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テーマ:俳句(530)
カテゴリ:本・DVD
小林凜『ランドセル俳人の五・七・五』ブックマン社 「俳句への挑戦」 この日本には、いじめられている人がたくさんいる。 僕もその中の一人だ。いじめは1年生から始まった。 からかわれ、殴られ、蹴られ、時には「消えろ、クズ!」 とののしられた。それが小5まで続いた。僕は生まれる時、 小さく生まれた。「普通の赤ちゃんの半分もなかったんだよ、 1キロもなかったんだよ」とお母さんは思い出すように言う。 だからいじめっ子の絶好の標的になった。 危険ないじめを受けるたびに、不登校になってしまった。そんな時、 毎日のように野山に出て、俳句を作った。 (以下略) 小林凜 TVの特集で、彼のことを知ったのは、 もう半年くらい前だろうか。(実は調べましたら、1年前でした) 今日、本屋さんで、この句集を見つけて、思わず手にとった。 いじめられ 行きたし行けぬ 春の雨 生まれしを 幸かと聞かれ 春の宵 いじめ受け 土手のたんぽぽ 一人つむ 強風に あおられまいと しじみ蝶 いじめの壮絶さの一部が、お母さんの手記からもうかがえる。 おばあちゃんが、参観に行ってる目の前でも、いじめられていたそうだ。 こどもって、なんて残酷なんだろう。 そして、良識の無い教師たち。 家族が訴えても、証拠の写真を見せても、 何もない、もしくは、けんか両成敗という学校。 不登校になったことは、命を守るためだったと思う。 読んでいて、何度も、転校は無理なの???って、 悔しくて、悲しくて、怒りで、文字がかすんできた。 いじめのひどさに、何度も、ティッシュが必要になった。 それでも、けなげに生きる小林くん。 動物や自然の景色に思いを寄せて、句を読む姿は、 胸が熱くなる。 おじぃちゃんと、おばあちゃんと、 ワンちゃんとお母さんと自然に囲まれて、 そして、縁あって、彼を認め、導いてくれたわずかな人たちによって、 俳人となった彼。 TVでは、小林君の俳句を授業でとりあげた他県の小学校の児童たちとの交流が ドキュメントされていた。 TVの中で、彼は多くの子供たちに囲まれ、笑っていた。 ようやく、こんなにのびのびできるんだね。 ・・・涙が止まらない。 影長し 竹馬のぼく ピエロかな つくばいや 椿の花が ひとつ落ち 冬蜘蛛が 糸にからまる 受難かな 節分の 鬼あわれみて 豆うたず しじみ蝶 我の心の中で舞え お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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