionPage　差出人は、同じく、宛名情報編集時に、不用意に移動していまわないように、フッター内に記述した。　Wordを操作していて、一番いらつくのは、文字を入力すると、思わぬところのレイアウトが大崩れしたときである。さらに、いじればいじるほど崩れて、どうにもこうにも、元に戻らなくなるとき。　動いてほしくないものを、固定させるにはどうするか、今回開発していて、初めてその手段を知った。「ページを基準に配置する」である。　おかげで、今後Wordを使うとき、ストレスからちょっと解放されるかも。

  2011.07.19

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• 点字を書く 34 (出力用テンプレート作成)

  ◆ Mission8. 出力用テンプレート作成 ◆　点字を出力する箇所の、文字間隔と行間隔は、精度が要求される。とりあえずのリリース版では、小型点字器はN632のマスサイズに合わせる。　墨点字と点字器を重ねた場合、ピタリと合わなければならない。　ところが、Wordのおせっかいなこと。　インデントは勝手に削ってくれるし、文字間隔は好き放題にいじりまわすしで、こっちはほとほと参った。　ありとあらゆる設定で、自動で～する、というような機能を徹底的にオフにしても、まだ勝手に変えてくれる。　とりわけ以下の２つが重要であることを知った。　Wordのオプションの詳細設定→表示グループの　「読みやすさよりもレイアウトを優先して、文字の配置を最適化する」　というところにチェック　同じくWordのオプションの文章校正→オートコレクトのオプション　入力オートフォーマットの　「Tab/Space/BackSpaceキーでインデントとタブの設定を変更する」　というところにチェック　どちらも、チェックをつけることで、ユーザーの思い通りになる。　そもそもの言葉の意味がピンと来ないうえに、まわりの項目が、チェックを外すことで、ユーザーの思い通りになるものばかりだから、この２項目は、見落としやすい。　やっとのことで、ワンスペースが固定幅で叩いた箇所に入るようになった。　総じて、奥が深い物事は、学べば学ぶほどに、己の無知を悟り、終わりなき修練を覚悟させられるものであるが、このWordにも、そういう一面を見た。しかし、こちらは、ただの１アプリケーションの習得だ。浅い、浅い話だ。本来、一を聞いて十を知るといった応用でけりがつかなければならない事柄だ。それが、なぜこんなに。はまる深みの多いこと、深いこと。　……わかってはいたけど。

  2011.07.18

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• 点字を書く 33 (点字文章の改行)

  　26マスで行移しする処理をソースに組み入れた。　「行替え」処理は、原文の改行記号を保持させているのでOKだ。　以下のソースで省いた点訳処理も、若干の変更を入れた。行移しを行ってから凹面変換しないと、ややこしいことになるので、処理の流れを以下のようにした。　点訳処理　↓　行移し処理　↓　凹面変換　凹面変換は、行ごとに順に処理する必要がある。全体を1つの文字列で扱ってしまうと、 1行目が最終行になってしまう。　それと、行移し処理のとき、前行が空白になる場合は、空白を詰めるようにした。どういうことか、例えば、インデントしすぎて、先頭語が行末からこぼれた場合などが、これに該当する。空白行を置いて、先頭から書き始めるよりも、先頭語が前行に入る位置まで、インデントを減らす方が、編集意図を外さないと思われるので、そういう仕様にした。　ソースの一部抜粋になるが、行移し処理と凹面変換を以下のように組み入れた。あまりテストしていないが、一応動いているようである。 Const l_MAX_CHR_1LINE As Long = 26 Dim i As Long Dim sBraille As String Dim rng As Range Dim fEdit As Boolean Dim sParagraph() As String Dim lPos As Long Dim sLine As String '点訳処理 sParagraph = ... 点訳結果全文(NABCCとvbCR)の1文字列 ... '行移し処理 Do fEdit = False sParagraph = Split(sBraille, vbCr) For i = 0 To UBound(sParagraph) If Len(sParagraph(i)) > l_MAX_CHR_1LINE Then '1行文字数超過の場合 fEdit = True lPos = InStrRev(sParagraph(i), " ", l_MAX_CHR_1LINE) If lPos = 0 Then '行移しの切れ目なし(強制行移し) sParagraph(i) = Left$(sParagraph(i), l_MAX_CHR_1LINE) & vbCr _ & Mid$(sParagraph(i), l_MAX_CHR_1LINE + 1) ElseIf LTrim$(Left$(sParagraph(i), lPos - 1)) = vbNullString Then '空白行になるケースは空白を1つ詰めて再検証 sParagraph(i) = Mid$(sParagraph(i), 1) Else '最後尾の分かち書き箇所で行移し Mid$(sParagraph(i), lPos) = vbCr End If End If Next sBraille = Join(sParagraph, vbCr) Loop While fEdit '凹面変換 sParagraph = Split(sBraille, vbCr) For i = 0 To UBound(sParagraph) sLine = "" For lPos = 1 To Len(sParagraph(i)) sLine = msConcave(Asc(Mid$(sParagraph(i), lPos, 1)) - &H20) & sLine Next sParagraph(i) = sLine Next sBraille = Join(sParagraph, vbCr)

  2011.07.15

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• 点字を書く 32 (点字文章の改行)

  　◆ Mission7. 点字文章の改行 ◆　点字文は、語の途中で切って改行してはいけない。分かち書きされている箇所で、行を終わらせて、残りを余し、続きを次行に持っていけばよい。これを「行移し」というようだ。　点字の編集における改行は、属性として、この「行移し」と「行替え」の２種類がある。　「行替え」は、段落の区切りとして、行を新たにすること。箇条書きの行末なども同じ。「行替え」は、原文が改行されていれば、そこで点訳文も行を替える。　「行移し」は、行末があきすぎる場合、意味に混乱の生じない箇所であれば、分かち書き以外のところで切っても構わない。しかし、切っても構わない箇所かどうかを判別するには、高度な処理が要求される。　点字器に付属していた「点訳のしおり」という本には、例としてこう書かれてあった。５人、３回、など数字と助数詞の間で行移しをしてはならない。ただし、助数詞や単位が長い場合は、それだけを次の行に書くことができる。しかし、その場合でも数字の部分が短い場合は、読みやすさを考えて、全部を次の行に書く。　１３０ヘイホーキロメートル　〔行移し可〕　１ヘイホーキロメートル　〔行移し不可〕　語の意味を取り扱う処理は、IbukiTen-Libraryの内部で完結しているので、マクロのフェーズでは処理できない。分かち書き箇所のみでしか切れない。もし、切れ目なく長い語(URLなど)が書かれてあり、切れなかったら、1行の最長文字数(26文字)の箇所で強制的に移す仕様とする。　行替えした場合は、先頭2マスあけて、3マス目から始める。行移しの場合は、1マス目から始める。　点字一筆くんのマス数は、26文字×6行と、限られている。先頭2マスを取らずに、詰めて書く方法も認めたい。そこで、もし原文が、段落最初に1スペースで字下げされていたら、規則通り先頭に2マスを取る。しかし、原文が行替え後も詰めて書かれてあれば、先頭2マスを取らずに書き始めるようにしよう。

  2011.07.15

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  点字を書く 31 (点字文章の改行)

  　◆ Mission7. 点字文章の改行 ◆　改行処理の教科書は「点訳のてびき 第3版」である。　2002年の刷新だから、もう10年近く経つ。第4版がないか調べたが、出ていなかった。　目次に「点字ハガキの書き方」というピッタリなのはない。点字は、B5縦に横書きするのが基本で、1行32文字である。ハガキだと1行に32文字は入らない。　封書であっても無料で送れるのだから、なにも紙面窮屈なハガキを用いなくてもよいのだが、私はむしろ、ハガキで送るところに、魅力があると考えている。　どういうところかといえば――・用紙の入手しやすさ　百均屋で50枚入りの無地ポストカードが買える。　点字を打つのに適度な厚さの紙で、これは便利で経済的だ。・中身のある文だけに絞れる　便箋だと、書く方も、形式を重んじて、つまらないことを書いてしまう。　「ますますご清勝のことと～、いかがお過ごしでしょうか。　　くれぐれもご自愛ください。まずは～まで。」　こういった言葉が占めるようになると、つまらない。　社交ではなく、触読トレーニングなのであるから、定型におさまって、　先の単語の推測がつき、読みとる楽しさがなくなるようではいけない。・点字用郵便の条件を外さない　点字用郵便と認めてもらうには、封書の場合、開封状態で送る必要がある。　ハガキだと間違いようがないので、郵便局に迷惑をかける心配がない。・ハガキは、手軽で気軽である　触読は訓練であるから、送り手は、頻度と継続が重要である。　ハガキは、その点で、封書よりも、手軽で気軽に作成できる。　ということで、ハガキにこだわる『点字一筆くん』。　ハガキ横で、一行の文字数を調べた。　２６文字。６行。これをＭＡＸとしよう。

  2011.07.14

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• 点字を書く 31 (点字文章の改行)

  　◆ Mission7. 点字文章の改行 ◆　「彼がＡを１０個買った」のみで動作確認していたから、気付かなかったが、IbukiTenGetNabcc() 関数は、１文のみを点訳する仕様だった。１文とは、句点で終わるまでの文である。　これを私は「入力につっこんだもの全て」と勘違いしていた。句点があると、そのあとは点訳してくれないのだ。　ということで、一文ごとに区切って渡さなければならない。これはやっかいだな、と思ったが、ここで Word に助けられた。　　Document.Sentences である。　このコレクションをまわせば、１文で区切って、ほいほいと渡してくれる。　これで動作確認をしていて、また新たな問題に気付いた。　適切に改行を入れる処理が要る。　しかも凹面で左寄せだと、これは混乱の極みである。　１行の文字数超過の面倒をみていない現状では、１文であっても、長い文を点訳させると、先頭が下の行になっているぞ。　点字凹面のRangeを「右から左へ記述する言語」に設定すれば、と思いついて、その方面を調べてみた。アラビア語とヘブライ語がそれで、Wordで指定するには、まずOSの言語設定から行わないといけない。これはWordマクロの守備範囲外だ。見送り。　点訳結果を適切に改行する処理を作らねばならない。

  2011.07.13

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  高原牛乳サンミー バニラミルク味(神戸屋)

  　「バニラミルク味」とサブタイトル付の商品名は、サンミーシリーズでは珍しい。　「淡路島牛乳クリームサンミー」とか、今までは、少々頭でっかちな名前になっても、「サンミー」は常に最後で、重量級三脚さながらに、こだわりの現れともとれる長ったらしい名前を支えてきたのに。　しかし、牛乳とミルクは一緒だし、よく読むと読むほどにわからない味である。　高原牛乳は、今月のシリーズ名。牛乳の産地は、蒜山と飛騨の２つあるから、高原牛乳と冠されている。アイスクリームでバニラといえば、普通はミルクベースのこと。だから、この長い名前を整理すると、「高原牛乳シリーズ　バニラサンミー」となる。　味はひとつになってしまった。蒜山高原産の牛乳を使用したクリームを包み、バニラ風味のケーキ生地をかぶせたサンミーです。　断面をみると、真ん中のペーストが、いつもの板ガムっぽくない。食べてみると、濃縮したクリーム味で、全体ではデニッシュのクリームパンといった味わい。　「かぶせた」というバニラはあまり感じられなかった。中のペースト・被せ生地・チョコ線の３つで、被せ生地の味が主張することは、まずないので、これはいつもどおり。　ということで、ややこしい名前に反して、味わいはシンプル。クリームサンミーってところ。以前あった、リッチミルクサンミーより、ずっとリッチな味だと思う。しかし、クリームにボリューム感がないのは、これがサンミーのバランスとわかっていても、なにか物足りない。クリームのまわりにあいている隙間が、その思いを助長する。

  2011.07.12

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• 点字を書く 30 (Wordで新規作成)

  　◆ Mission6. Wordで新規作成 ◆　Microsoftバーコードコントロール9.0（BarCodeCtrl）を貼ったテンプレートをもとに、Documentを新規作成すると、「Microsoft Office Word のセキュリティに関する通知」ダイアログが表示された。　信頼されたマクロの実行中であるのに、このようなダイアログが出るとは。　これにユーザーが応答しなければならないのは、煩雑以外のなにものでもない。ただの煩雑で片付けばよいが、勘の鋭いユーザーであれば、マクロ実行中に、このような再確認のダイアログが出ることを、妙に思うだろう。　『もしや、信頼したのをよいことに、なにか悪さを！　それもシステムが黙認できないほどの、とんでもないことを！』　と思われるかもしれない。　また、ActiveXという用語に詳しくないユーザーは(おそらく本ツールユーザーの大半がそうであると予想されるが)、有効にするとウイルスに侵されると思ってしまうだろう。　開発者は、可能な限り、こういう冗長なダイアログを回避するよう努めなければならない。　ということで、ActiveXを、テンプレートに貼らずに、マクロのコードで生成してみることに。　バーコードコントロールを貼って、ActiveDocument.ContentControls.Count を見ても 0 である。この Controls は、種(?)が違うようだ。　どうするのだろう？ というときの、マクロの記録。 Selection.InlineShapes.AddOLEControl ClassType:="BARCODE.BarCodeCtrl.1"　ちゃんとメソッドがあった。よしよし。　位置はどこで指定するのか？と悩んだ。TopやLeftといったプロパティがない。　InlineShapes は、文字列内の配置で、Shapes だと、背景的な配置。Top・Leftで配置するなら、Shapes で、Add すればよいようだ。　VBA-IDEのツール→参照設定で、"Microsoft Access BarCode Control 9.0"をCheckedにして、新規文書作成のあと、以下のようにコードを記述した。　("BrailleDropper.dotm"というのは、点字出力用テンプレート) Dim doc As Document Dim spBCC As Shape Dim ctlBCC As BarCodeCtrl Set doc = Documents.Add("BrailleDropper.dotm") Set spBCC = doc.Shapes.AddOLEControl("BARCODE.BarCodeCtrl.1") Set ctlBCC = spBCC.OLEFormat.Object ctlBCC.Style = 10 'CustomerBarCode ctlBCC.Value = "53000011-3-1" 'Test spBCC.Top = 0 spBCC.Left = 20　これで動かすと、結果は成功。　ダイアログを出さずに、ActiveXを貼ることができた。

