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カテゴリ:本・DVD
年を取れば、誰だって退化する。 鈍くなる。 緩くなる。 くどくなる。 愚痴になる。 淋しがる。 同情を引きたがる。 ケチになる。 どうせ「すぐ死ぬんだから」となる。 そのくせ、「好奇心が強くて生涯現役だ」と言いたがる。 身なりにかまわなくなる。 なのに「若い」と言われたがる。 孫自慢に、病気自慢に、元気自慢。 これが世のじいサン、ばあサンの現実だ。 この本の冒頭から、そうそう、そうなの~~と激しく同意 クリニックで、高齢者と毎日お付き合いしている私にとって、 高齢者の特徴を、こんなに具体的にまとめてくださり、 スッキリしすぎて、感動的な滑り出しなのである。 78歳のハナさんは、60代の時、70代に見られたショックで、 急遽、身なりに気を使い、おしゃれに磨きをかけるようになる。 夫さえも、老け込んでほしくなくて、衣類のコーディネートも 指示していた。 同級会に行く途中で、素敵な高齢者として インタビューを受けるほどなのだ。 そんなハナさんの心の声、胸がすく名言の数々をご紹介したい 手をかけない女が好きな「ナチュラル」 私はループタイを絶対に許さない。あれは締めつけない分、ジイサンくさく見える。 つまらない女が好きな「人は中身」。さほど中身のない女が、これを免罪符にしている。 大半がリュックを背負っている。毎日使っているのだろう。くたびれて色あせたもの。 「年なんだから楽が一番」の例。 そんな折、夫が急死。 遺品の片付けをした中から、不明な名前や写真を見つけそこから 意外な展開に。 ハナさんの息子さんと絵を描くお嫁さん。 有名人になっていく娘さんなどは、リアリティが感じられなかったが、 隠し子の発覚後、愛人のことを、何度も「お妾さん」と言い切る様子には、 苦笑してしまった。 そして、周囲の人々を許していく様子には驚かされた。 菩薩のようになっていくのだ。 ぐいぐい引き込まれ、一気に読んだ一冊。 ~~~~~ この信念を曲げないハナさんに、 私は実母オカンを重ねた。 オカンは痛いほどのおしゃれはしないが、 田舎のバアさんなのに、私以上に洋服を持っていて驚く。 けして安物は買わない。 帽子だけでも10個以上持っている。 そして、化粧こそしないが、腰の曲がった姿で歩くことを恥じ、 シルバーカーで、少しでも背伸びして歩いている。 白髪が多くなり薄毛になったのに、パーマもいまだにかけている。 町行く高齢者の方々が、素敵なポシェットをしていると、欲しがり、 使い勝手の良さそうなシルバーカーを見ると、 「どちらで買われましたい?」と聞いてみる。 見栄っ張りで、それでいて、息子や娘にいまだに命令し 世話を焼き、子育てに苦言を呈するうるさい婆ちゃんは、 この本を読んで、なんと言うだろうか。 今から、楽しみだ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.05.01 21:59:56
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