デコラティブアート＆日常

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  お茶とケーキと彫刻レッスン

  今日はまたまた彫刻教室のレッスンをしました。うちの奥さんが生徒さんたちのためにケーキを焼いてくれました。生徒さんに切り分けてもらいました。うちの彫刻教室はイギリス式なのでティータイムはすごく重要です。でも何よりも彫刻を真剣に学んでいます。同じパターン（型紙）を使って彫っても人によって彫りあがる物はぜんぜん違います。人によって立体のイメージの仕方がいかに違うかが分かって非常に興味深いです。ここが一般的な木工と木彫刻の違いです。生徒さんたちが経験を積んで、観察力を高めていくことによって上達していく様子を見るのも教える側の楽しみです。この生徒さんはリネンフォールドパネルを完成させました。美しくできました。嬉しそうです。この生徒さんはリネンフォールドパネルのディテールを彫っています。布が折り畳まれている部分の輪郭を描いて彫っていきます。午前、午後と3時間ずつのレッスンもあっという間に終わっていきました。生徒の皆様お疲れ様でした。

  February 5, 2008

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• イギリスで友達になったホセ

  イギリスの大学で家具の勉強をしていた4年間をホセというスペイン人の同級生と過ごしました。英語の不自由な留学生同志として仲良くなりました。ちなみに彼の本名は、ホセ･ルイス・サインツ・ペレス・ロドリゲス、ととても長いです。これは両親や祖父母の苗字をどんどん名前に入れていくかららしいです。面倒じゃないのかな？と思いました。このホセ君、中々面白いラテン人でした。彼はスペインのリオハというところから自分の車を運転してイギリスまで勉強に来ていて、イギリス国内でスペインナンバーのルノーに乗っていました。よく彼の車で出かけたのですが、彼は物凄くスピードを出します。高速道路で160キロくらいで平気で走り続けます。イギリスの道路にも当然オービス（速度自動取締機）やネズミ捕りがあるのですが、まったくお構いなし。ある日心配になって、「よくスピード違反で捕まらないな。」と聞くと、「そんなの平気平気、カメラで撮られてもスペインナンバーだから無視してるよ。捕まった時は警察官に、「昨日スペインからこの国に来たばかりなので、この国の制限速度はよく知りません」てしらを切ったり、「英語は話せません」と警察官の言ってることを全く理解してないフリをすると、警察官がだんだん面倒になってきて切符を切らないで行ってしまうよ。」とのコメント。この人心臓強いなと感心しました。彼は今ロンドンの　MALLET　（マレット）というアンティークショップの修復士として働いています。

  February 4, 2008

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  彫刻教室週末クラスのレッスン

  今日は彫刻教室の週末クラスのレッスンがありました。この時期は風邪で休む人が多くなります。この生徒さんはアカンサス（唐草）のレリーフを彫っています。モデリング（粗彫り）の段階です。このモチーフは洋彫りの中でももっともポピュラーなものです。これを彫れる様になると複雑なレリーフに挑戦できます。がんばってください。この生徒さんは額縁の彫刻の中のエッグ＆ダートというモチーフのエッグの部分を彫っています。エッグ（卵）のような長細い丸みの部分を成型しています。この生徒さんは帆立貝のディテールを彫りこんでいます。このプロセスで一気に貝らしくなっていきます。楽しい作業です。今日はティータイムに18世紀のイギリスの家具デザイナー、トーマス・チッペンデールについてのミニレクチャーをしました。彼のデザイン、製作方法、家具用材として使われたマホガニーについて、イギリスで作られたチッペンデール様式の家具とアメリカで作られた物の違いなどなど。気が付くと1時間以上のレクチャーになっていました。生徒さんたちのノリがいいと話が止まらなくなる時があります。