  2011.07.11

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  点字を書く 29 (Wordで新規作成)

  　◆ Mission6. Wordで新規作成 ◆　新規に文書を作るには、どうするのだろう？ Application.NewDocument.Add メソッドを試してみたが、ファイルが出来ない。詳しく書かれたヘルプも見つからなかった。　こういうときは、マクロの記録。　で、録ってみた。 Documents.Add Template:= "C:\...\Templates\foo.dotx", _ NewTemplate:=False, DocumentType:=0　どうやらこれが新規作成のメソッドらしい。　あらかじめハガキサイズにしておき、点字用郵便の印を配して、カスタマーバーコードを貼ったテンプレートを作った。それを Template に指定して、マクロから新規作成させた。　Template　フォルダに置いても、カスタマーバーコードがActiveXだから、有効にしますか？という問い合わせのダイアログが出た。　.dotx ではなく、.dotm にすればいいのかな、と試してみるも変わらず。　このタイミングで、ユーザーに問い合わせてほしくない。しかも、ウィルスがどうのこうのと書いてあり、無効にするボタンにデフォルトでフォーカスがあたっている、という念の入れようだ。Microssoft製のActiveXなのに、こんな警告が出るとは、やりきれん話だ。　最初からテンプレートに、ActiveXを貼らず、マクロで挿入させるとどうなるだろうか。可能かどうか、それを試してみよう。

  2011.07.10

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  点字を書く 28 (Wordで新規作成)

  第四種郵便物として投函するには、どういう表記をしておかなければいけないのか。www.post.japanpost.jp を調べてみたが、詳細は書いていなかった。書いてあったのは、こちらのページ http://www.gem.hi-ho.ne.jp/sayopee/post/dai4shu.html料金別納のようなマークを書けばよいようだ。とりあえずマークを作成した。「第四種郵便物」の文字は別になくてもいい。気分で書いただけ。^^;どこに配するかは「表面左上部（横長のものにあっては、右上部）」とあった。点字は横書きなので、ハガキは横に使いたい。上部に宛名、下部に通信内容。無料で配送してくれることに感謝して、カスタマーバーコードをつけることにしよう。このありがたい制度が続くことを願う。そのためには、郵便局の負担を僅かでも減らそうとする気持ちが大切だ。サンプル的に、仕上がりのイメージを作成した。片面に集中するから、けっこう窮屈だ。ちょっと一言を、まめに投函する方が、先方の学習にはよいと思う。だから、これでよしとしよう。ところで、これは本当に、無料で送れるのだろうか？一度、郵便局に持って行って、見てもらおう。

  2011.07.07

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  ロールちゃんバナナヨーグルト風味(ヤマザキ)

  　いま、ロールちゃんは６種類ある。定番のホイップとチョコ。期間限定のバナナヨーグルト風味。地域限定の、山ぶどうゼリー・サンフルーツ・岡山県産清水白桃クリーム。　たしか、ヤマザキに関してこんなニュースが流れていた。　いつしか増えてしまった品目数。震災支援を期に、商品を見直して、品目を減らし、効率化につとめるとか。　それなのに、ロールちゃんで６種類とは。嬉しいけど。　嬉しいけど、地域限定は、買えないから、残念だ。　それと、今週あたりから、10円ほど値上がりしたようだ。今まで高くても168円だったが、ある売り場では180円という値がついていた。春のニュースで、小麦粉の値上がりにより、全商品が底上げ的に5%程度の値上げになると報じられていた。　生産の効率化につとめていなければ、もっと高くなったのかもしれない。　バナナヨーグルト風味。さっそく入手した。　バナナジャムは稀だと思うが、どんなものだろう。食べてみると、バナナよりもヨーグルトの爽やかな味が、まず感じられて、夏向き、という印象。クリームの口あたりがとても軽い。　ホイップ＋ジャムは、かつていろいろあった。でも、このバナナヨーグルト風味は、それらトッピング系ルールちゃんとは違う。純生ロールをよしとする高級志向から遠ざかっているけど、この爽やかさ、軽さ、さっぱり感は、主張がはっきりしていてよい。梅雨明けにふさわしい味だ。期間限定フレーバーの楽しみは、こうあってほしい。　リピートしよう。　山ぶどうゼリーは、東日本。　東日本は買えそうにないけど、先日、「白いコロネ　山ぶどうゼリー入りホイップ」というのを、大阪のスーパーで見かけた。このホイップは、もしかしたら、ロールちゃんのあれと同じでは？　買って食べてみた。これも夏味。それに、ゼリーの食感が独特だ。(断面は、ちぎってみたもの。かぶったものではないよ)　変わり種としてはいいけど、頻繁に食べたいとは思わない。そのせいか、売れ残り処分で半額(\39)になっていた。　しかし、このホイップクリームが、ロールちゃん山ぶどうゼリーと同じものだとしたら、ロールちゃん山ぶどうゼリーは常温でもかまわない、ということになる。白いコロネ　山ぶどうゼリー入りホイップは、常温のパンだから。　２つのクリーム、同じなのか、微妙に違うのか、気になるところだ。

  2011.07.06

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• 点字を書く 27 (Wordで新規作成)

  　◆ Mission6. Wordで新規作成 ◆　原文の文書と、点字の文書、それぞれのデータ・ファイルをどういう関係に置くか。このあたり、実はずっと悩んでいた。　条件を整理してみる。　まず、原文の文書は残す。これは絶対。　点字の文書は、ハガキサイズである。通知文章が長い場合、２枚目・３枚目と、組みハガキで印刷する、という機能があると素晴らしいと思うが、まずは１枚のみに限定する。　1枚のハガキに、宛名面と点字面。　普通に考えると裏表の印刷になるけど、点字は凹面だから、点は宛名面にくる。　宛名と重なるなぁ。　重ならせずに両面に印刷し、宛名面を触読してもらう、ことも可能。　しかし、宛名面と文面は、違う面の方が、よいと思う。それが、ハガキの文化だ。　宛名と点字が同一面にくる問題は、なんとかなるだろう。むしろ、両面印刷の機能を持ったプリンタの場合にどうなるか、を考えずにすむ方が助かる。そういうプリンタを持っていないから。　そして、ファイル。　自動作成した点字の文書を、新規にファイルを作成するか、あるいは、同一ファイル内の新規セクションとするか。　セクションは、Wordの機能として、上級に入ると思う。点字一筆くんのユーザーはとまどうだろう。　セクションはやめよう。別ファイルを作ろう。　原文の文書は、未保存なら保存させる。そして、同一フォルダに、ファイル名をベースにした名前で、新規ファイルを作成する。　……と、しようか。

  2011.07.05

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  点字を書く 26 (点字凹面を出力する)

  　◆ Mission5. 点字凹面を出力する ◆　凹面出力するように、マクロを修正した。Option ExplicitPrivate Declare Function IbukiTenSetup Lib "ibukiTenC.dll" _ Alias "?IbukiTenSetup@@YGHPBD0@Z" _ (ByVal sDic As String, ByVal sPATH As String) As LongPrivate Declare Function IbukiTenGetNabcc Lib "ibukiTenC.dll" _ Alias "?IbukiTenGetNabcc@@YGHPBDPADPAHH_N3H@Z" _ (ByVal sSource As String, ByVal sNabcc As String, _ ByVal lTaiou As Long, ByVal lLength As Long, _ ByVal lIsFirstTextInParagrath As Long, _ ByVal lIsNumberWago As Long, _ ByVal lTransBrlMode As Long) As Long'NABCC(&h20～&h7F)の凹面対応ASCIIPrivate Const S_CONCAVE = "20,7A,31,76,6E,6D,79,2C,29,28,2F,75,27,2D,6B,2A," _ & "38,22,3B,33,36,39,34,37,30,35,73,32,3E,3D,3C,70," _ & "61,60,7E,63,66,69,64,67,6A,65,68,2E,7F,25,24,7B," _ & "3F,7D,77,3A,7C,2B,23,72,78,26,21,6F,74,71,62,6C," _ & "61,60,7E,63,66,69,64,67,6A,65,68,2E,7F,25,24,7B," _ & "3F,7D,77,3A,7C,2B,23,72,78,26,21,6F,74,71,62,6C"Private mfSetup As BooleanPrivate msConcave() As String'--------*---------*---------*---------*---------*---------*---------*---------' 点字一筆くん MacroPublic Sub 点字一筆くん() Const s_PATH As String = "C:\Program Files\ibukiTenC\dic\" Const l_MIN_BUF_SIZE As Long = 256 Const l_NO_FIRST_TEXT As Long = 0 '先頭2マス取らない Const l_NO_NUMBER_WAGO As Long = 0 '数字を和語にしない Const l_TRANSE_MODE_JPN1ENG As Long = 0 '日本語点訳１級英語 Dim i As Long Dim sSource As String Dim lBufSize As Long Dim sNabcc As String Dim sTaiou As String Dim lngRet As Long Dim lPos As Long Dim lCode As Long Dim sResult As String Dim sErrMes As String '未初期化の場合、点訳用辞書と凹面コードを指定します。 If Not mfSetup Then If IbukiTenSetup(s_PATH & "initdic.pat", s_PATH) = 0 Then MsgBox "辞書の読込に失敗しました" Exit Sub End If msConcave = Split(S_CONCAVE, ",") For i = 0 To (&H7F - &H20) msConcave(i) = Chr(CLng("&h" & msConcave(i))) Next mfSetup = True End If '原文に応じてバッファを確保 sSource = ActiveDocument.Content.Text lBufSize = l_MIN_BUF_SIZE + LenB(sSource) * 3 sNabcc = String(lBufSize, vbNullChar) sTaiou = String(lBufSize * 2, vbNullChar) 'DLL呼出：1文を入力して点訳を実行しNABCCコードを取得 Dim sDebug As String lngRet = IbukiTenGetNabcc(sSource, sNabcc, StrPtr(sTaiou), lBufSize, _ l_NO_FIRST_TEXT, l_NO_NUMBER_WAGO, l_TRANSE_MODE_JPN1ENG) If lngRet = 1 Then Do lPos = lPos + 1 lCode = Asc(Mid(sNabcc, lPos, 1)) If lCode = 0 Then Exit Do sDebug = sDebug & Hex$(lCode) & ":" sResult = msConcave(lCode - &H20) & sResult Loop ActiveDocument.Content.Text = sSource & vbCr & sDebug With ActiveDocument.Paragraphs Call .Add .Alignment = wdAlignParagraphLeft With .Last.Range .Font.Name = "Braille" .Font.Size = "22" .Text = Left$(sNabcc, lPos - 1) & vbCr & sResult End With End With Else Select Case lngRet Case -1: sErrMes = "入力テキストがありません" Case -2: sErrMes = "点訳に失敗しました" Case -3: sErrMes = "NABCC変換DLLの読み込みに失敗" Case -4: sErrMes = "バッファからあふれました" End Select MsgBox sErrMes End If End Sub　実行結果は。　最下行が、凹面の墨点字。よし、ばっちり裏返っている。

  2011.07.04

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• 点字を書く 26 (点字凹面を出力する)

