|
カテゴリ:Travel(タイ)
『地球の歩き方』は、「行き方」が詳しく書いてあるという点で、すぐれたガイドブックだが、ときに、実際とかけ離れた美辞麗句を並べ、「地球のだまし方」と揶揄されることも多い。
その最も端的な例として、Mizumizuがイチオシとしたいのが、メーサー・エレファント・パークの近くにあるメーレム・オーキッド・ナーザリー(通常「オーキッド・ファーム」)。 『地球の歩き方』の記述を読んでみましょう。 マニアが眼をむくような品種の豊富さと美しさ。奥には蝶の育成所もあり、ネットで囲われた庭の中に数種類の熱帯の蝶が飛び交っている。おみやげコーナーでは蘭を使った細工物やアクセサリーが充実している。 どうですか? スンバらしい場所に思えませんか? 行きたくなりますよね? で、Mizumizuが実際に行って、撮って来た写真をご覧いただきましょう。 白い蘭 赤い蘭 紫の蘭 らんらんらん まあ、かわいい。 アップっぷ 藤のような蘭 これも蘭? 世界最大の蘭 世界最小の蘭・・・ だそうだけど、どこが蘭? どうですか? ますます行きたくなりましたか? しか~し! このオーキッド・ファーム、実体は… 敷地の99%がコレなのだ。 つまり、ほとんど蘭なんて咲いてない。上で紹介した蘭がすべてと言っていい。一生懸命探して、咲いてる蘭が1株、2株・・・ という実にフザケタ場所だった。 右見ても左見ても、こんなん↑ばっかり。 北を見ても、南を見ても、東を見ても、西を見ても、こんな感じ。 ふつーのホテルに置いてある蘭のほうが、よっぽど数も多くてきれいです! こんな場所、金取って見せるかね? しかし。 「ネットで囲われた庭の中に数種類の熱帯の蝶が飛び交っている」ところがコレ↓ し~ん。 よくよく目を凝らせば、黒っぽい小さな蝶が1~2匹いたかもしれない。 荻窪の我が家の庭先に来るアゲハのほうが、よっぽど麗しいです! 「蘭を使った細工物やアクセサリーが充実している」というお土産コーナーは、たぶんここ数年は1つも何も売れてないだろうというような、古臭い、埃をかぶったような、「いかにも」な観光土産がちぐはぐに置いてある、さびれきった売店。 世界にどうしようもない観光地の売店はあまたあれど、ここを超える場所は、そうはないと思います。 これで1人60バーツ(180円)もの入園料を取るとは! 完全に詐欺でしょう、ダマシでしょう。 入り口のお姉さんによれば、5月ならば蘭がたくさん咲いて、とてもきれいなのだとか。 ほんとォ~かな~ ♪行っ~て損した、オーキッド・ファーム(←「花いちもんめ」のメロディで)。 チェンマイ最大のハズレ・スポットの烙印を押しときましょう。 がっかりして園外に出て、待たせていたソンテウに乗ると、ちゃっかり中の壁に、きれいな蘭の写真のついたメーレム・オーキッド・ナーザリーの宣伝ステッカーが貼られていた。 あまり人気のないスポットは、どうやらガソリン・クーポンを出してソンテウやタクシーの運転手に観光客を連れてきてもらうらしい。 そういえば、英語を話すタクシー・ドライバーの運ちゃんが、やたらと「タイガー・キングダム」と「スネーク・ファーム」を奨めていた。 猛獣の子供を抱いたり、蛇を首に巻きつけたりしている白人美女の写真入り宣伝ステッカーも、あちこちのソンテウに貼ってある。 「タイガー・キングダム」と「スネーク・ファーム」は、よっぽどつまらないと見た。 エレファント・キャンプとオーキッド・ファームを見終わった時点で、ちょうどお昼を少し過ぎたぐらいだった。 ソンテウの運転手に「きのうのカオソイの店に連れて行って」と頼み、ファーハム通りの「ラムドゥアン」に。エレファント・キャンプおよびオーキッド・ファームからだと、ちょうどホテルに帰る途中になる。 ラムドゥアンで一応、運転手に「一緒に食べる?」と聞いてみたが、固辞された。 「とんでもありません!」というようなキッチリした態度で断ってくる。本当に、昔の日本人のようなおじさんだ。 家族連れだし、お弁当を持ってきていたのかもしれない。 ラムドゥアンで美味しいカオソイを食べてソンテウに戻ると、運転手のおじさんが、「次は?」と聞いてきた。リクエストすれば、追加でどこへでも行ってくれそうな雰囲気。 でも、いったんホテルへ帰ることにした。 ホテルで約束の500バーツと、予定外のラムドゥアンで待たせた分40バーツチップとしてわたした。 礼儀正しく受け取る運転手のおじさん。 「明日は?」と、聞いてきた。また貸切で使ってもらいたい雰囲気。こちらも、予定があればお願いしたいところだったが、翌日の予定は決めていなかったので断った。 ちょっと残念。 運転の丁寧だし、感じもいい。英語ができない分、変な売り込みもしてこない(できない?)。 あとから考えれば電話番号を聞いて、ホテルのフロントの人に通訳してもらうという手もあった。 気持ちのいい仕事をしてくれる人というのは、いそうでいない。お互いの相性もある。まさに一期一会。 でも、お陰様で気持ちのいいチェンマイ郊外への小旅行が楽しめた。つくづく旅は、「出会う人」だと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.08.25 00:27:05
[Travel(タイ)] カテゴリの最新記事
|