  February 2, 2008

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  BAKER社製テーブルの修復

  アメリカの家具メーカー、ＢＡＫＥＲ社（ベーカー）のテーブルを修復しました。日本ではアンティーク家具に加えて、このようなクラシックスタイル家具、いわゆるリプロダクション家具の修復も結構しています。写真は結構年季の入ったリージェンシースタイルのソファーテーブル。都内のお客様で、お手伝いさんがカーテンレールを掃除するために、このテーブルの上に乗ったら4本あった脚の3本がバキッと折れてしまったとの事。こうなると自立しないので、なおるまでは写真のように天板を下にして作業をしました。ベーカー社の家具を扱うのはこれがはじめてなので、どんな作りをしているのか興味深く観察しました。次の写真は折れてしまった3本の脚。痛そうです。かわいそう。こうなるとこの脚を修理してくっつけても強度が出ません。ということで、マホガニーを使って新しく脚を作り直すことになりました。個人的に壊れたパーツを作り直すのは好きなタイプの仕事なので、うちに修復の依頼が来て良かったな、と思いつつ仕事が進みました。次の写真の左側が新しく作った脚です。インレイもばっちり入って、後は塗装してテーブル本体にくっつけます。すべての作業が完了してテーブルは久しぶりに脚を下にして立っています。新しい脚とテーブル本体との色のマッチングも良く出来ました。お客様も喜んでくれました。

  February 1, 2008

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  家具屋 a・PeX さんと打ち合わせ

  今日は1960年代のイギリスや北欧の中古家具を、吉祥寺と代官山で販売している家具屋　a・PeX　の岡本さんと商品企画の打ち合わせをしました。一回目の打ち合わせということでうちの工房に来ていただき、どんなアイテムを作るか、どんなデザインにするかなど、お互いにはっきりしないイメージをすり合わせる作業をしました。岡本さんが工房にある資料を見てます。イメージをスケッチしてます。日が暮れるまで話し合って、2月中に複数のデザインを持ち寄るという事で話が決まりました。楽しみです。

  January 31, 2008

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  英国家具留学

  イギリスでの家具の勉強の締めくくりにウエストサセックスにあるウエストディーンカレッジでアンティーク家具修復を学びました。この大学はイングランドの中でも温暖な気候を持つ南部にあり、裕福なイギリス人が退職後のんびりと暮らす場所として人気の高いエリアです。美しいカントリーサイドでレンジローバーがいかにも似合う風景が広がっています。大学は全寮制で、週７日分の食事が出て、作業台は学生一人一人に与えられ、朝９時から夜１０時まで工房が自由に使え、学内にはバーもあり、スヌーカーテーブルやプールも自由に使えました。修復の課題として与えられる家具も、１８世紀を中心としたの本物のアンティーク家具でした。大学の建物は貴族のお屋敷をそのまま使っているので、古美術の中でカレッジライフを送るという夢のような環境でした。しかしこの非日常的な環境も３ヶ月も経てば日常になってしまいます。日常の退屈からしばし逃れるために大学の周りにあるパブに時々行っていました。ある日学内の友人達と新しいパブを開拓すべく大学から車で２０分程の所にあるパブに行きました。車を止めてみんなで入り口の前まで来ると、中から楽しそうで賑やかな人々の声が聞こえてきます。ワクワクしながらドアを開けた瞬間、中にいた人たちがいっせいにこちらを振り返り、すべての会話が中断してシーンとしました。こちらは日本人、アメリカ人、イタリア人、フランス人と見るからに外国人でよそ者。瞬間的に悟りました。「ここは地元の常連しか来ないパブなんだ。」。まるで古いウエスタンムービーでガンマンが酒場に入って来たときのような光景でした。私達も凍り付いているとアメリカ人の友人が小声で、「ここで飲みたくないから早くよそに行こうよ。」。ということで次のパブへ移動。ここではすんなりとビールが買えて席に着いて飲んでいると、そばにいた地元の男性のグループが「おいっ、山羊野郎ども、どっから来たんだ。」と話し掛けてきました。私達全員があごヒゲを生やしていたのを見てそう言っているようでした。この人達結構酔っていた様でしつこく山羊野郎とか外国野郎を連発してきます。俺達にも酒を飲む権利はあるぞ！という気持ちで今度は逃げずに最後まで飲みました。移民の多いイングランド北部に比べて南部は純粋なイングランド人の世界です。外国人に対してはかなり冷たい雰囲気が感じられます。風景の美しさからはあまり想像できません。でもすべての人がそうとは限りません。私達もビールを飲む所が絶対に必要だったので、手当たり次第パブを試して最終的には感じの良い所を何軒か見つけて通いました。