  ASCIICHR凸面凹面凹ASCII54hT-2345-－　●●　●●　－12--56●　－●　●－　●7Ch55hU1-3--6●　－－　－●　●--34-6－　●－　－●　●2Bh56hV123--6●　－●　－●　●--3456－　●－　●●　●23h57hW-2-456－　●●　●－　●123-5-●　－●　●●　－72h58hX1-34-6●　●－　－●　●1-34-6●　●－　－●　●78h59hY1-3456●　●－　●●　●1234-6●　●●　－●　●26h5AhZ1-3-56●　－－　●●　●-234-6－　●●　－●　●21h5Bh[-2-4-6－　●●　－－　●1-3-5-●　－－　●●　－6Fh5Ch\12--56●　－●　●－　●-2345-－　●●　●●　－74h5Dh]12-456●　●●　●－　●12345-●　●●　●●　－71h5Eh^---45-－　●－　●－　－12----●　－●　－－　－62h5Fh_---456－　●－　●－　●123---●　－●　－●　－6Ch60h`---4--－　●－　－－　－1-----●　－－　－－　－61h61ha1-----●　－－　－－　－---4--－　●－　－－　－60h62hb12----●　－●　－－　－---45-－　●－　●－　－7Eh63hc1--4--●　●－　－－　－1--4--●　●－　－－　－63h64hd1--45-●　●－　●－　－12-4--●　●●　－－　－66h65he1---5-●　－－　●－　－-2-4--－　●●　－－　－69h66hf12-4--●　●●　－－　－1--45-●　●－　●－　－64h67hg12-45-●　●●　●－　－12-45-●　●●　●－　－67h68hh12--5-●　－●　●－　－-2-45-－　●●　●－　－6Ah69hi-2-4--－　●●　－－　－1---5-●　－－　●－　－65h6Ahj-2-45-－　●●　●－　－12--5-●　－●　●－　－68h6Bhk1-3---●　－－　－●　－---4-6－　●－　－－　●2Eh6Chl123---●　－●　－●　－---456－　●－　●－　●7Fh6Dhm1-34--●　●－　－●　－1--4-6●　●－　－－　●25h6Ehn1-345-●　●－　●●　－12-4-6●　●●　－－　●24h6Fho1-3-5-●　－－　●●　－-2-4-6－　●●　－－　●7Bh70hp1234--●　●●　－●　－1--456●　●－　●－　●3Fh71hq12345-●　●●　●●　－12-456●　●●　●－　●7Dh72hr123-5-●　－●　●●　－-2-456－　●●　●－　●77h73hs-234--－　●●　－●　－1---56●　－－　●－　●3Ah74ht-2345-－　●●　●●　－12--56●　－●　●－　●7Ch75hu1-3--6●　－－　－●　●--34-6－　●－　－●　●2Bh76hv123--6●　－●　－●　●--3456－　●－　●●　●23h77hw-2-456－　●●　●－　●123-5-●　－●　●●　－72h78hx1-34-6●　●－　－●　●1-34-6●　●－　－●　●78h79hy1-3456●　●－　●●　●1234-6●　●●　－●　●26h7Ahz1-3-56●　－－　●●　●-234-6－　●●　－●　●21h7Bh{-2-4-6－　●●　－－　●1-3-5-●　－－　●●　－6Fh7Ch|12--56●　－●　●－　●-2345-－　●●　●●　－74h7Dh}12-456●　●●　●－　●12345-●　●●　●●　－71h7Eh~---45-－　●－　●－　－12----●　－●　－－　－62h7Fh[DEL]---456－　●－　●－　●123---●　－●　－●　－6Ch　一点、補足。　ASCIIコード 5Ch は バックスラッシュ であるが、これが日本では、\ 記号に置き換えられる。"Braille"フォントの場合は、「し」が 5Ch にあたり、Wordではオプション設定の「バックスラッシュを円記号(\)に変換する」のチェックを外さない限り、正しく表示できない。　チェックのまま(初期状態)、5Ch を書き込むと、A5h のフォントがあてがわれる。しかし、クリップボードへコピーをとると 5Ch の文字コードは保持されている。紛らわしいところで、できれば関わりたくないところ。　ということで、5Ch のパターン"12--56"は、7Ch と同じなので、5Ch は使わずに 7Ch を用いるようにした。　凹ASCII を先頭列から並べた文字列はこれ。　これで凹面コードのマッピングが計算一発で求まる。207A31766E6D792C29282F75272D6B2A38223B3336393437303573323E3D3C7061607E63666964676A65682E7F25247B3F7D773A7C2B23727826216F7471626C61607E63666964676A65682E7F25247B3F7D773A7C2B23727826216F7471626C

  2011.07.03

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• 点字を書く 25 (点字凹面を出力する)

  　◆ Mission5. 点字凹面を出力する ◆　NABCC解説頁の表を手本に、凹面データを付加した一覧を作成した。ASCIICHR凸面凹面凹ASCII20h[Space]------－　－－　－－　－------－　－－　－－　－20h21h!-234-6－　●●　－●　●1-3-56●　－－　●●　●7Ah22h"----5-－　－－　●－　－-2----－　－●　－－　－31h23h#--3456－　●－　●●　●123--6●　－●　－●　●76h24h$12-4-6●　●●　－－　●1-345-●　●－　●●　－6Eh25h%1--4-6●　●－　－－　●1-34--●　●－　－●　－6Dh26h&1234-6●　●●　－●　●1-3456●　●－　●●　●79h27h'--3---－　－－　－●　－-----6－　－－　－－　●2Ch28h(123-56●　－●　●●　●-23456－　●●　●●　●29h29h)-23456－　●●　●●　●123-56●　－●　●●　●28h2Ah*1----6●　－－　－－　●--34--－　●－　－●　－2Fh2Bh+--34-6－　●－　－●　●1-3--6●　－－　－●　●75h2Ch,-----6－　－－　－－　●--3---－　－－　－●　－27h2Dh---3--6－　－－　－●　●--3--6－　－－　－●　●2Dh2Eh.---4-6－　●－　－－　●1-3---●　－－　－●　－6Bh2Fh/--34--－　●－　－●　－1----6●　－－　－－　●2Ah30h0--3-56－　－－　●●　●-23--6－　－●　－●　●38h31h1-2----－　－●　－－　－----5-－　－－　●－　－22h32h2-23---－　－●　－●　－----56－　－－　●－　●3Bh33h3-2--5-－　－●　●－　－-2--5-－　－●　●－　－33h34h4-2--56－　－●　●－　●-23-5-－　－●　●●　－36h35h5-2---6－　－●　－－　●--3-5-－　－－　●●　－39h36h6-23-5-－　－●　●●　－-2--56－　－●　●－　●34h37h7-23-56－　－●　●●　●-23-56－　－●　●●　●37h38h8-23--6－　－●　－●　●--3-56－　－－　●●　●30h39h9--3-5-－　－－　●●　－-2---6－　－●　－－　●35h3Ah:1---56●　－－　●－　●-234--－　●●　－●　－73h3Bh;----56－　－－　●－　●-23---－　－●　－●　－32h3Ch--345-－　●－　●●　－12---6●　－●　－－　●3Ch3Fh?1--456●　●－　●－　●1234--●　●●　－●　－70h40h@---4--－　●－　－－　－1-----●　－－　－－　－61h41hA1-----●　－－　－－　－---4--－　●－　－－　－60h42hB12----●　－●　－－　－---45-－　●－　●－　－7Eh43hC1--4--●　●－　－－　－1--4--●　●－　－－　－63h44hD1--45-●　●－　●－　－12-4--●　●●　－－　－66h45hE1---5-●　－－　●－　－-2-4--－　●●　－－　－69h46hF12-4--●　●●　－－　－1--45-●　●－　●－　－64h47hG12-45-●　●●　●－　－12-45-●　●●　●－　－67h48hH12--5-●　－●　●－　－-2-45-－　●●　●－　－6Ah49hI-2-4--－　●●　－－　－1---5-●　－－　●－　－65h4AhJ-2-45-－　●●　●－　－12--5-●　－●　●－　－68h4BhK1-3---●　－－　－●　－---4-6－　●－　－－　●2Eh4ChL123---●　－●　－●　－---456－　●－　●－　●7Fh4DhM1-34--●　●－　－●　－1--4-6●　●－　－－　●25h4EhN1-345-●　●－　●●　－12-4-6●　●●　－－　●24h4FhO1-3-5-●　－－　●●　－-2-4-6－　●●　－－　●7Bh50hP1234--●　●●　－●　－1--456●　●－　●－　●3Fh51hQ12345-●　●●　●●　－12-456●　●●　●－　●7Dh52hR123-5-●　－●　●●　－-2-456－　●●　●－　●77h53hS-234--－　●●　－●　－1---56●　－－　●－　●3Ah文字数Overで 続く

  2011.07.02

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• 点字を書く 24 (点字凹面を出力する)

  　◆ Mission5. 点字凹面を出力する ◆　データコンバータの出力データを何にするかで４つ案を出した。A. "Braille" フォントB. ユニコードの点字領域にマッピングしたという"Braille6"フォントC. 和製NABCCともいえる日本ライトハウスの墨点字フォントD. ●で表記するA案。凸面も出力できるにこしたことはない。少なくとも開発者はデバッグで必要だ。"Braille"フォントのひとつで、凹面凸面両方ともＯＫというのは、簡素でよい。B案。ユニコードの点字エリアについては、情報が皆無に等しい。文字コードと点字パターンの対応が規格化されていないかもしれない。"Braille6"フォントは先頭コードから2進数ビットにみて、点字パターンを配置している。これはこれで便利だが。どうせマッピングするならユニコードかと、長いもの巻かれたくても、その中身がないのでは意味ない。「一つ一つの点を、まるで水晶玉を磨きあげるように作りました。」と書かれてある、このフォントの美しさにはおおいに惹かれたけど。B案は見送り。C案。墨点字フォントは２種類あり、ひとつは、点のないところに線を入れるフォントである。線入りでの出力も可能になるのはメリット。墨点字フォントはそれ単体でも利用価値があるし、ちょっと迷うところである。D案。この手もあるぞ、と自分でひらめきを称えてあげた。フォントを使わない点では、簡素で悪くない。これまでの処理だと、Wordは単なるテキストエディタに成り下がっているが、ここでWordの本領発揮か。しかし、「Wordの本領」なるものに、あまりよい印象を持っていない。深入りすると泥沼の伏魔殿という気がする。直感的に、やめとこう。　ということで、ここはシンプルに、A案に決定。

  2011.07.01

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• 点字を書く 23 (点字凹面を出力する)

  　◆ Mission5. 点字凹面を出力する ◆ 　NABCCコードを凹面出力する方法を考えた。 A. "Braille"フォントで出力してワードアートで反転させる B. 自分でフォントを作る C. 凹面へのデータコンバータを作る 　A案は下策だ。あぁいうグラフィック系のオブジェクトとは関わりたくない。それにマクロで操作できるかも不明。 　B案はフォントを作れば、それだけで資産になる。フォント作成はしたことないが、点字フォントなら簡単そうだ。丸をひとつ書いて、あとはすべてコピペで出来あがるから。 　B案にしようかな、とフォント作成ツールを探したら、意外とない。フリーソフトで DoubleType というjavaで動くソフトを見つけた。 　動かしてみると、開発途中と思うようなインターフェースに不安を覚えたが、とりえあず４キャラクターほどのフォントを作成することができた。『おぉ、これは使えるかも』とさらに使っていると、次第に妙な動作に見舞われた。３回ほどリリース構築を重ねると、Wordで表示できなくなるのである。原因不明。2009-07-17で開発が停止しているし。 　仕方ない、C案にしようか。 　データコンバータの出力データは何にするか。 　これも悩むところである。 A. "Braille" フォント B. ユニコードの点字領域にマッピングしたという"Braille6"フォント C. 和製NABCCともいえる日本ライトハウスの墨点字フォント D. ●で表記する 　選択肢としては、こんなところか。

  2011.06.30

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  点字を書く 21 (点字凹面を出力する)

  　◆ Mission5. 点字凹面を出力する ◆ 　ibukiTenCの出力するコードはNABCC(North American Braille Computer Code)という北米点字コードである。http://www.kgs-jpn.co.jp/dev/nabcc.htmlの解説によると、ASCIIコードの20h～7Fhに割り当てられている。墨点字の発想と同じく、本来のASCIIキャラと極力対応するように企図されている。コンピュータ上で点字を扱う場合のデファクトスタンダードのコードであるようだ。 　「NABCC フォント」で検索するとベクターで見つかった。 http://www.vector.co.jp/soft/data/writing/se007602.html 　TrueType 点字フォント BRAILLE.TTF 1993年 パタさん作 　これを使って、NABCCコードを点字で表示させてみよう。 ・上記サイトよりフォントをダウンロード ・フォントをインストール 　(コントロールパネル→フォントのフォルダに .TTF ファイルをコピー) ・マクロコードを以下のように修正(API成功時の処理) If lngRet = 1 Then Do lPos = lPos + 1 lCode = Asc(Mid(sNabcc, lPos, 1)) sResult = sResult & Hex$(lCode) & ":" Loop While lCode 0 ActiveDocument.Content.Text = sSource & vbCr & sResult With ActiveDocument.Paragraphs Call .Add .Alignment = wdAlignParagraphLeft With .Last.Range .Font.Name = "Braille" .Font.Size = "22" .Text = Left$(sNabcc, lPos - 1) End With End With Else 　ワードの結果は、 　"か れ 濁 か ＿ 外 大 Ａ ＿ を ＿ 数 １　０ こ ＿ か っ た ＿ " 　と見事に点字で表示された。 　しかし、喜ぶのはまだ早い。出力したいのは 凹面 なのだ。 　「NABCC 凹面 フォント」で逆順に表示させれば、それで解決だ。ところが、探してもNABCC 凹面 フォントが見つからなかった。ありそうで、意外にないのである。 　さて、どうしよう。

  2011.06.29

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• 点字を書く 21 (ibukiTenC SDK 呼出テスト)

