カテゴリ:世にも不思議な物語
かな満月の夜だけ虹色に輝く美しいイルカが 出現するという不思議な伝説があった。 そのイルカを見ることができた人間は、だれ でも、どんな願いも叶うというものであった。 ただし、願いが叶ったあとは、そのイルカの ササヤカナ願いを、逆に叶えなければならな いのだが・・・・・ その夜は来た・・・。 今夜は、17歳の美 しい少女だった。少女は、さっそく願いごと を、美しい虹色のイルカへ申し出た。 『目が見えなくなった母さんの目を見えるよ うにして下さい!』 分かった。そんなことは簡単だが、おまえは なぜ、金銀財宝を望まないのだ? 人間はこれまで全員、世界一の金持ちにして とかばかりだったが、おまえはそれだけか? 他に何も望まないと答えた少女に対して、 イルカは、こう答えた。『それでも、わたし は、おまえにもわたしのササヤカナ願いを 叶えてもらわねばならない。さもなければ、 おまえの命をもらうことになる。』 『それは・・満月の夜だけ、体を交換して ほしい』というのだった。 少女は、満月の夜だけなら、と、応じた。 家に帰ってみると、さっそく願いは叶い、 母親は目が見えるようになっていた。 次の静かな満月の夜、お礼のため海へ来た。 待っていた虹色に輝くイルカは、こう言った 『本当に来るとは・・・こわくないのか?』 神様を恐れはしません。そう言うと少女は 目を閉じた。しばらく見つめていたイルカは 『欲のない、汚れなき少女よ、こなかったら おまえの命を絶ち、魂を奪うつもりだった。 いつの日かまた逢おう・・・☆』 そういい残して、月の光に輝く、美しい海の 中へと去っていった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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