  January 30, 2008

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• イギリス人のカレッジライフ

  私がチチェスターの大学にいた頃、妻（その当時はガールフレンド）がレスターの　Loughborough University　School of Art & Designという大学で彫刻の勉強をしていました。日本でいえば美大生です。彼女はクラスメートの男子学生3人と一軒家をシェアーして住んでいて、週末はよく遊びに行ってました。このラフバラという町、大学以外は何もない町で学外でする事といったらパブで飲むくらい。でも学生さんたちはお金がないのでパブもそんなに混んでなく、閑散とした印象が残っています。イギリス人が国内の大学で勉強すると、補助金や学費のローンなどが充実していて日本ほどお金がかからないようでした。親も子供の学費は国が補助すべきという考えが強く、子供にはバイトでもして在学中の生活のほうも何とかやりなさい、という雰囲気でした。なので学生達もお金はないけど親元を離れて結構楽しそうに勉強してました。そんなカレッジライフの中、グラントという補助金が年に２～３回、たいてい学期の始めに学生個人個人に小切手という形で配られていました。もちろん申請が通った人が対象になるのですが、800ポンドとか1000ポンドのまとまったお金がもらえるようでした（といっても後で返済するのですが）。このグラントは学生生活に必要な様々な支出をサポートするためのお金なのですが、多くの若い学生にとっては天から降ってわいたお小遣い感覚で、この小切手が配られる時期になると普段静かな町が大盛り上がりとなります。所持金の心配なく好きなだけお酒が飲めるとあってパブクロールをする学生で町があふれ、深夜まで酔っ払って町を徘徊して、お祭り気分です。酔って大声で叫んだり歌ったり、近所のスーパーのショッピングカートに友達を乗せて通りを疾走したりと、かなり非日常的な光景が見られます。グラントの全額を酒代で使い切ってしまう学生もいます。お金の心配なくお酒を飲んでる人たちが集まると本当に楽しそうです。こんなときのイギリス人の盛り上がりかたはすごいです。私もそういう雰囲気は好きなので、妻と同居していたクラスメートにも遠慮なくビールをご馳走してもらいました。

  January 28, 2008

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  彫刻教室

  今日は彫刻教室の週末クラスのレッスンがありました。この生徒さんは帆立貝を彫っています。帆立貝はヨーロッパで中世から広く使われてきたモチーフです。本物の帆立貝の殻が3種類と、私の彫った金色の帆立貝の彫刻を見本にしながら貝の輪郭を粗彫りしています。貝の立体としての形がここで決まります。楽しい作業です。この生徒さんは額の縁に入るエッグ＆ダートという彫刻のパターン（型紙）を作っています。パターンを木にあてて鉛筆でそれをなぞって木に写し取っていきます。今日はお茶の休憩の恋しくなる寒い一日でした。

  January 26, 2008

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  ルイ16世様式テーブル

  以前ルイ16世様式のテーブルを作りました。このテーブルを作っていた時の話。脚は木工旋盤で成型しました。これは角材を旋盤で高速で回させ、そこにノミをあてて削る方法です。旋盤に100ミリの角材がセットしてあります。これを回転させて削ります。10センチの角材が回った時の破壊力は結構すごいです。うかつに指が触れると一瞬で爪が剥がれます。この仕事ををしている間は緊張します。これは旋盤の加工が終わったところです。ここから更に彫刻を加えます。彫刻が終わるとこうなります。旋盤で加工しただけの状態と比べると、彫刻の入った後はまったく別物になります。装飾美術として考えれば彫刻が入ったものの方がはるかに表現力があります。彫刻が入ることによって脚全体のプロポーションの良し悪しに加えて、ディテールを見る楽しみが加わります。日本ではシンプルでミニマルな家具が使われることのほうが多いので、このような彫刻の入った家具を見ると逆にほっとします。