  　◆ Mission4. ibukiTenC SDK 呼出テスト ◆ 　処理結果を返してくれるバッファを確保しなければならないが、どれぐらいのサイズを確保すればよいのか、正確にはわからない。漢字の読み仮名が何文字になるか、わからないからである。「慮る」「承る」とか使われていると、バッファは食われる。 　ちなみにJIS漢字で、一番長い読み仮名になる漢字は「糎」で、これで「せんちめーとる」と読むのだそうだ。大漢和辞典には、もっと長い読み仮名の漢字がたくさん載っているらしい。「示豆」で「まつりのそなえもののかざり」。これだと１文字が１３文字、濁点入れて１４文字だ。詳しくはこちらを。 　バッファ不足はエラーで返してくれるので、妥当なあたりにしておこう。原文の文字数の３倍みておけば十分だろう。これに最低確保分をつける。 　とりあえず動作テストをしてみるだけのマクロを、以下のように記述した。 Option ExplicitPrivate Declare Function IbukiTenSetup Lib "ibukiTenC.dll" _ Alias "?IbukiTenSetup@@YGHPBD0@Z" _ (ByVal sDic As String, ByVal sPATH As String) As LongPrivate Declare Function IbukiTenGetNabcc Lib "ibukiTenC.dll" _ Alias "?IbukiTenGetNabcc@@YGHPBDPADPAHH_N3H@Z" _ (ByVal sSource As String, ByVal sNabcc As String, _ ByVal lTaiou As Long, ByVal lLength As Long, _ ByVal lIsFirstTextInParagrath As Long, _ ByVal lIsNumberWago As Long, _ ByVal lTransBrlMode As Long) As LongPrivate mfSetup As Boolean'--------*---------*---------*---------*---------*---------*---------*---------' 点字一筆くん MacroPublic Sub 点字一筆くん() Const s_PATH As String = "C:\Program Files\ibukiTenC\dic\" Const l_MIN_BUF_SIZE As Long = 256 Const l_NO_FIRST_TEXT As Long = 0 '先頭2マス取らない Const l_NO_NUMBER_WAGO As Long = 0 '数字を和語にしない Const l_TRANSE_MODE_JPN1ENG As Long = 0 '日本語点訳１級英語 Dim sSource As String Dim lBufSize As Long Dim sNabcc As String Dim sTaiou As String Dim lngRet As Long Dim lPos As Long Dim lCode As Long Dim sResult As String Dim sErrMes As String '未初期化の場合、点訳用辞書を指定します。 If Not mfSetup Then If IbukiTenSetup(s_PATH & "initdic.pat", s_PATH) = 0 Then MsgBox "辞書の読込に失敗しました" Exit Sub End If mfSetup = True End If '原文に応じてバッファを確保 sSource = ActiveDocument.Content.Text lBufSize = l_MIN_BUF_SIZE + LenB(sSource) * 3 sNabcc = String(lBufSize, vbNullChar) sTaiou = String(lBufSize * 2, vbNullChar) 'DLL呼出：API１文を入力して点訳を実行しNABCCコードを取得 lngRet = IbukiTenGetNabcc(sSource, sNabcc, StrPtr(sTaiou), lBufSize, _ l_NO_FIRST_TEXT, l_NO_NUMBER_WAGO, l_TRANSE_MODE_JPN1ENG) If lngRet = 1 Then Do lPos = lPos + 1 lCode = Asc(Mid(sNabcc, lPos, 1)) sResult = sResult & Hex$(lCode) & ":" Loop While lCode 0 ActiveDocument.Content.Text = sSource & vbCr & sResult Else Select Case lngRet Case -1: sErrMes = "入力テキストがありません" Case -2: sErrMes = "点訳に失敗しました" Case -3: sErrMes = "NABCC変換DLLの読み込みに失敗" Case -4: sErrMes = "バッファからあふれました" End Select MsgBox sErrMes End If End Sub 　対応表出力用バッファ(int *piTaiou)は、使用しないので、適当なバッファを与えておくだけにする。intは4Byteなので文字数の倍を確保してある。(64ビットOSでどうなるかは悩まないことにする) 　"sdk064.html"に「彼がＡを１０個買った」の実行結果は "2a 47 22 2a 20 3b 2c 41 20 39 20 23 41 4a 5b 20 2a 31 4f 20" とあった。 　さて、うまく動くかテスト。 　ドキュメントに「彼がＡを１０個買った」と書いてマクロを実行。 "2A:47:22:2A:20:3B:2C:41:20:39:20:23:41:4A:5B:20:2A:31:4F:20:0:" 　よし、Successだ。正しい結果が返ってきた。 　これで一番コアな部分、ワードと点訳エンジンの結合の目処がついた。

  2011.06.28

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  点字を書く 20 (ibukiTenC SDK 呼出テスト)

  　◆ Mission4. ibukiTenC SDK 呼出テスト ◆　"ibukiTenC SDK"はC言語で開発されている。VBAから呼び出して使えるだろうか。　まず、そこをテストしないといけない。　ibukiTenC.dll, Text2Nabcc.dll, WordCategory.dll　の3ファイルをPathの通ったフォルダ"system32"に置く。　"dic"フォルダは"C:\Program Files\ibukiTenC\dic\"としよう。　"sdk064.html"がSDKの唯一のマニュアルだ。詳しく書かれてある。　処理の流れとして、IbukiTenSetupを一度だけ呼び出して、そのあと一度、IbukiTenGetNabcc を呼び出せば、望む処理は達成できそうだ。 VBAからDLLのAPIを呼び出すには、Declare ステートメントで定義すればよい。Private Declare Function IbukiTenSetup Lib "ibukiTenC.dll" _ (ByVal sDic As String, ByVal sPATH As String) As Long　ところが、これで呼び出しても、　と 実行時エラー453 になる。　DLLの中がどうなっているかはDependency Walkerで調べることができる。 これで"ibukiTenC.dll"を見ると。　DLL関数が"__stdcall"でエクスポートされていないから、ごたごたした装飾名(もしくは序数)で呼び出してやらねばならない。Private Declare Function IbukiTenSetup Lib "ibukiTenC.dll" _ Alias "?IbukiTenSetup@@YGHPBD0@Z" _ (ByVal sDic As String, ByVal sPATH As String) As LongPrivate Declare Function IbukiTenGetNabcc Lib "ibukiTenC.dll" _ Alias "?IbukiTenGetNabcc@@YGHPBDPADPAHH_N3H@Z" _ (ByVal sSource As String, ByVal sNabcc As String, _ ByVal lTaiou As Long, ByVal lLength As Long, _ ByVal lIsFirstTextInParagrath As Long, _ ByVal lIsNumberWago As Long, _ ByVal lTransBrlMode As Long) As Long　と以上のように標準モジュールの先頭に定義した。　(スタックの処理はどうなるのか、そこは悩まないことにする)

  2011.06.27

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• 点字を書く 19 (利用方法のおおまかな流れ)

  　◆ Mission3. 基本設計をつめていく ◆まず、利用方法のおおまかな流れ。考えているのは以下のようなもの。ユーザーは、ＷＯＲＤを開き、漢字かな混じり文(日常の日本語)で、文章を書く。文章が書けたら、マクロ『点字一筆くん』を実行する。ハガキの宛先を入力する。もう一つ新たに文書が自動的に作成されて、その文書がアクティブになる。その文書は、点字凹面と宛名が書かれてある。印刷を実行する。以上。　漢字かな混じり文を、点字の文字コードに変換するのは、ボリュームのある処理である。いわゆる「点訳エンジン」であるが、これを一から作ろうとは考えていない。　どうするか、というと、素晴らしいものがあるのだ。　『ibukiTenC』がそれ。　国立大学法人岐阜大学（工学部応用情報学科池田研究室）が、研究の結晶ともいえる点訳エンジンを、公開してくれているのだ。商用を除いて、無償で利用できる。それだけでなく、"ibukiTenC SDK"という開発者向けの部品提供がある。『点字一筆くん』にピッタリ。　(SDK=ソフトウェア開発キット)　いや、"ibukiTenC SDK"の存在を知って、『点字一筆くん』の開発を思いついた、という方が正しいか。でも、『点字一筆くん』のような何かを作りたいという欲求があったからこそ、"ibukiTenC SDK"と反応しあえたわけだし。　今となっては、鶏が先か卵が先かと同じで、わからない。どうでもいいことだけど。

  2011.06.26

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  続^3・第6回 乗鞍天空マラソン

  　ゴールすると、タイムと順位入りの完走証をすぐに貰えた。タイムはグロスのみ。　500mlのウォーターを一本貰った。開けて飲みながら、預けた上着を引き取って、すぐバスに乗った。　送ってくれるバスは、アルピコ交通のバス。途中の、休暇村と第3駐車場にも停まってくれた。　ということは、こういうことが可能だ。　着替えをゴールまで運んでおく。　↓　バスに乗る時、休暇村で降りたいとリクエスト。　↓　休暇村の外来入浴で汗を流す。　(大会参加者は、割引券を使うと\300)　↓　観光センターへの戻りは、バス輸送している間なら　手をあげると乗せてくれる。　移動ロスなく風呂に寄り、疲れはゆっくり癒して、観光センターに戻って山賊バーガーなんぞをゆっくり食べていると、14時ぐらいになるだろう。抽選会の時間にぴったりだ。　私は散策プランを取った。　観光センターまで戻って、エリアマップをもらった。そして、登りのバスに第3駐車場まで乗せてもらった。善五郎滝を見に行くのだ。　駐車場の脇から散策道に入ると、白樺の木の清々しい山道に。感激。　『さっすが乗鞍、車道から一瞬でこんな世界に！』　最後は下りばっかりだったので、脚も回復していた。走れるところは走った。シングルトラックの気持ちいいトレランをちょっぴり楽しんで。　乗鞍高原一帯には、こういう遊歩道がたくさんある。今度、乗鞍へ自主トレしにこようかなと思った。　展望台をすぎ、ほどなく善五郎滝に到着。この距離でも水しぶきが飛んできて、爽快だった。　凍れば、ド迫力じゃないだろうか、と検索してみると、こんな氷瀑の善五郎滝のPhotoがあった。　滝をみた後、横手についていた階段をのぼっていくと「ふたりの小径」だったようで、牛留池方面に出た。牛留池を一周ぐるっとまわった。　途中の東屋から、乗鞍岳が美しく見えた。　牛留池から、わずかで休暇村。　先の風呂プラン、休暇村ではなく第3駐車場で降りて、この滝を見て、寄れる所まで寄って飛沫シャワーを浴びて、そのあと休暇村で入浴、というのもおすすめだ。　まぁ、来年も同じ距離とサービスだったらの話だけど。　14時の抽選会はひっぱりすぎだよなぁと思いつつ、汗を流していると14時になったので、抽選会に参加した。建物の2Fで表彰式とともに行われていた。会場にいた人は全員で150人ぐらいだろうか。ランナーは1700人ほど。とても入りきれないから、ここまで遅らせているのかな。　しかし、10時にゴールしたトップランナーは表彰を4時間も待つのか……。　表彰式のあと、抽選会。人数が少ないので、ゼッケン番号当選ではなく、司会者とジャンケン勝負。　温泉入浴券、上高地ほかお宿の宿泊券、お米、山賊バーガー券、リーチかかるところまで数回いったが、当たらず。最後の入浴剤はもらえた。来てよかった。　14時は遅いなぁと最初は思ったけど、終わってみれば「なぜ15時までひっぱらないのか、それなら上高地宿泊券が当たったかもしれないのに」。人は現金なもの……。　すべて終わったあと、一の瀬園地の散策路を歩きにいった。水芭蕉群生地らしいが、いまはその時期ではない。でも白樺と緑の美しい森だった。どこを切り取っても絵になる乗鞍高原である。　さて、来年の大会、距離はどうなるんだろう。期待しておこう。　そうそう、最後になったが、スタート地点に仮設トイレを置いてほしい。　男子1500人で、トイレ7個ほど。施設のトイレのみで増設は一切なしという強行だった。あの最後尾は絶対スタートに間に合わないな、という列ができていた。そして、毎回あまりにひどいと声があがっているのに、6回目にして改善なしの様子。　これだけ魅力いっぱいなのに、わずか2,000人で定員割れしているのは、このトイレ事情に原因があるのでは？　 私の走ったＲＵＮ大会＜目次＞はこちら。

  2011.06.24

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  続^2・第6回 乗鞍天空マラソン

  　高低差図をみると、第3エイドと第4エイド間の傾斜が一番きつい。位ヶ原山荘は第4エイドなので、ここに達すれば、一番きついところはもう登りきったぞ、と喜べる。すでに歩きになってしまった人は、位ヶ原山荘エイドで一息いれたら、あとは折り返しまで走るぞ、と気持ちを切り替えたいところ。　「しんどさも、位ヶ原山荘まで」と覚えておこう。　折り返しまで4.5kmぐらい。　スポドリとチョコレートを４かけもらった。　標高は2,500mぐらい。あたりは雪景色。谷筋を通る冷気が体に心地よい。見上げれば、頂はまだ彼方。どこまでのぼるんだろう？　そればかりを反芻してのぼった。　折り返しのランナーが来た。キロ3分以上の猛スピードだ。　この大会は数年前から気になっていた。参加しなかったのは、下りで膝を痛めることを懸念して。４年前は、低山の下山でも膝に違和感を残していた。持久力を養った結果、膝の脆さも補強されたようで、このところ、下りで膝を痛めることがなくなった。　標高差800mにおよぶ舗装路の下りの連続は、いまでもまだ脅威に感じるけど、走ってみたいコースでもあるし、と思っての今回が初参加。　ついに本コース最大の見所である雪の壁の道。壁は高いところで5mぐらい。山頂付近はずっとこんな景観かと思っていたが、50mほどの幅で切れ切れにあった。大雪渓の断面を抜けるところが、こういう雪の壁になっているのだろう。　立ち止まって写真を撮る人、いっぱいいた。この大会はカメラ持ちランナーが多かった。地元の市民マラソンでも撮影しながら走っているヘンなやつの私も、ここではごく普通のランナーだった。　対向するランナー密度が、次第こちら側と等しくなってきて、ついに折り返し地点が眼前に現れた。　標高2,620m。乗鞍の本当の山頂まで、あと400mもあるのか。400mといえば、そこらの低山ひとつ分だ。　エイドで、ハードのワッフル菓子をもらった。これがおいしかった。他所では見たことのないもので、調べてみると「HONEY STINGER / ハニースティンガー」というもので、アメリカの携行補給食のようだ。　次に来たときは、これを楽しみに登ろう。　折り返しに達したら、私のレースは終了したも同然。　下りもそれなりに頑張ったが、相当な速度差でばんばん抜かれ続けると、気持ちが折れてくる。かといって強引に足を回転させると、両ひざに半年は後をひきそうなダメージを食らいそうだし。　男子優勝は2時間を切る。アベレージでキロ4分を切る。下りでどれだけ飛ばしているか。ブレーキをかけない足の回転、というけど、その感覚を私はつかめていない。ドタドタ走りしかできないのだ。　フルにするついでに、御嶽マラソンのように、山頂側ゴールのワンウェイにしてくれたらいいのになぁと思いながらくだっていたら、意外と速くに太鼓の音が聞こえてきた。　ゴール。3時間8分。おっ、なんちゃってサブスリーを狙えるかもしれない。　＜つづく＞

  2011.06.23

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  続・第6回 乗鞍天空マラソン(30km)

