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カテゴリ:Movie
マリオに「運命の恋人」との思い出を話し続けるナタリア。
ある日、彼がナタリアの祖母のところへやってきて、ナタリアともどもオペラに行かないかと礼儀正しく誘う。祖母は大喜び。みなでオペラに出かけ、その夜ナタリアは彼が自分の運命の相手だと悟る(たった一回のデートで? 完全に非モテ系女性の思い込みでわ…… )。 マリオに対しては「あなたっていい方ね」「私たちはいいお友達になれそう」「お友達ですもの」「兄のように慕ってます」とさんざん引っ張るナタリアだが、運命の彼との展開は速い速い…… ナタリアと下宿人のラブシーン。秀逸な構図が目を惹くカット。渡り廊下のような場所で、観客はちょっと上から左端でキスを交わす2人を盗み見ているような気分になる。 ここで下宿人に「自分には解決しなければいけない問題があり、1年帰ってこれない」と言われたナタリアはショックのあまりほとんど失神状態に。だが、1年たってナタリアの気持ちが変わらなければ、「そのときこそ一緒になろう」と告げて彼は去る。 自分の告白に、1人で感極まって涙ながらにマリオにもたれかかるナタリア(やっぱり、けっこう勝手……)。 自分ではない男へのあつ~い想いをさんざん聞かされて、ヘキエキするマリオ。街中でナタリアに泣かれ、周囲の目を気にしてるシーン。 マリオは怒って、「そんな話は信じられないよ」とナタリアを突き放そうとする。だが、そこへ急に雨が降り出す。雨宿りの場所を探して走り出す2人。向こうから老婆(エキストラ)も走ってくる。あくまでも自分は彼を信じているというナタリアに、マリオは思わず…… 女にだってわかると思うよ、ふつう…… だが、ナタリアは「彼はもう街に戻ってるはず」だと言う。ナタリアの家の使用人が彼を見たというのだ。 一途なナタリアの様子にマリオは「手紙をかけば?」などとアドバイスをしてしまう。そして、ナタリアの手紙をマリオが彼に手紙をわたすことになる(変な展開…… 苦笑)。 手紙をマリオにあずけ、例の純情可憐な表情で、「必ずわたしてね」と頼むナタリア(無神経にもほどがある)。 これはそのシーン。今度は街に幻想的な霧が出ている。霧に煙って周囲はどんどん見えなくなる。ナタリアはなにげにマチコ巻き?(『君の名は』の話ね。さすがに古すぎてヒロインの漢字は、知らない)。 必ずわたすといいカッコしたものの、マリオはむなしさでいっぱい。 このちょっと太鼓になってるステキな橋をわたってナタリアが去ったあと、橋の上の欄干にもたれ、しばらく考えたあと、手紙を細かく破ってポイと捨ててしまう。このときのマストロヤンニの表情、手紙の捨て方には、彼の俳優としての非凡さがよく表れていると思う。独白は何もないのだが、無下には断れない、さりとてそんな道化師みたいな役回りを引き受けたくもない――「ちぇっ、うまくやりやがって。やってらんねーよ」と思っているマリオの「普通の男性の考え」がよく表れているのだ。 そこへ、街娼が通りかかり、マリオに無言の誘いをかける。このねーちゃん、実は最初からマリオになんとなくつきまとっている。 あれ? 自分を見つめるねーちゃんに気づくマリオ。 据え膳だ。 思わず食べちゃおうかな? と近づくマリオ。とことん本能に素直(笑)。でも…… やめたらしい。 <続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.03.15 12:15:16
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