  January 25, 2008

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  チェストの引き出しの作り方

  ヨーロッパのクラシック家具にはしばしば曲面を取り入れたドアや引き出しが使われます。安物は薄いベニヤ板を積層して曲げ型で固めて曲面を作ります。18世紀に作られた家具は成型した無垢の木をレンガを積むようにして図面どうりの曲面を作っていきます。この方法をブリッキングと言います。写真のチェストは以前私が作ったマホガニーのボウフロントチェスト。引き出しの前面は弓反りになっています。この曲面を作るのにブリッキングを使いました。面白かった仕事だったのでブリッキングの過程を紹介します。作業台の上には曲面の構成要素となるシナ材のブロックが乗っています。これで引き出し８ぱい（個）分です。これを全部膠（にかわ）で貼っていきます。これはブリッキングの途中。さきほどのブロックがレンガの壁のように積み上げられているのがわかります。工房ににかわの匂いが充満します。ブロックは一つ一つ型紙どうりの曲面に成型されています。このように大きな曲面を小さな曲面に分けて少しずつ組み上げていきます。時間がかかります。引き出し８ぱい分の前板。ここまでくればもう少しです。この後成型した板にマホガニーのつき板（薄板）をにかわで貼り付け、引き出しを完成させます。チェストが完成するとこうなります。ブリッキングは繊細な曲面を精密に作る最良の方法ですが、時間がかかるのでお金がかかります。作り手としては、達成感も満足感も大きい楽しい製作方法です。

  January 24, 2008

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  彫刻教室。ヨーロッパのデコラティブアート

  今日は私の工房でやっている彫刻教室の日でした。午前クラスは朝10時から。休憩の11時半頃になると生徒さん達も私もお腹が空いてきます。ということでティータイムは暖房の効いた工房のオフィスでお茶とお菓子と雑談で盛り上がります。これはこのクラスの生徒さんの彫った額です。金箔風の塗装、アンティーク風の仕上げ、中のエッチングのガラスも生徒さんが自分でやりました。美しくできてます。この生徒さんは彫り上がった額にフレンチポリッシュをしています。彫刻教室では着色や仕上げの塗装もヨーロッパの伝統工法で、生徒さん自身がやっています。今日も生徒さんたちはがんばりました。

  January 22, 2008

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  ロリオリ３６５

  去年の11月リニューアルした大丸東京駅店。ここの一階に入っているスイーツのお店ロリオリ３６５にディスプレー用のテーブルがあります。このテーブルに使われているカブリオールレッグ（猫足）をうちで作りました。猫足をうまく作れる所を探していたデザイナーが私に行き着きました。猫足の美しさがポイントとの事。はりきって作りました。足のカーブに改良を重ねこんな形になりました。お客様からＯＫが出てよそで作った残りの部分と合体して、白くテカテカに塗装するとこうなります。スイーツを美味しそうに見せるために作られたこのテーブル。実際にケーキなどが乗ったところは見ていないので見たいのですが、中々東京駅に行く用事がありません。年齢のせいかデパートが苦手です。最近父親がなぜ家族でのデパートのショッピングについてこなかったのかちょっと気持ちがわかってきました。