  　コースマップとエイド配置図。(クリックで拡大)　スタートとゴール地点が異なるので、レジ袋１つ分の荷物を搬送(無料)してもらえる。ゴールからスタート地点までの7km移動はバス(無料)がある。このあたりのサービスは充実していた。　とはいえ、1600人程の人数を観光バスでピストン輸送させるコストは馬鹿にならないはず。わずか7kmなのでスタートとゴールを同じにしてしまえばいいのに、と思う。誰でもそう思うかもしれない。なぜ、そうならないか？　私の予想はこうだ。　この大会の主催が「のりくら観光協会」だから。　松本市の後援等はあるものの、市町村が主体ではない。学童のスポーツ振興とは無縁で、観光PRと経済効果に主眼の置かれている大会といってよいだろう。　ツアー旅行の観光バスがみやげ物屋に寄りたがるのと同様、マラソン客の足を三本滝レストハウスにもまわす配慮が要ったのではないか。　しかし、ちょっとまて。　レストハウスでコーラやビールの売り上げが少々あがったところで、バス輸送のコストが挽回できるとは思えない。やはりスタート地点まで戻ってきてもらう方が……と関係者も考えたのかどうかは知らないが、スタート前と閉会式の場で、ランナーに「もし、来年この大会がフルになったら、それでも参加されますか？　フルになっても参加されるという方、手をあげてください」という調査があった。　どうやら現在30kmの距離をフルに延ばす計画があるようだ。　バス輸送の7kmを走らせて37km。あと5kmは、折り返し側だ。肩の小屋口を畳平まで延ばして、スカイライン側にも距離調整の折り返しを取る。これで42.195km。　というのが私の予想。　もしフルになったら、御嶽マラソンがなくなった現在、山岳系フルとして注目を集めるだろう。くだりが長すぎるので好みではないけど、私はフル賛成に挙手した。　夜店で売られていた、吹けばクルクルと伸びる紙筒の笛。「吹き戻し」とか「ぴろぴろ笛」と呼ぶんだそうだ。どことなくあのイメージがある、びょーんと長い「アルプホルン」。木製の乗鞍高原にはたしかによく似合う。乗鞍アルプホルンクラブ(?)の方々が、スタート前に演奏披露。　「がんばれ、日本」のエイエイオーのあと、8:00、スタート。　山頂はガスっていて、スタート地点から乗鞍は望めなかった。　この標高では残雪の片鱗も見られない。　スタート40分後ぐらいで、ゴール地点となる三本滝レストハウス前に到達。ここはエイド地点でもある。また、地元小中学生の方々による「龍神太鼓・子供太鼓」の和太鼓が鳴り響いていて、志気を高めてくれていた。　スキー場なので木がなく見通しがよい。見上げれば、つづらの先に、のぼっていくランナー、見下ろせば、のぼってくるランナー。　太鼓の音もよく響き渡っていた。とくにゴールのときは、太鼓の音が励みになった。もう近いぞ、近いぞと。　静かなレースだけに、太鼓の音は、心と体によく沁みた。　標高が高くなると、雪渓の断片があらわれた。スタートから1時間半経過。標高2,350mの「位ヶ原山荘」の少し手前。半袖半パンでも寒くはない。登り続けで汗だくだから。　また標高が高くなるほど、傾斜のきつい所が増えてくる。歩く人がちらほら。歩く人の割合が次第に増えていく。　その中で「とにかく歩かない、走りとおすぞ」というランナーもいる。ひぃひぃ苦しそうにあえいでいるから、なんとなくわかる。私の属するゾーンが、そういう境界ゾーンだからなんだけど。　そして、私も「歩くもんか」のひとり。　＜つづく＞

  2011.06.22

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  第6回 乗鞍天空マラソン

  　6/19(日)に開催された「乗鞍天空マラソン」に参加してきた。　大会開催日が数週間後に近づいて、参加証が送られてきた。Ａ４カラー封筒にデカデカと宛名が印刷してあった。インパクトあり。『おぉー！これは、楽しみじゃないか♪』と期待抱いて開封すると、取り出されたものは意外にもしょぼく、白黒のＡ４プリント３枚。　内容は、承諾書を兼ねた参加証と、ありきたりな注意書き。こんなものなら、定形の茶封筒で十分じゃないか。期待はずれな中身だった。　そして、通知内容を読むと、今回は参加賞をなしにして、その分の費用を震災の義援金として送ります、と書いてあった。　震災から２ヶ月も過ぎた頃に申し込んだのだが、これは初耳だった。速乾の半袖Ｔシャツはもてあましているので、参加賞にそれほどの未練はない。しかし、この決定をしてから以降の参加者には、事前に告知すべきではないか？　そういえば、ランナーズ６月号が、参加費は誰のものかと特集を組んでいた。震災の影響による中止、義援金、参加費の扱いといった点で、主催側と参加者側で感覚のずれが表面化した大会がいくつかあるようだ。　義援金を送るという正義の後ろ盾があるから、参加者としては指摘しにくいが、その義援金の出資者は参加者なのであるから、臆することはない。言わせてもらう。　今回の義援金の処理において、参加者への通知が直前までなかったことは、事後報告の域を超えていると私は思う。都合で参加できなかった場合、後日郵送でもらえる参加賞を楽しみにする人は多いと思う。参加賞がなくなれば、都合で参加できなかった人は、なにもなしだ。カンボジアの地雷だとか、国境なき医師団とか、支援する窓口や機会が限られているならともかく、いまの日本、震災の義援金を送る機会は街中いたるところにある。参加賞をなくしてまで義援金を大会一同から送る必要があったのか疑問である。遊びごとをする後ろめたさ、義援金という国民感情への免除代、三ヶ月も過ぎた今、そういう体裁を構う必要はないだろう。　そんなこと言い出す人にはもう来ていただかなくて結構ですよ、と鼻であしらわれそうだが、それならなおさらのこと、参加賞分を義援金にあてますよと告知していただきたい。郵送文書がコスト高なら、ホームページで連絡することぐらいはできるはず。　それでも参加したけど。　結果同じでも、順番が逆だと大違いなこと、あるよね。　というわけで、通知が来てテンション下がった。　乗鞍岳は標高3,026m。山頂付近まで２本の自動車道が通じている。北面の岐阜側からは「乗鞍スカイライン」、東面の長野側からは「乗鞍エコーライン」。両道路は、山頂の駐車場「畳平(2702m)」で出合う。　「乗鞍天空マラソン」は、この自動車道をコースとするマラソンである。　自動車道といってもマイカー乗り入れは禁止されているので、バスとタクシーしか通らない。また11月から6月は冬季閉鎖されているので、大会開催日の6月第3週は、関係者の車両しか通らない。ランナーの貸し切り状態だ。　種目はひとつで、距離は30km。山麓の乗鞍高原から18.5kmのぼって、11.5kmくだるコース。スタートの乗鞍高原「観光センター」の標高は1,454m。山頂の折り返しは「肩の小屋口」で標高2,620m。ゴールの三本滝レストハウスの標高は1,800m。1,170mのぼって、820mくだる。平均斜度は、のぼり6.3%、くだり7.1%。　制限時間は6時間。スタートam8:00なので、14:00までにゴールすればよい。のぼってくだるここの30kmは、フルマラソンのタイムより、5～10%ほど短いぐらいのタイムになるようだ。路面はすべて舗装路。景観は山岳。とりわけ、山頂付近の雪の壁は、ちょっと他では味わえないものなので、その方面のランナーには魅力的なコースである。　▲山頂付近の氷の壁　天候がよければ日本アルプスの山々が所々で眺められると思うのだが、今年は雨は降らなかったものの大会中はガスっていたため、良好な視界は得られなかった。この大会、今年で6回目を数えるが、毎年のこと雨にたたられやすいとか。　悪天候でも短縮コースにならなければ、この壁には出会える。これは楽しみなことだ。足をとめて記念撮影している人が多かった。　また悪天候でも、隣の山は無理としても乗鞍自身は拝めるだろう。ガスの切れ目から、貫禄の頂が姿をあらわすと、走ることを忘れて見入ってしまうランナーが多かった。　町の人の応援は無いけど、景色がその代わりだ。3,000m超の乗鞍岳がすぐそこに。これはなにものにもかえがたい魅力。走れてよかった。　＜つづく＞　

  2011.06.21

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• 点字を書く 18 (VBAマクロの名前)

  　◆ Mission2. マクロの名前 ◆　名称は何にしようか。　処理内容が、想像つきやすいものであること。　は当然としても、それ以前に、Wordマクロの場合は、普通のアプリケーション開発とはちょっと違うようだ。　たとえば「メモ帳」。　「メモ帳」というのはアプリケーション名で、実行ファイル名は"notepad.exe"。利用者は"notepad.exe"という名前を意識しないかもしれないが、開発者には重要な名前である。一般的には、先にプロジェクト名というのがあり、そこから実行ファイル名が導かれるのが手順かもしれない。何も決まっていない段階で、とりあえず開発コードネームから入るというのもあるか。　ところが、Wordのマクロ。　記録マクロを作ってみて気づいた。マクロ一覧に表示される名前が、VBAの関数名になる。マクロ一覧に、日本語で名前を表示さようとすれば、VBAの関数も日本語になる。　　Sub マイマクロ()　関数名が2バイト文字とはむずがゆいが、「利用者が見てわかる」ことを優先したいから、表向きの名前は日本語でいこう。　「点字」は省けない。点字で一筆啓上するソフトということで　　『点字一筆くん』　うん。これにしよう。なかなかセンスあるじゃないか。[要出典]　配布名称はマクロ名と同一。　あとは、そうだな、使うかどうか分らないが、半角英数だけの開発名を決めておこう。　点字は英語で"Braille"、一筆啓上は"Just a brief note"。　一筆書き送るは"write a few lines","drop a line"。　dropは、ポストにポトンと落とす(投函)の意味だが、ちょうど打つべき点を滴(drop)のように示すという本ソフトのイメージに合致するので、採用。　開発名 "BrailleDropper"　名前が決まると、作るまえから愛着がわいてくるなぁ。

  2011.06.16

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• 点字を書く 17 (ワードマクロの配布)

  　◆ Mission1. ワードマクロの配布はどうすれば？ ◆　まず動作環境と開発環境。　本ツールは、ワープロの基本機能のみ利用するものなので、Officeのバージョンは、なるべく古いものでも動作するように配慮したい。動作環境は作成しながら決定。　開発環境はWindowsXP_SP3とMicrosoftOffice2007。　ワードのマクロは作ったことがない。　それどころか、ワード自体を使いこんでもいない。(大丈夫か……^^;)　『マクロ...あれはどういう配布形態になるんだろう？』　"ワード　マクロ"でググって2番目に表示された office.microsoft.com ドメインのマクロ - Word - Microsoft Officeというサイトを覗いたが、ノウハウが断片的すぎて、要領をえない。幸いにして「このサイトは役に立たない」ということぐらいは分かるスキルは持ち合わせている。　そこで図書館を検索。　『作って簡単・超便利！ Wordのマクロ実践サンプル集』西上原裕明著 技術評論社刊　という本を借りてきた。　それで、分かったことをまとめると。[作成]　・新規文書でマクロを作成する　・Wordマクロ有効テンプレート(*.dotm)として保存する　・"hoge.dotm"ファイルでネット配布[インストール方法その１]　・".dotm"をダウンロード　・「信頼できるテンプレート」フォルダに置いてもらう。　　(...Documents and Settings\ユーザー\Application Data\Microsoft\Templates)[利用方法その１]　・ワードを起動　・Officeボタン→ワードのオプション→アドイン→管理:テンプレート→設定　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(ShortCutKey Alt+t,i)　 →追加→".dotm"を選択→ＯＫ　・リボン表示→マクロ→マクロの表示 (ShortCutKey Alt+F8)　 →マクロを選択→実行　　(※信頼できるフォルダでなければ"無効にされています"となる)　　次回からは、ファイル選択しなくてもリストにチェックを入れるだけでＯＫビギナーには少し手順がややこしい。"Word\STARTUP"フォルダを使うと簡潔になる。[インストール方法その２]　・".dotm"をダウンロード　・「Word\STARTUP」フォルダに置いてもらう。　　(Documents and Settings\ユーザー\Application Data\Microsoft\Word\STARTUP)[利用方法その２]　・リボン表示→マクロ→マクロの表示 (ShortCutKey Alt+F8)　 →マクロを選択→実行"Documents and Settings\ユーザー\Application Data"は初期状態だと隠しフォルダになっている。エクスプローラの操作も不慣れな場合は。[インストール方法その３]　・".dotm"をダウンロード　・好きなフォルダに置いてもらう[利用方法その３]　・".dotm"から実行(ダブルクリック)。　・起動時に表示される警告で"このコンテンツを有効にする"を選択。いずれの方法にも一長一短がある。とりあえず".dotm"を作成すればよいということは分かった。外部モジュールがからんだ場合にどうかは先送り。

  2011.06.15

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• 点字を書く 16

  　作ろうと思ったツールは、点字のハガキ作成を支援するツールである。　中途失明者は、点字の触読トレーニングに苦労するらしい。そんな人の勉強の励みになるもの、いろいろあるだろうけど、一番は何であろうか？　私は、家族や孫からの手紙ではないかと思う。　「おじいちゃんも、　もじを　れんしゅー　してるって　きいたよ。　　さとこ　は　さくじつ、　かきとりで　まんてん　とったよ。　　おじいちゃんも　がんばってね」　孫が送ってきた点字のハガキ。おじいちゃんは寝床に持ち込んで、100回なぞるだろう。　点字の触読トレーニングをしている方に、まわりの人が、日常のことあれこれ書いて、点字の手紙を送ってあげればいいと思う。読む楽しみがあってこそ、読めるようになろうと熱も入るもの。　それには、まわりの人が簡単に点字を書けること、これが大切だ。最初に私が、つっかかったように、一般の人たちにとって現状は簡単だとは言えない。そこを少しでも簡単にしたい。　また、これには、おいしい支援がある。　点字のみで書かれた郵便物は、第四種郵便物というものに該当し、無料で送ることができるのである。　▼ＪＰ 第四種郵便物　http://www.jp-network.japanpost.jp/services/post/letter/index04.html　ということで、要件定義もどきは。　・利用者は晴眼者　・とっつき易さ優先でワードのマクロとして提供　・送りたい文章を普通の文(漢字かな混じり文)で書いて　　マクロを実行すると、点字凹面に変換されて印刷される　・その点をなぞって、点字器で打つ　・ついでに宛先住所や第四種郵便物を示す印刷もされる　・もちろんフリーソフト　というもの。

