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テーマ:旅の写真(3473)
カテゴリ:Travel (イタリア&シチリア)
イタリア半島のカカトの上のほうに、鳥の蹴爪のように突き出た半島があるのにお気づきだろうか?
アドリア海に面したここは、ガルガーノ半島と言う。 ご覧のように、地質・地形が半島を境にくっきりと違うのがわかると思う。実は、この半島は昔は島だった。間の海を、島の険しい山から崩れてきた堆積物が埋めて、地続きに。 MizumizuがMizumizu母と、ここを訪れたのは、夏のバカンスが始まる前の6月初旬。 ローマから電車で、まずフォッジア(Foggia)へ。 7:15→11:16 そこからプルマン(長距離バス)で、ガルガーノ半島の南側にあるBaia delle Zagare(ザーガレ湾)を目指した。 ザーガレ湾は人里離れた小さな入り江で、断崖絶壁の上にホテルがぽつんと建っている。周囲から孤立したリゾートホテルで、バス停こそ、Hotel Baia delle Zagareとなっているが、ホテルはバス停から500メートルほど離れているという。 荷物を引きずりながら500メートル歩くのは辛い。事前にメールでバス停まで迎えに来てくれるように頼んだところ、「フォッジアからバスに乗る前に、到着時間を教えてくれ」と言われた。 そこでフォッジアのバスの切符売り場で、Baia delle Zagareの到着時間を聞いたところ、時刻表も確認せずに、「30分ぐらいだよ」と教えられた。バスの出発時間は12時50分。30分ということは、途中多少渋滞にあっても、1時半には着くということだ。 もっと時間がかかると思ってたので意外だったのだが、疑いもせず電話でホテルに、「1時半ぐらいにバス停に迎えに来て」と伝えた。 ところが・・・!(←イタリアではお決まりの言葉) 距離から考えても、そんなに早く着くワケがなかったのだ。途中でアドリア海に面したマッティナータという、そこそこの街を通ったときには、すでに1時半をとっくに周っていた。 実際の時刻表は・・・ フォッジア12:50→14:30ザーガレ湾 だったのだ。 そして、もう1つ、バスに乗ってしまってから気づいたことがある。 しまった! 帰りの切符を買ってない! 今は改善されたかもしれないが、イタリアのプルマンは、バスの中で切符を売らない。しかも全部のバス停に切符売り場があるとは限らない。 ザーガレ湾のような、街のない辺鄙な場所になると、切符売り場そのものがないかもしれない。そして切符を持っていないまま乗るとどうなるか? タダで乗れるかもしれない。だが、検札官が途中で乗ってきたら、罰金を取られるのだ。 罰金は場所によって違ったと思うが、確か3倍が相場(苦笑)だったと思う。 その場合、切符売り場がバス停の近くになかったことは、罰金逃れの言い訳にはならない。 この極めて不合理なシステムに腹を立てているようでは、イタリアでは生きていけません。 14時半にHotel Baia delle Zagareの停留所で降りるとき、バスの運ちゃんに、 「切符はここで買える?」 と聞いてみた。バス停以外は何もない辺鄙な田舎道だ。案の定、 「ノー」 というそっけない返事が返ってきた。 「じゃ、どこで買えるの?」 重ねて尋ねると、 「マッティナータ」 マッティナータですと!? あのさ~。フォッジアから乗って、マッティナータを通り、ここに来たのよ。でね、帰りはマッティナータを通って、フォッジアまで戻るワケ。 なのに、なんで切符を売ってるのがマッティナータなのさ! しかし、イタリアに慣れると、この程度の不条理には驚かなくなる。 「ありがとう」 と教えてくれた運ちゃんにお礼を言って降りた。 すると、目の前に露店の店が1軒だけあった。日本で言えば、伊豆半島の道をさらに狭くしたようなドライブ道なので、クルマで来る観光客を相手にちょっとしたモノを売る店という感じ。 Mizumizuたちがバスから降りると、 「ホテルに行く人?」 と聞いてきた。そうだと答えると、クルマでホテルまで送るという。 どうやら1時間前の時間を教えられて、待ちぼうけをくらったホテルの人間が、「XXの2人が来たら、ホテルに送ってくれ」と頼んだらしい。 バス停からホテルまでは、本当に500メートルほど崖をくだって着いた。チップをわたし、ついでに、 「あなたたち、どこに住んでるの?」 と聞いてみた。すると、ズバリ、 「マッティナータ」 という答えが返ってきた。ヤッパリ。 半島の入り口にある街のマッティナータの住人が、ここらまで来て商売をしているというわけだ。 さっそく、帰りのバスの切符を買ってきてくれないかと頼んだ。若いお兄さんは、快く、「いいよ」。 「前払い」でお兄さんにバス代を少し多めにわたして、ホッ。これで罰金を取られずにすむ。イタリアの公共交通機関は非常に安いのだが、切符には本当に気を使うのだ。 気苦労はあったが、バスの旅は車窓からの眺めが素晴らしかったのだ。フォッジアからしばらくは緑の平原を走る。やがて海から突然山になったような、独特の地形の半島が見えてくる。マッティナータを過ぎると、道は急な上りになり、狭く、2車線ギリギリ。中央線のない(消えたままホッタラカシというべきか)ところも多い。バスの右手には、松林越しに海が見え、左手には山の緑が迫ってくる。 うねうねした道を走ってくるのは、きれいなドイツ車かぼろぼろのイタ車。慎重に走っていくドイツ車を、命知らずの(?)イタ車がびゅーんと追い抜いていく。ノロノロ安全運転してるドイツ車は、もちろんドイツから来たドイツ人の運転するクルマ。自然豊かなガルガーノ半島は、ドイツ人にも人気のリゾート。 ホテルBaia delle Zagareからは、絶景と呼ぶにふさわしい、エメラルド色のアドリア海が広がっている。 人気があるのも頷ける、日本人に知られていないのが不思議なくらいだ。 海が特に美しいのは、天気のいい日の午後の2時から4時の間。松林の向こうで、まさしく宝石のような輝きを放つ。 ホテルのプライベートビーチは、崖をはさんで左右に2つ。 こちらは南側。 崖をくりぬいたエレベータで下ることができる。 こちらは北側のビーチを俯瞰したところ。 <続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.11.19 21:26:58
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