  January 21, 2008

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  長いお出かけ

  普段は工房にこもって仕事に没頭する毎日ですが、昨日は久しぶりに都心に出かけました。たまにしか都心に行かないので出かけるときは時間の許す限り用事をたくさん入れるようにしています。一件目は銀座歌舞伎座に程近い「銀座書斎倶楽部」。書斎にまつわる様々なアイテムを取り扱っているお店です。写真に写っているような書斎家具も扱っています。今回はその家具の一つを修理する事となり引取りにお邪魔しました。月末までショップリニューアルに伴う在庫一掃セールを開催しています。どんなリニューアルになるのか楽しみです。店長さんに写真に入っていただきました。次は白金に移動して、富山で英国アンティークを販売する会社「ガレットマスター」社長の京田さんの結婚披露パーティーに行きました。アンティーク家具業界の人たちが多数集まっていました。おめでたいです。こんな機会でもないと中々会えない人たちに会えて楽しかったです。京田さんと奥さん久しぶりに人がたくさんいる所に行きました。最後に友達と待ち合わせて中野の鍋屋横丁近くのジャズバー「いぶき」に移動しました。友達のよく知るお店で私は初めてだったのですが、ゆるい雰囲気で楽しいお店でした。店主のさおりさんとガク君カメラを向けただけでこんなポーズの出るおもろい人達でした。明け方4時にお店を出て家に帰りました。寒かった。長い夜でした。

  January 19, 2008

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  出品者の顔の見れるオークション

  最近家具の修理の仕事をさせていただいている八方さん。ミッドセンチュリー物を中心に家具と小物をヤフーオークションで売っています。この八方さん、都内にある自宅の敷地にこのショールームを建ててしまった。羨ましい。北欧の家具や小物が好きな人は八方さんのオークションを覗いてみてください。エージングが進んで美しいあめ色になったヴィンテージのY-CHAIRなどが見られます。出品者の顔がわかるオークションもあまり無いですから。

  January 17, 2008

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  イタリア家具のしゅうりの話

  写真の本はうちの奥さんが数日前図書館で見つけた家具の修理の本です。フィレンツェに住む親子の話で、家具修復に関する基礎知識をほぼ完全に網羅していて、なおかつ子供でも分かる言葉で全てを説明しています。読み終わって感心しました。私の仕事を息子に説明するのにちょうど良いです。作者の女性はフィレンツェ出身です。興味のある方は読んでみてください。古い本ですが図書館で見つかると思います。月刊　たくさんのふしぎ　1997年2月号（第143号）「古くて新しい椅子」　イタリア家具のしゅうりの話パオラ・ポルドリー二：作、絵中嶋浩郎　　　　　　：翻訳　福音館書店

  January 16, 2008

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• スパイスガールズ、メルB宅現場

  今日は工房の近所のお客様のためにオーディオキャビネットを作っていました。まだブログに書くほど出来てないし、寒いし、材料は足りなくなるし。こんな日は未だにイギリスであったことを思い出します。帰国して8年になるのにまだ色々と思い出すという事は、私にとってよほどインパクトのある日々だったということか。私の勤めていた会社はロンドン郊外の高級住宅地にあり、ボスはセレブ系のお客様が大好き。こんな理由でスパイスガールズのメルB（去年エディーマーフィーの子供を生んだ人）が買った邸宅の内装の仕事が入り、毎日のように彼女の家で現場仕事をしていた時がありました。現場には塗装屋さん、大工さん、左官屋さん、土木屋さん、電気屋さん、設備屋さん、内装をするわが社とほぼ男性100％。一日中乱暴な言葉が飛び交います。最後まで何を言っているのか聞き取れなかったアイルランド人、チュニジア人、ジャマイカ人、ヒッピー風のイギリス人。そして沢山のビールっ腹のおじさんたち。いかつくて口は悪いが人懐っこい人たちでした。この現場を管理していたのがリンダというイギリス人女性。ヨークシャー訛りでブロンドの大柄な女性。ラグビー選手のような体格でBMWをさっそうと乗りこなすインテリアデザイナー。30台半ばのシングルマザーだがバリバリ仕事をしてガッツリ稼いでいる。お酒はめちゃくちゃ強い。そして現場のおじさん達の下ネタジョークにもピクリとも動揺しない。実は彼女の会社はうちの会社の隣で私は常々この人が怖いと思っていました。ある日現場に着くと先に来ていた同僚が話しかけてきました。「あの電気屋さんクビになったんだってよ。」そういえば現場で何回か雑談をしたことのある電気屋さんが今日はいません。どうしたのと聞くと、現場に出入りしている業者は全員建物の外の簡易トイレを使わなくてはいけないのに、このおじさんはこっそり中のトイレを使ったのがばれてクビになったとの事。でも何でばれたの？と聞くと、「リンダが俺達を監視するためにトイレにピンホールカメラをセットして見てたんだって。さっきみんなの前で小指を立ててアイツの男性自身はこんなに小さかったわよ！って大笑いしてたよ。」リンダが怖いという気持ちが確信に変わった瞬間でした。