  2011.06.14

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• 点字を書く 15　『かもめの叫び』

  　意気くじかれても、エマニュエルは粘って、試験勉強を続けた。　ある日、俳優で監督でもあるジャン・ダルリックが、舞台出演を依頼してきた。『沈黙の子供達』という作品の主演女優サラを演じて欲しいと。アメリカで映画化されたものが大成功を収め、オスカーで賞を獲得している作品だ。　素晴らしい役！　内容を詳しく聞くほど、舞台に、役に、監督ジャンに魅せられていった。　バカロレアの試験は３ヵ月後に迫っていた。　３か月後のバカロレアに向けて、気持ちを不安定にするようなことだけは避けたかった。　心臓のドキドキをいったん止めて、情熱はしばらくおあずけ。　まずは目標を達成しなくちゃ。　地理、哲学、歴史、フランス語、英語、物理。養護学校の口頭授業の補習を、通信教育で埋めた。復習に復習を重ね、病気のかもめのように顔色が悪くなるまで勉強した。合格のご褒美は舞台。　筆記の試験はパスした。これで少しは気がらくになった。筆記より口答の方がこわくない。ペンを運ぶのと同じくらい速く考えたり、文章を入念に仕上げて行くのは大変なことだ。口答の方が私には向いている。　「マドモアゼル・ラボリ、”洞窟の比喩”について述べなさい」　口答試験。プラトンによる『真実』に関する哲学の質問。　難しい。難しい。それでも私はやり遂げた。　ありがとう、太陽のようなプラトン。　バカロレアを手に入れた！　それも優秀な成績で！　舞台に向かって、みんなが私を待っている。これで飛び立てる！　22才でバカロレアの試験にパスしたエマニュエルは、持ち前の情熱で、次は役作りに挑む。困難の連続を、持ち前の粘り強さで乗り越えて、リハーサルを重ねる。　迎えた初日。緊張のなか、最後まで演じきった。　客席に向かって挨拶しながらも、観客たちの反応を見ることさえ出来なかった。私の頭はまだぼんやりしていた。ただひとつハッキリしていたのは、『私にも出来た』ということだった。　マリが花束を手に、涙で顔をくしゃくしゃにしながら駆け寄って来た。私はマリに抱きついた。私たちは抱き合ったまま、一緒に泣いた。たとえようのない感情。果てしない喜び。　そして、数日後には、拍手やざわめきが聞こえずとも、観客席の反応を感じとる術を会得する。各方面からの批評は素晴らしく、連夜にわたって、熱狂的な拍手喝采を浴びた。　舞台は、フランスの権威ある演劇賞「モリエール賞」にノミネートされ、エマニュエル・ラボリは、ろうあ者として初のモリエール新人賞を受賞する。　「ありがとう。ありがとう。ありがとう」　授賞式で、女優エマニュエルは、感謝の気持ちを述べて、最後に手話のサインをひとつ、会場の皆に教えた。両の指で作った輪を重ねあわせる蝶のサイン、『結ばれること』を示す、素敵なサイン。　「私と一緒にやって頂けたら嬉しい」　会場は、エマニュエルの大好きなサインで埋めつくされた。『かもめの叫び』の紹介　＜終＞

  2011.06.12

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• 点字を書く 14　『かもめの叫び』

  　虚ろに落ち込むエマニュエルにも、情熱を感じるものがあった。それは演劇で、小学生のときに、演劇の講習を受けたのがきっかけだった。　演劇の講師には、まずバカロレア(大学入学資格試験)を取りなさい、と言われていた。教えを受けるにはそれが条件だった。　あてのない日常から、浮上したい。「まずはバカロレアを取りなさい」周りの者もすすめる。　今回はもう、好きなだけ言ってれば、とは思わなかった。そのあとどうするかはわからないけれど、まずバカロレアを取ることにしよう。　かもめも、頭の中でひとつ、考え始めた。　17才からの3年間、エマニュエルは養護学校でバカロレアのための勉強に打ち込んだ。　機会があれば、演劇の方にも力を入れた。映画の端役を演じ、フェスティバルで創作劇を発表した。　これはすばらしい出来だった。観客から拍手喝采が送られ、その称賛に私はすっかり感動してしまった。そう、私は観客の波動を強烈に感じたのだ。そして、観客ひとりひとりに違ったリズムがあることにも気がついた。　演劇が好き。舞台が好き。拍手が好き。でも……まずはバカロレアを取ることだ。　私は辞書や本と首っぴきになって過ごした。教師の唇の動きから読み取った文章の意味を確かめて自分のものにするために。とにかく猛勉強した。時には、気が狂ったように、夜中の２時３時まで勉強することもあった。　かつて手話を教えた妹に、フランス語の作文を教わった。雑誌や新聞や本を、目がかすむまで読みまくった。決めた目標へと無我夢中で突き進んだ。　1991年、エマニュエルは19才でバカロレア試験に初挑戦。　あがって力を出せず、そして、落ちてしまう。　＜つづく＞

  2011.06.11

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• 点字を書く 13　『かもめの叫び』

  　13才。思春期、反抗期のエマニュエル。　学校が嫌いになり、不良と恋して、学校をさぼって遊びまわる。　私は長く伸ばした髪を背中になびかせ、胸までかかる髪をカールし、テレビスターのように頭を振って時を過ごした。無感動を装って、だらだらとガムを噛み、ヴァニラの香りの香水をふりかけて、家族のみんなをうんざりさせていた。　私は愛と反抗にのめりこんだ。きらめく海に潜るように。怖くなんかない。喜びだけだ。　学校をさぼって遊び回り、家に帰る時間がだんだん遅くなっていった。両親はそれに気付き、門限を決めようとした。でも、もう遅すぎた。そんなことどうでもいい。門限は自分で決める。　耳の聞こえない人たちの共同体が、私に自由をくれた。みんなと一緒にいると自分の星にいる気がしてホッとした。私たちは地下鉄のオベール駅に集合して何時間もおしゃべりした。地下鉄の駅が私たちの待ち合わせ場所だった。反抗の拠点。ファミリーの拠点。私たちの領地。　問題の年頃は、どっぷり深く問題にまみれる。親は心配するが、口を出すほど悪い方へ流れていってしまうもの。　ディスコ、パーティ、アルコール、煙草。　グループが地下鉄で問題を起こし、巻き添えでエマニュエルも警察に連れられて、ひどい一晩を過ごす。要求を一切無視して、露骨な蔑みを受ける。　警察不信は、人間不信に。エマニュエルの反抗は加速する。　万引きをして捕まる。ディスコに通って朝帰り。失恋。　何が決定的だったのか、書かれていないけど、両親は離婚してしまう。　１７才。本にはこの時期を振り返って、自身を次のように書いてある。　信頼だってもう昔と同じ言葉ではなくなっていた。それからの私はしばらく、新しい信頼と新しい毒薬を求め、さまようことになる。音楽、アルコール、くだらないお祭り騒ぎ、煙草といったものに酔いしれ、クタクタになるまで。　汚染さていくかもめ。　まるで、たれ流しにされた原油にまみれ、真っ黒になって身動きとれなくなってしまった鳥のようだった。　聴者ばかりの中で過ごすのは苦痛で、手話の通じる人といると安らぐとあった。すべて赤裸々に書かれてある『かもめの叫び』は、手話の魅力を伝えると同時に欠点も晒している。　私は先日機会あって、手話でする自己紹介を教わった。　「私の名前は○○です。よろしくお願いします。私のわかる手話はこれだけです。」　手話のできる人はまだそこそこいるが、指点字のできる人はどれだけいるだろうか。少しでも近くに、少しでもたくさん、コミュニケーションのとれる人がいるだけで力になれるなら、自己紹介レベルだけでも習得したいと思った。　＜つづく＞

  2011.06.10

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• 点字を書く 12　『かもめの叫び』

  　エマニュエルは手話が上手になった。　校内で手話は禁じられていた。まわりの耳の聞こえない人たちに手話を紹介して、自分と同じように世界を開いてあげたかった。　耳の聞こえる親たちは、耳の聞こえない子供の頭の中で何が起こっているのか決して理解できないだろう。そこには孤独があり、抵抗があり、コミュニケーションに対する飢えがある。そして、もちろん、怒りも。家でみんなが気に掛けもせずにしゃべっていれば、家族からの疎外感だってある。何故なら、絶えず、まわりで起こっていることを、少しでも、ほんの少しでも知るために、袖や洋服を引っ張って尋ねなければならないのだから。そうしなければ、人生は字幕のない無声映画と同じなのだから。　1880年にミラノで開催された第2回ろう教育者会議で、ろう者に対する教育は、手話法より口話法の方が優れてると議決されて以降、手話は公の場では禁止される。　その採択の是非は分らない。しかし、エマニュエルの主張を読む限り、難聴ではなく全く聞こえない者に口話法一点張りの教育は、疑問を感じずにはいられない。　関心の対象外ではあるが、この本を読んでいると、社会が手話を認めないのはなぜか、気になる。次のwiki頁（ろう文化・バイリンガルろう教育）を読んでわかった。言語として習得しやすいのは手話。これは明らか。しかし、聴者と共に生きていくなら、口話法による教育の方が、社会に歩み寄れる道に繋がる、という理由らしい。手話はその点、ろう者だけの文化に閉塞しやすいと。　11才のエマニュエルは、3才の妹マリに手話を教える。マリは聴者。　まず書き方を教えてから、手話を教える。彼女の小さな手は空中で、それは可愛らしく動き、素早く理解する。私はその様子にうっとりしてしまったほどだ。彼女はフランス語をしゃべり、次の瞬間、いとも簡単に手話で言い換える。マリは私に狂喜と、絶大なる誇りを与えてくれた。　この私が、”知識の源”になっているのだ！　マリは両親の声を真似て発音もする。しかし、エマニュエルにはできない。　小学校で、聞こえる子供たちは、笑いながら私がしゃべろうと努力するのをバカにした。「何が言いたいんだよ、全然、わかんないよ！」って。　もちろん、わからなかっただろう。私は自分の声さえ知らないから。でも、成果はどうあれ、彼等の真似をしようと努力しているのは、この私だ。他の子たちは？　せせら笑う他に何か努力してくれたの？＜つづく＞

  2011.06.09

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• 点字を書く 11　『かもめの叫び』

  　　その頃、私の頭の中には、ある大きな疑問が常にあった。もし、耳の聞こえる人たちが背中を向けていたら、私はどうやってコミュニケーションをとったらいいんだろう？　ということ。顔と顔を突き合わせた状態でないと伝えられないのに、どうしたらいいの？　――私を見て。あなたの顔を、目を見せて。そうすればわかるから。　聴覚障がい者は、外観では識別できない。白杖を持たないロービジョンの方も同様だ。そして、とくべつ意識していない限り、普通私たちは、すれ違った人を健常者だと思い込んでいる。　山ですれ違う人に「おはようございます」と挨拶しても、無言だったとき、『なんて無愛想な奴だ』と呆れる。しかし、ちょっと待て。もしかしたら聴覚障がい者だったのかもしれない。　『障がいのため、できないのかもしれない』と、その可能性を常に念頭に置くことで、相手に優しく、かつ自身もストレスを受けずにすむことに、私は気づいた。　ぶつかられても、ロービジョンだったのかもしれない。　レストランでキーキー子供がわめき続けていても、ろうなのかもしれない。　多くの場合、違うのだろうけど、そう考えると無用に苛立つこともない。　(これも「大切な教え」の仲間だ)　アルフレッドとビルが手話で話し、ビルが父に伝えている。でも、彼らの手の動きは私にはさっぱりわからない。スピーディに複雑に動く手。とにかく驚くべきものだった。私は口をポカンと開けたまま、ふたりの動きに見入っていた。めまぐるしく動く口、指、そして体と顔の表情。なんてきれいなの、なんて魅力的なの！　父がラジオで手話のことを知り、さっそくかめもを連れて、手話を使う人に会いに行く。そこで、７才のかもめは、いろんなことに驚く。　手話との出会いは、かもめにとって劇的な体験だったようで、さまざまな不思議と喜びが、いきいきと綴られている。　章のタイトルは『手話が私に”生命(いのち)”をくれた』　言語を得て、かもめは飛躍的に成長する。　何より、私はエマニュエル。ようやく、私も自分が誰であるか、わかったのだ。私。つまりエマニュエル。　生まれた時から、両親に繰り返し名前を呼ばれ、呼ばれればすぐに振り向く習慣がついている人たちには、私のこんな話は想像しがたいことだろう。誕生と同時にアイデンティティが与えられていたのだから。そのことを改めて考える必要もないし、自分自身に問い掛けをしてみることもない。なんの努力もなしに、最初から私、なのだ。　＜つづく＞

