コンビニの利用者が中高年~ターゲットを変えたの?~
コンビニの利用層が中高年になっているという。これまではどちらかというと若年層が主体だと思っていたのだが、ここ最近の動きは中高年になっている様である。確かにCMを見てもセブンイレブンは女優の吉行和子さんを起用しているし、CM以外でも中高年をターゲットにした企画を続々と打ち出している。ローソンでの人間ドックの店頭申込やファミリーマートは中高年向けの食材をメインとしたカタログ販売を開始しているのは既にご存じの通り。今後も中高年をターゲットにした企画を次々と打ち出していくのだろう。今までターゲットだった若年層だけでは正直な所、昨今の不景気を考えてもコンビニで買い物をする額が決まってくるし、第一若年層は店内にいても立ち読みか万引しかしないという傾向もあるから(勿論これは全てを対象にしていない。ただイメージが強いし現実に万引が多発している)、その中でも或る程度経済的にゆとりがある中高年にもコンビニを利用して貰おうという意識の現れだと思う。コンビニは誰もが気軽に利用できる……というのが本来のコンセプトなのだから当然といえば当然なのだが。 コンビニでアルバイトする事は、将来的にどんな職業に就こうといえど何らかの形で役立つ事が多い。サラリーマンであれ自営業であれ何であれ、仕事の基本は「客との会話ができるか」である。コンビニでは商品の出し入れから掃除、発注、接客などがあって、実社会で少なからず役立つ事ばかりなのである。全体的にお客さんがいる中でどれだけ相手に不快感を与えないで過ごせるか、良い店づくりに貢献できるかがカギになる。例えば商品陳列の作業一つとっても如何に素早く、且つお客さんの邪魔にならない様に瞬時にできるかが重要になってくるし、掃除一つにしてもお客さんの邪魔にならない様に、且つ相手に対して正しく・気持ち良く接する事ができるか、制服を着た姿もまた相手に正しいアピールをしているか、が重要になってくる。それらの事がきちんとできた上でのレジでの接客になる。スーパーにいるパートのおばちゃんなどはレジオンリーというパターンが多いが、レジにおけるおばちゃんたちの迷惑行為も少なからずあるというから、やはり店内の仕事を全てマスターしなければいけないと思う。特にこの手の業界で(パートであれ正社員であれ)仕事をするのであれば、やはり基礎はしっかり学んでおいた方が絶対に良いと思う。何事も基礎があってこそ大成するのである。 残念ながら実際の商売人の中もいるのだが、こうした基本的な事柄がマスターできていない人が商売を始めるケースが多い。所謂『脱サラ』でのケースは殆どが商売の経験もアルバイトの経験もない人が始めるのだから余計に多い。ストレートに進学を終え、ストレートに卒業後就職して定年まで過ごせば、とてもアルバイトをする時間はない。仮にアルバイトをする事があったとしてもごく僅かで、殆ど内部を知らずに終わってしまっている。勿論全部を知る必要性はないのだが、最低でも半年くらいの経験はほしいところだと思う。大学で経済学を勉強していても、卓上の論理と実際は違う。況して相手は頭脳と心を持つ人間。一辺倒な知識で対応できる筈がない。特に近年は様々な考え方の人間がいるのだから余計に対処できない。コンビニでのアルバイト歴が年単位である私でさえ最近の客層に対処できるか自信がない。 大企業及び公務員の世界にストレートに入った場合は、とてもお客さんの扱いは真面にできないだろう。特にお役所仕事の場合は『基本的に』相手を見下す体質だから、その逆のパターンになるとなれば多少なりとも抵抗がある筈である。だが商売人が相手を見下してしまえば終わりである。世間の口に戸は立たないの言葉通り、あっと言う間に滅びていく。海外の商売人は無愛想(見下した感がある)が多いというが、それは文化の違いだと思うから致し方ないにせよ、お役所仕事などの『国民の為に働いている』立場で無愛想が多い国は日本くらいだろう。 最近になって社会人になる前の数週間及び数カ月を『実社会経験期間』にしてはどうかという考えが出てきた。昨今の企業や公的部分での不祥事の背後には、先述したタイプが属している筈である。少しでも相手の気持ちが判れば、とても大それた事はしないだろうし、仮に手を染めてしまっても最小限の所で呵責に苛まれる筈である。だからそれらができないというのは、自分が担当している仕事の根本的な要素や仕組、重要性が判っていないからである。然し乍ら、こうした行いは日本人の基本的性質の中に組み込まれている様な気もしないでもないのだが……。★広告です★ 貯金クラブ