  January 15, 2008

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• イギリスでの食生活＆パブ

  イギリスの大学でアンティーク家具修復を学んだあと、ロンドン郊外の特注家具＆彫刻を製作する会社に就職しました。全寮制の大学から一人暮らしとなり、毎日サンドウィッチの弁当を作って仕事に通う日々が始まりました。大学でも会社でも一人仲の良い友人が出来ると毎日の生活はぐっと楽になります。私もイギリスでの就職という緊張とプレッシャーのかかる日々を救ってくれたのが同僚のマイクでした。アイルランド系のがっちりとした青年で、イギリスのワーキングクラスの男性の典型というべき坊主頭で、人懐っこい笑顔を持ったナイスガイでした。このマイク、典型的なイギリスの若者で大のビール好き。パブでビールを飲むことに生活の情熱を注ぎ込んでいました。しばしば給料を前借してまでパブに通っていました。私も元々ビールが大好きで、パブでするビリヤードも大好き、そして早く会社に溶け込みたいということであっという間に会社が終わってからのマイクとのパブ通いが始まりました。マイクも会社に年の近い飲み友達が出来て大喜びです。ほぼ毎日夕方４時くらいになるとパブが恋しくなるのか、仕事に没頭している私のわき腹をマイクがつついてきたり、遠くから意味ありげに微笑みかけてきて小声で「会社帰りに2～3杯どう？ついでにビリヤードでお前のことを思いっきり負かしてやるよ。」と生意気な事を言います。こうなったら受けて立つしかありません。常に5～6軒あるビリヤード台のある行き着けのパブの中からその日の気分で飲む場所を決めて、あとは6時の終業を待つのみ。夕食も食べずに空腹のままパブで、２パイントから４パイントのビールを飲みながら（パブではお互いに相手のお酒をおごりあうのが習慣なので、２人で公平に飲むと最低２パイント、もう一杯ずつ飲めば４パイント）ビリヤードをします。パブを出る頃にはすきっ腹にビールで相当酔っています。こんな状態で一人暮らしのフラットに帰ってきてもとても夕食を作る気にはなれません。マイクはトーストなどを軽く口にするだけで夕食を済ませていましたが、日本人の私にはそうゆうわけにはいきません。何かの料理を簡単に、安く食べる必要があります。ここで活躍するのがレンジやオーブンでチンするだけの冷凍食品やピザ。テスコやセインズバリーズなどのスーパーでインドカレーやラザニアなどの加工食品をチンして食べることがほとんどでした。容器のまま食べるので食器を使う必要もなく、種類豊富な冷凍物を買い溜めしてひたすら食べ続ける毎日。味は可もなく不可もなくなのですが、毎日真剣に味わっているとかなりつらくなります。体重が見る見るうちに増えていきましたが、今となっては楽しい思い出です。一般的に若くてお金がなくて独身で、パブとビール好き（ほとんどのイギリス人がそうだと思うのですが）なイギリス人の生活の中では、私が体験したようなライフスタイルのおかげで、食事に対する欲求や執着がなくなると感じました。食事が大切な日本からきた私がこの生活に期間限定で順応できたのも、お酒が好きという最大の条件が一致していたからだと思います。私の周りでもお酒の苦手な日本人の方たちは結構苦労してました。