  2011.06.08

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• 点字を書く 10　『かもめの叫び』

  　７才になるまでは、頭の中に言葉も文章もなかった。あるのはイメージだけ。ママの袖を引っ張るとき、ママには他のところを見ていてほしくなかった。他のどこでもなく、私だけ、私の顔だけを見てほしかった。それこそがコミュニケーションだと思っていたからだろうか、ママには絶対にそうしてほしかったのを覚えている。　耳が聞こえなくても発声は可能、というのが当時(というか今でもそのようであるが)、社会が聴覚障がい者に課した教育で、一度も聞いたことのない音を発音できるように訓練するのである。これはかなりのストレスになるようで、かかる時間と労力と効果を考えると、「まったくバカげたことだ」と著者は憤慨する。　『かもめの叫び』には、たくさんの主張が、ときに明瞭に、ときに控え目に書かれてある。なかでも、手話を認めなかった社会に反省を促すことは、終始、強く記されてあり、この本の主題のようである。　ある晩、ミュージシャンの伯父のフィフーが、家に来てギターを弾いていた。この日の記憶は鮮明だ。家族みんなが聞いており、伯父は私にもギターを聞かせたいと思った。彼は私にギターのネックの部分を噛むように言った。言われた通りにすると、彼はギターを弾き始めた。振動が体全体に響きわたった。私はネックから口を離せなくなってしまった。高い音も低い音も、どんな小さな震動も体の中に入り込んでくるのだ。私の内側で演奏しているのだ。　聴こえないけど、かもめは音楽が大好きで、クラシック、ジャズ、ビートルズとコンサート会場に出掛けて音楽を楽しんだ。　音色は、足から音を感じる。ピアノ、ギター、ドラムスは音を掴めるが、ヴァイオリンの音はチャッチできないという。空高く舞い上がっていく音で、大地に向いていないから。　それが昂じて、後にはディスコ通いに。　思春期の頃は、耳の聞こえない仲間たちと、ディスコに出掛けるのが大好きだった。他人の迷惑など気にせず、音楽をフルヴォリュームで思いっきり感じられる場所だ。スピーカーに体をくっつけ、リズムに合わせながら体を揺らしながら、夜じゅう踊った。　＜つづく＞

  2011.06.07

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• 点字を書く 9　『かもめの叫び』

  　「あなたは、ドアがパタンと閉まると音のする方に頭を向けた。だから、全く普通だと思っていたの。まさか、床の振動や空気の移動を感じて振り向いていたなんて、思いもしなかった」　小児科医の誤診もあり、9か月になるまで両親は、赤ちゃんが重度の聴覚障がいであることに気付かなかった。　赤ちゃんは叫んだ。自分に聞こえない声を、懸命に両親に届けようとして。「キーキー」とカメモのように。それで、両親は、赤ちゃんに”かもめ”とあだなをつけた。　『かもめの叫び』は、生まれつき耳が聞こえなかった人の自伝である。著者は、1971年にパリで生まれた女性。人と言葉と表現と生活について、いろいろと考えさせられた本である。これから数回にわけて、内容を紹介しようと思う。０才から７才まで、私の人生は穴だらけだった。目に見えたものの記憶しかない。年代のわからない映像を集めたフラッシュバック。この時期は、将来も過去もすべて同じ時空間の上にあった。ママが「昨日なんとかで……と言っても、私には昨日がどこなのか、昨日とはなんのことなのか、わからない。　今では、聴覚障がい者の言語は手話というのが通念である。手話通訳のつくＴＶ放送や講演会もある。手話は社会に浸透しているように思われるが、こうなったのはごく最近のことらしい。　フランスでは、1991年まで手話による教育が禁止されていた。　養護学校では、聴覚障がい者に口頭語が教えられていた。口の形から言葉を読み取り、聞こえずとも発音できるようにトレーニングを重ねるのである。手話は下品で粗野な言葉であり、また母語を学ぶのに邪魔になるとされていた。ごく小さいうちから手話を習い始めたり、同じ障害の両親を持つ子供たちの場合は、ちょっと状況が違う。彼らのめざましい進歩の様子に、私は呆然としたものだ。７才になるまで手話を知らなかった私は、明らかに遅れていた。まるで、野性児かなにかのようだった。　＜つづく＞

  2011.06.06

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  塩キャラメルサンミー(神戸屋)

  　月初めに新作を出す神戸屋が、先月に続いて６月も、ＮＥＷサンミーを出してきた。　「塩キャラメルサンミー」。　少しおとなしめのパッケージだ。イラストがひとつもなく、色遣いも落ち着いている。　仁丹、ラムネ、ガム。お菓子が限られていた時代。キャラメルといえば「森永ミルクキャラメル」。(ちょっと古いか)　そんな連想はとうに風化して……、　キャラメルひとつを宝石のように売る店が百貨店で幅をきかせて……、　またそういう連想もすでに褪せて……、　もはやキャラメルは、抹茶・チョコ・練乳などと同じ、和洋菓子で扱われるフレーバーのひとつとして定着しているか。デニッシュ生地に、コクのある塩キャラメル風味のクリームを包みました。　カットしてみると、中のキャラメル風味クリームが分厚い。サンミーのDNAとは、ちょっと違うぞ。最初に持ったときの重量感は、このペーストのせいか。　食べてみると、さすがにこれだけ厚みあるキャラメル風味クリーム調(?)ペーストだけのことはあって、濃厚なキャラメル味がする。昔ながらのキャラメル味だ。懐かしいあの味。　チョコとデニッシュが、引き立て役になっていて、キャラメル・メインの味が楽しめる。それに塩が、強すぎず弱すぎず効いている。　いろんな味がデニュッシュの中でまじわって、豊かな味を作っている。複数の味わいを束ねて『いかが？』と問うサンミーの本領発揮で、完成度高い逸品だと思う。食べる前から、これは無難だなと思っていたけど、想像以上においしい味だった。　最初に書いたように、キャラメルは定番フレーバーのひとつ。その割に、これまでのサンミーになかったのは意外だ。　意外になかったといえば、アーモンドを思い出す。あれもおいしかった。どちらもハズさない味がみえているのに、なぜ長く手を出さなかったのだろう。もしかしたらサンミー開発陣は、手堅いヒットよりも、空振りかホームランかの勝負が好きなのかもしれない。

  2011.06.02

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• 点字を書く 9

  　前回はまちがった。　「こんにちは、せかい」ではなく「こんにちわ、せかい」だった。　「お父さんは中国へ旅行中です。」のかな文は、　「おとーさんわ　ちゅーごくえ　りょこーちゅーです。」となる。　小学校低学年生のおかしがちなミスと誤解されそうだが、助詞の「は」と「え」は、発音どおりに書く。ウ音便は長音符に。この程度の変換なら、パソコンでなんとか処理できそうだ。しかし、分かち書きの処理となると、ちょっと難しい。　分かち書きというのは、意味が分かりやすいように、適切な位置に空白を挿入する処理である。　「すもももももももものうち」とあれば「すももも　ももも　ももの　うち」　「うらにわにわにわにわにわにわにわとりがいる」とあれば……というような難しいことをさせるのではなく、もっと単純なこと。　「野菜ジュースとウーロン茶と炭焼珈琲をください。」とあれば、　「やさい　じゅーすと　うーろんちゃと　すみやき　こーひーを　ください。」　テキトーに空白を挟めばよいというものではなく、ルールがある。このルールはシンプルなのだが、実際に、様々な文章に適用してみると、やっかいなことになってくる。　「塩ラーメンと醤油ラーメンと味噌ラーメンをください。」　「しおらーめんと　しょうゆ　らーめんと　みそ　らーめんを　ください」　塩ラーメンは続けるのに醤油ラーメンを分けるのはなぜか？　シオが２拍でショーユが３拍以上だから。ならミソはなぜ分けるかというと、シオが和語でミソは漢語だから。　人間でも『？』なことを、パソコンにさせようというのだから、「分かち書き」の難しさ、察しられよう。　さらに前段階の、漢字の読み方で、匙を投げたくなる。　「私は一昨年から日本の蓮を描いています。」をどう読むか？　「わたしわ　いっさくねんから　にほんの　はすを　えがいて　います。」　なにも悩まずスラっと読んだ人は、点訳に向かないかもしれない。　「わたくしわ　おととしから　にっぽんの　はちすを　かいて　います。」　複数の読み方をとる漢字は多い。「私」には「あたい」だってある。どれが正しいか？　『そんなの分かるわけないじゃん』　それでも処理をまかされたコンピュータは、なんらかの基準や推測でもって判断し、答えなければならない。　このように点訳は、パソコンで自動処理できるものではなく、人による校正作業が省けない。　＜つづく＞

  2011.06.01

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  点字を書く 8

  　ツールとは、パソコンのソフトウェアのことである。　『あぁ、墨字を点字に変換するプログラムか』　と最初は誰でもそう思うだろうけど、そういうソフトウェアはすでに揃っている。　まず、ウェブでサービスしている「点字解読 on the web」。　安定しておおむね正確な結果が得られる。出力結果の利用しにくさが難点か。　スタンドアロンのアプリケーションならば「お点ちゃん」。　読みと分かち書きの精度が素晴らしい。入出力データの可搬性もよく、まとまった作業量の点訳をするなら、私はこれかなと思っている。　それと、とっつきやすさがズバ抜けて優れている「社会福祉法人日本ライトハウス の 墨点字フォント」。　今の私のように、小型点字器と「点訳のしおり」で数行書くだけの用なら、このフォントだけで足りてしまうのだ。その使い方を以下に補足説明する。ダウンロードした"br-font.exe"を実行すると、"BNLbrail.TTF","BWLbrail.TTF"の2つのフォントファイルが得られる。コントロールパネル→フォント→ファイル→新しい…より、この2つのフォントをシステムにインストールする。メモ帳を起動して「こんにちは、せかい」と入力してみる。書式→フォント→「点字線付」に変更。(これで点字に！)Alt+PrintScreenでキャプチャを録り、ペイントに貼り付ける。変形→反転と回転→水平方向で、凹面にする。パターンを見て、小型点字器で点を打つ。　しかし、上の説明は、簡易さを強調するあまり、ちょっと偽ったところがある。　「こんにちは、せかい」が清音ばかりの都合のよい句であることだ。最初の原文を入力するときに、入力者は点訳の知識を要求される。前置符が必要なものは相応の「前置文字」を入れ、分かち書きをすべきところでは、ワンスペース叩いておく必要がある。　しかし、ネットなし、アプリなしで、点訳を実現しているこのお手軽さには感嘆！　＜つづく＞

  2011.05.31

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• 点字を書く 7

  　視覚障がい者の点字認識率が低い理由として、音声ガイダンスの普及が指摘されている。たとえば、図書館では、DAISY(デイジー)と呼ばれる音訳図書が、点訳図書に代わっての蔵書媒体となっている。たしかに、DAISYの方がハンディだし、音声の方が点訳よりも同音異義語も判別しやすい。ATMのサポートなども音声で行われる方式が用いられている。視覚障がい者には進歩だ。　しかし、盲ろう者のことを忘れてはいけない。盲ろう者には点字が唯一の獲得言語なのである。　ある情報によると、視覚障がい者30万のうち7割が弱視(ロービジョン)で、盲ろう者は全国に2万人。ということは、墨字識別不可の人が全国に11万人いて、このうちでの視覚障がい者と盲ろう者の比率は、9対2なわけだ。　『パソコンが音声ナビしてくれて、情報格差が縮まってきたと思ったら、YouTubeなどという画像情報がネット上を席捲してきて、たまらんなぁ』　健常者社会では、視覚障がい者の立場が、常に切り捨てられている。マルチメディアの発達だとうかれて、マイノリティの文化を脅かしているのである。ひどい話である。しかし、視覚障がい者が、音訳ばかりを重宝してしまうことは、同じ憂き目を盲ろう者に味わわせてしまうことになりはしないか。　そこで、点字が廃れてしまわないためにも、視覚障がい者の点字習得の一助となるツールを作成しようと考えた。　＜つづく＞

  2011.05.30

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• 点字を書く 6

  　触読において点字は、凸位置を識別するものではなく、字面の存在を感じ取るものらしい。　混雑の中を歩いている時、視界の隅にふっと入っただけの人。その人が、ごく親しい間柄の人だった場合、ほとんど見てもいないのに『あれ？　今の人、もしかして』と、見過ごすことなく、識別できてしまうときがある。　大勢の人が流れ歩いていくなかで、なぜ見分けられたのか、自分でも不思議でしかたない。体型と、髪型と、姿勢と、服装と、動作と、雰囲気。（６点にあわせて、６つあげたが）これら個々がどうだったから、という判断ではなく、すべてをひっくるめた「存在感」を嗅ぎとっている感じ。動物の本能だろうか。　点字を撫でながら思う。　『トレーニングすれば、スラスラ読めるようになれるのかな』　指先の1cm四方の小さな中に、信じがたい能力が潜在している。これは「希望」だ。ならば、未知な脳の中には、どれほどの希望があるだろう。自分の限界を決めつけることの、つまらなさを反省しよう。　＜つづく＞

  2011.05.29

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  点字を書く 5

  　教本に習って、五十音の点字を書いてみた。　紙は、普通の厚紙でいい。官製はがきぐらいの厚さがあればじゅうぶんだ。　点字は、横2×縦3の6点で、1字を表す。パターンは、2の6乗で64しかない。　「常用漢字2136字あるのに、どーすんの？」という心配はご無用である。なぜなら、発音を表す点字には、ひらがなもカタカナも漢字もないから。(基本は)　しかし、清音のみの五十音に、濁音・半濁音・撥音・促音・拗音を加えたら100音ほどになる。64ではとうてい足りない。そういう音は、半角カナと同じように、2字で1文字とする。また、数字と英文字は前置符号を入れることで表す。　携帯電話の1つのボタンが、モードを切り換えることで、仮名や数字や英字を担うのと同じく、点字の1パターンも、前に置かれた符号によって複数の解釈をとる。　点字の五十音は、ローマ字感覚で覚えられる。点のパターンが、母音と子音の組み合わせで成っているからである。見て読むのは案外やさしい。五十音を書いてみた実習を一回しただけで、街中で見る点字は、たどたどしくながらも、清音だけは読めるようになった。　ところが。　書いた点字を指でなぞって読むのは、集中して1時間トレーニングしても、一向に上達しない。上達しないどころか、まったく進歩しない。　無理もないことで、これは視覚障がい者でも同じなんだそうだ。　点字は触読に苦労するものらしい。　読み取るには、指先の感覚を研ぎ澄ます必要がある。生まれつき見えなかった人は早いうちからこの能力を開眼させているが、中途で失明した人には難しいらしい。晴眼者は言わずもがな。　視覚障がい者のうち、点字を読める人は、３割程度だとか。びっくり。見えない人は、誰でも点字が読めると私は勝手に決めつけていた。　点字を読めるかどうかも尋ねずに、点字のハガキを出そうとしていた私は、大きな間違いをしていたのかも。　＜つづく＞

  2011.05.28

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  点字を書く 4

  　点字図書館で得たアドバイスのおかげで、点字を書くことは、もう般若心経を写すよりも敷居の低いことに思われた。安心しきった私は、その後忙しくなったこともあり、この作業を中断してしまった。　結局、点字器を調達するよりも、ハガキを出す期限が先に来てしまい、当の視覚障害者には墨字(点字の対義語)のみの情報で投函した。　点字は意外と簡単に書けることが分かったとはいえ、実際に、伝えたいことの点字凸面のついたハガキを作成するというのは、それなりの努力がいるということだ。　当初の使用目的には手遅れとなってしまったが、その後、点字器を入手した。日本点字図書館製 N632小型点字器6行×32マスである。『点訳のしおり』という、基本的な点訳規則が書かれてある教本も手に入れた。　おそらく届いた郵便物は視覚障害者が手にする前に、ご家族の方や介助者の方が仕分けして、必要な事柄は墨字であっても伝わるだろうから、点字でないと困らせるということはないと思う。しかし、伝達事項が墨字で書かれていても、要点や日時など後から再確認したい内容や、「ありがとうございました」の一言だけは、点字を書き添えておきたい。　そういう機会が今後あるかどうかは分らないが、準備に手間取って怠慢してしまった今回の失敗を繰り返さないために、点字器だけは持っておくことにしたのだ。　これで、いつでも点字付きのハガキを出すことができる。　＜つづく＞

  2011.05.27

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• 点字を書く 3

  　施設の利用資格のない私を、係員は親切に、奥の作業ルームを案内してくれた。そこには点字プリンターというのが置いてあった。パソコンのプリンターの点字版である。点字の書籍作成など、ボリュームのある作業はこういう機械でこなしているのだと説明してくれた。さらにパソコン画面で平仮名を入力すれば即座に点字に変換してくれる処理をデモしてくれた。　そして、あなたがやりたいことは、もっとお手軽に、こういうもので十分だ、といってＡ４サイズほどの板を出してきた。　板の上で定規が平行移動する仕組みになっていた。定規には1cm四方の穴がずらっと並んでいた。係員は慣れた手つきで、紙を乗せて定規を書きたい行に持っていき、ドライバーのようなもので穴のなかに点字を書いた。　これは「点字器」。手に持つ、これは「点筆」。読む面は裏側になるから、右から左へ、点字も反転させた位置を打つ必要があると、できあがった点字の凸面を示しながら、使うコツを話してくれた。　私はこの点字器に驚いた。　『こんなものがあったのか！』　点字を書くには、なにか特別な電気製品がいると、私は決め込んでいたのだ。なんのことはない、部屋にある道具を工夫したら、何も用意せずとも点字付きハガキを製作できたのだ。例えば、ほどほどに柔らかいコルク貼りコースターの上から、インクのでなくなったボールペンの先で突くとか。　お礼言って、点字図書館を後にした。　そしてネットで調べて、点字器が千円以内の値段から買えると知った。　＜つづく＞

  2011.05.26

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• 点字を書く 2

  　点字図書館は、想像と違った。普通の図書館と同じように、抵抗感なく自由に出入りできる場所を想像していたが、あまりオープンな感じではなかった。　ビルのテナントの一室で、広さは見えている部分で10坪ぐらい。入口を入ると右手に係員ルームがあった。奥に本棚がある。その前に立って本のタイトルを眺めるという、図書館という場所でごく一般的な行為をとるまでに、まず係員へなにかひとこと言わねばならないような、そういうレイアウトだ。係員以外、誰も利用者はいなかった。　なにか説明を述べるべきところかな、という気がしたが、さてどう説明したらいいものか。やや困惑した私を、係員もやや不思議そうな表情で見返してくる。見慣れぬ晴眼者(視覚障害者の対義語)が単独で来館する、というのは珍しいケースなのかもしれない。　来館の目的を話した。　つまりは、点字に関しての知識・ツールとも全く持たない者が、ここの施設の協力を得て、その作業を遂行できるのか？という質問である。　係員の対応は親切で丁寧だったが、結論を書くと答えはＮＯであった。　なぜかというと、障害者でない私は、まずもって、ここの施設を利用できないのであった。もし利用したいのなら、利用資格をもった障害者にご同伴いただくかしていただきたいと。　「そのハガキを送りたい障害者に一緒に来てもらうことはできないのですか？」　係員は逆にそう尋ねてきたが、私は返事に窮してしまった。　「いや、それはちょっと……」　『あんたを喜ばしてやろうとこんなサプライズを考えているんだが、私一人ではダメだから、ちょっと顔だけ貸してくれないか？』と頼んでみろというのか。そんな間抜けなことできまっかいな。第一、会うのならその場で口頭で伝えられるし……。　晴眼者のみの利用を禁じているのは、ここの施設を商用目的で利用して儲けようとする輩を遮断するためである。確かにそういう対策は必要だ。しかし、私のような悪意のないケースもはじかれてしまった。仕方ないか。 ＜つづく＞

  2011.05.25

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• 点字を書く

  　少し前、点字を書こうと思った。　点字とは、視覚障害者の方が読む凹凸で表記された字のことである。いままで点字とは縁なく生きてきた私が、ひょんなことから、点字で文字を表記する必要に迫られたのだ。まぁ、必要に迫られたと言っても、私が点字を使いたいと思っただけのことで、必ずそれを要するという状況ではなかった。　どういうことか書くと、視覚障害ランナーの方にマラソン大会での「ゼッケン番号やスタート時間」といった最低限の情報を伝えるために、ハガキに点字を書きたかったのだ。　これまで点字といえば、自動販売機のボタンや、交差点に立つ盲人用信号機の先端に見たことあるなぁ、というだけで、点字の知識はゼロ。　『どうやって点字を書けばいいのだろう？』　というのが最初の疑問。　昔テプラというのが大流行したことがある。もう30年ぐらい前かなぁ。自動販売機のボタンには、テプラ出力のような点字が貼り付けてあるのを見た記憶があった。「テプラ　点字」でググって「点字テプラ PRO SR6700D」という製品を知った。値段は３万円ほど。数文字打つだけなので買うつもりはない。　『どこかでこれを借りれないか？』　「堺市　点字」でググると「堺市立点字図書館」というのがあることを知った。市の図書館はよく利用するけど、こんな図書館があったとは知らなかった。　『この図書館へ行けばすべて解決するかも』　ということで出かけていった。　＜つづく＞

  2011.05.24

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• よく頑張った

  ＜前回のつづきから＞　このように使いたくないなと思う語をあげて、つらつら考えるに、意味のない語は極力省くのがよかろうという結論に達した。　それで「頑張って」も意味のない語だから、あまり使いたくない。　頑張っての代わりに、ひとひねり加えて対応したい。　「全鯖、頑張って」→「鯖、腐らせんように」　「水都、頑張って」→「水都、河川敷堪能して」　「頑張って」が頻繁に使われるランニングを趣味とする人のなかにいて、「頑張って」を使わないようにしようというのが、私のチャレンジである。　ということで、久しぶりに連日更新できた。　途中にＣＭもどきのようなものを挟んで６日分となった。　「よく頑張った」　……と言っちゃいけないんだ。

  2011.05.17

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  ロールちゃんプリン風味(ヤマザキ)

  　プリン風味は、いまだけの期間限定。２年前に関西限定として販売されたフレーバーらしい。　黄みを帯びたホイップクリームはカスタート味で、その中にカラメルが入っている。このカラメルはプリンの底にあるソースと同じで、甘さと香りの濃縮されたあの味がした。プリン風味とはつまりカラメル風味。　ロールちゃんは甘いものだが、その中でも甘めのロールちゃんといえよう。　ふんふん、悪くないな。甘い以外に特徴は？と食べていたら、　半分の つもりがペロリ２／３　　　　台紙がしめす 食べ過ぎ違反◆　ところで、ロールちゃんと並んでよく売られている、ヤマザキの要冷蔵デザートといえば、まるごとバナナ。　同価格帯で、スポンジケーキとホイップクリームという構成も同じ。　発売時期はロールちゃんが2007年。まるごとバナナは、なんと1992年。　19年間に及ぶロングセラー商品だった。ロールちゃんはまだまだひよっこ。　しかし、まるごとバナナの長寿記録を脅かすのは、ロールちゃんだ。　この先どちらが長くまで残るだろうか。　私の予想は、クリームのなかにバナナを入れた「ロールちゃんバナナ」というのが定番になってバトルは終結。めでたく両者とも生き残る。

  2011.05.16

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  北海道チーズケーキサンミー(神戸屋)

  　神戸屋の５月は「北海道」がテーマ。　北海道といえば、私は一番にタラバガニ、二番目はウニ、三番目はサーモン・イクラの親子丼、と海鮮ずくめ。　タラバガニサンミー、ウニサンミー、サーモンイクラサンミーが実現するのはまだまだ先だろうか。　タラバガニ。　ちくわパンというのがあるから、タラバガニ風味の練物をのせたサンミーなら作ろうと思えば作れるはずだ。さすがにチョコは合いそうにないから、マヨネーズの線引きで。　ウニ。　食の錬金術で「プリンと醤油でウニになる」というのは有名だ。かつて「焼きプリンサンミー」というのがあったらしいから、あと一歩。チョコの線引きを、醤油味煮こごりの線引きに変えるだけ。　サーモンイクラサンミー。　これは難しいなぁ。可能性は、くら寿司とのコラボとか。そのうち回転寿司屋のレーンで回ってくるのを楽しみに待つとしよう。　と、幻の北海道海鮮サンミーシリーズはさておき、北海道チーズケーキサンミー。　変なものをいろいろ想像したおかげで、チョコとチーズという一風変わった組み合わせに、なんの抵抗も感じないぞ。　それに、去年の４月「Ｑ・Ｂ・Ｂチーズサンミー」が販売されている。チョコとチーズは実績ありなのだ。北海道産チーズ入りクリームを包み、チーズ風味のケーキ生地をかぶせました。チーズケーキのような味わいをイメージしたサンミーです。　チョコ味にかき消されることなく、チーズの味と香りがする。それもクセのないもので、強すぎず弱すぎず、よい塩梅である。　「北海道チーズケーキ」に期待をかけすぎると落胆させられるが、それは菓子パン全般にいえること。コーラ飴やカレーせんべい、菓子は、騙されて味わうもの。おいしく騙してくれたら万歳。でなくとも、楽しく面白く騙してくれたら拍手。

  2011.05.14

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• 続・なんか、やっぱり本当に凄い！

  ＜前回のつづきから＞　「なんか」　この語は、間を取るのが主な役割ではないかと思う。かしこまった場では「えー」や「あー」などの、只今思考中であることを伝達する無意味な発声がよく聞かれるが、それのくだけ版だといえる。　「なんか町内会で挨拶することなって、昔のスカートはいてみたら、なんかピチピチで、なんかショックやったわ」　「えー、町内会で挨拶することになりまして、昔のズボンをはいてみたら、えーとですね、前ホックがとまりませんで、えぇ、えぇ、もう愕然となりました」　「あー」や「えー」は、いかにも間抜けだけど、「なんか」は意味があるように聞こえるから抵抗感がないのだろう。一文に「なんか」がたくさん挿入されると、手ぶれした写真のように、文全体ピンボケした感じがする。それが押しつけがましくない言い方として安心できるからか、おっとりした感じの人がよくこういう「なんか」が全文にはびこった話し方をする。　私は、そこまでひどくはないが、ときどき切り出しで使っているのを自覚する。　「なんかな、この前『岳』の試写会観にったらな、云々」　こういうのは、電話の「もしもし」と同じなのかもしれない。拍子を取る程度の使用ならよしとしようか。　「やっぱり」「やはり」　この語はいくぶん敬語的な働きを担っていると思う。2007年の流行語「ＫＹ」は「空気が読めない」。この語に後押しもされ、繊細な人は空気をたえず意識しなければならなくなった。ややかしこまった場におかれたとき、「やっぱり」を多用しがちだ。　「やはり」の意味は「案の定」。　「あのときの匿名カキコは、やっぱりあなただったのね」　結果に先行する予測や期待があり、それと照合して案の定、という流れで使うなら正しい用法。しかし、濫用される「やっぱり」は「Ｋ」(空気)に対する上目遣いだ。　「やっぱり原発は必要悪ですよね。ダム工事に林道拓いて渓谷寸断してるの見ると、やっぱり自然破壊も切実ですよ。真打ちはやっぱり核融合ですか」　意見を言うにしても、ちょっと控え目な感じ。そういう意味で、敬語と同じ働きをしている。　しかし、多用されている話し方を耳にすると、できれば使いたくないなぁと思う。　意見を述べる以上は、もう100%、自分の意見だ。強く出る必要はないが、ことさら弱く出ることもない。　＜更新頻度ＵＰを目指して、続きは次回。＞

  2011.05.13

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