  January 14, 2008

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  彫刻教室

  今日は彫刻教室の土曜クラス今年初のレッスンがありました。この生徒さんは今彫刻の入った額縁を彫っています。フレームの内側に「ビーズ」という玉飾りを彫っています。これは講師である私が彫り上げ、サンプルとして半分だけ塗装した額縁。生徒さんたちはこれを目指しています。ちょっとピンボケです。午後のレッスンに参加したこちらの生徒さんは「リネンフォールドパネル」というヨーロッパで中世から使われているモチーフを完成させました。リネンの布が柔らかく折りたたまれている様子が美しく表現されています。完璧な出来です。同じ生徒さんは今アカンサスリーフ（唐草）のレリーフの彫刻に挑戦しています。今迄で一番難しいプロジェクトです。この教室に来ている生徒さんたちは20代から60代までの男女と幅広い年齢の方たちがヨーロッパの彫刻を学んでいます。ご主人と一緒にヨーロッパに住んでいたことがあって、彫刻などの装飾に興味を持った人、イギリスの大学で家具修復を勉強した人、長い間木工を趣味にしている人、ドールハウスの好きな人、木工に興味のあった人、アンティーク家具の好きな人、ただ単に面白そうだと思った人、偶然この教室を見つけた人などなど。雑談も多いですが皆さん非常に真剣です。私もイギリスで覚えてきたノウハウを全て教えています。今日も一日教える事に没頭しました。

  January 12, 2008

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  金箔テーブルの完成。去年作った家具。

  今日はいよいよ金箔天板のコーヒーテーブルが完成した時の画像がみられます。黒く艶々に塗装が済んだ天板の枠に金箔を貼った天板をはめ込みました。三台分のフレームが積み上げてあります。金箔の天板と合体させて出来上がりです。私はテーブルの納品に行かなかったのですが、現場であるマンションのラウンジに設置されるとこうなったという写真を取引先からいただきました。天板上には金箔を守るために厚いガラスがはめ込まれてます。綺麗に出来ました。見に行かなくては。地道な仕事はこうやって報われていきます。

  January 10, 2008

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  去年作った家具。金箔テーブル。

  原宿の東郷神社近くのマンションのラウンジスペース用に3台注文を受けた金箔仕上げのコーヒーテーブル。ラウンジに金箔のコーヒーテーブルのあるマンション・・・。いったいどんな所なのか？。という疑問はさておき、私の仕事はテーブルを完璧に仕上げるのみ。ひたすら金箔を貼ります。後数枚。肩の筋肉がコチコチになります。一日中金箔を貼っていると肉体労働には無い独特の疲労感を覚えます。これを貼ったら後一枚。気分も上がってきてウキウキです。そして完成。緊張から開放されて気分爽快です。次回はこの天板がどんなコーヒーテーブルになったのか見られます。

  January 9, 2008

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  去年の家具＆彫刻教室

  コーヒーテーブルの天板を金箔仕上げにする作業がいよいよスタート。金箔をどんどん貼っていきます。ワックスコーティングされた紙を金箔に密着させて天板上に移動して貼っていきます。この作業を落ち着いて息を殺しながらひたすら続けます。ちなみに今日は私のやっている彫刻教室のレッスン日。午前、午後の2クラスで8人の生徒さんたちが今年初のレッスンを受けました。生徒さんたちが製作している彫刻入りの額縁の装飾となるお花の彫刻をしています。完成間近のお花。ちなみにこのようなモチーフを英語でパトレといいます。今日は一日中生徒さんたちと沢山話ました。

  January 8, 2008

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  去年作った家具

  広尾のアンティーク家具店　「ペニーワイズ」でのアルバイトに始まり、現在横浜市青葉区で家具作家を営む黒瀧道信の日常＆思い付きを綴っています。正月休み明けはまだ去年の仕事の余韻と記憶が残っています。残っているうちに印象に残った仕事を紹介します。面白いので製作の工程もひとコマずつ見せます。写真の板には金箔用の接着剤が塗ってあります。これが乾ききる直前に10cm角の金箔を貼っていくのです。埃もたてられないし、うっかりと荒い鼻息もたてられない非常にストイックな作業が始まる前の、静かな時間・・・。

  January 7, 2008

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