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カテゴリ:Gourmet (Asian)
タイで功成り名を遂げた異邦人の中でも、ジム・トンプソンほどチャーミングでミステリアスな男はいない。
アメリカの裕福な家庭に生まれ、大学卒業後、いったんは建築家として人生のキャリアをスタートさせながら、戦争が勃発すると志願兵に。自ら進んで諜報員に転じ、ヨーロッパへ。さらにドイツ降伏後は、日本軍への秘密作戦に従事すべくインドシナ半島へ。そこで終戦となったのちは、タイで実業家に転じ、衰退著しかったタイシルクを産業として復興させ、世界にその名を広めた。そして人生の絶頂期に、バカンス先のマレーシアで謎の失踪。いまだに行方が知れない。 バンコクのジム・トンプソン・ハウスは、日本人にはあまり知られていないが、ぜひとも足を運んで欲しいスポットだ。 ここを見ると、ジム・トンプソンという男性が、並外れた美意識の持ち主であったことがわかる。 ティファニーの「フランク・ゲーリー」シリーズの例を挙げるまでもなく、昨今、建築家にオシャレもののデザインを任せるのが流行りだが、ジム・トンプソンにこうした仕事を依頼したら、さぞや洗練された、一味違うものを作ってくれただろう。 ジム・トンプソンの家には、建築家としての彼の空間意識の高さが示されているのはもちろんだが、東南アジアの古美術品に対する彼独自の鋭い審美眼が室内装飾に存分に生かされている。 美的な家を作るには、財力が必要だが、それだけでは成金の家ができるだけだ。トンプソンの家は、成金趣味の調度品はほとんどない。どれも控え目だが、熟考に熟考を重ねて選ばれた美しいものばかり。自ら国境を越えて収集に出かけたという東南アジアの古い仏像は、タイの美術館でもなかなかお目にかかれない一級品だ。それをトンプソンは自身の美学にしたがって、部屋と調和するように配置している。仏像を置くための空間を特別に考えながら、部屋が美術品の展示室になることなく、あくまで美術品が部屋の一部になり、空間を装飾しているところに、限りない贅沢を感じた。 しかも、彼は単なる好事家ではなく、ビジネスの才能もあった。さらに、戦時下には諜報員として暗躍し、謎の失踪を遂げたまま永遠に姿を消したというミステリーも手伝って、その人生は家を訪れる人の好奇心と想像力を掻き立てる。 個人名としては破格のブランド力をもつ、ジム・トンプソン。バンコクではタイシルク製品の店として観光客に人気があるが、日本では、なぜか「ジム・トンプソン・テーブル」というレストラン・ブランドとして、進出を果たした。 バンコクではあまり聞いたことがない。レストランやバーはあるようだが、やはりタイシルクのショップのほうが有名。 店は赤坂と銀座にあるが、Mizumizuが行ったのは、銀座のマロニエゲート。ここは最近、仕事の打ち合わせも兼ねてよくランチに出向いている。 「ジム・トンプソン・テーブル」も「タイセレクト」認定店。店の前にごちゃごちゃ出されたたて看板が、いかにも若者狙いのマロニエゲート。こういう宣伝をするから、マロニエゲートのレストランは、イマイチ垢抜けない。 内装は、ライトグリーンを基調とした、明るい雰囲気。平日のランチは、一品料理に食べ放題ブッフェが付く。 こちらがブッフェから取ってきた前菜。春雨や野菜、シーフードなど各種のサラダに、鶏の照り焼きなど。 ブッフェとしては、味はいいほう。というか、このくらいがブッフェの限界と言うべきか。 長方形の皿がオシャレ。ソムオーとはえらい違い(笑)。 向こうに見えるのは、黒タピオカのココナッツミルク、蓮茶、春雨入りスープ。蓮茶は、たぶん初めて飲んだが、とても美味しいお茶だった。 一品料理は、Mizumizuは定番のグリーンカレー。タイ料理は、グリーンカレーの味で決まる・・・と個人的には思っている(苦笑)。 ジム・トンプソンのグリーンカレーはかなり甘く、西洋人好みにしてある。だが、これはこれで非常に美味しい。日本で食べるグリーンカレーの中では、個人的にはかなりの上位に来る。ライスももちろん長米。もう少し上等なジャスミンライスが欲しかったが、香りが強いお米は、日本では「くさい」とか言って嫌う人が多いので、あえてこのぐらいのものにしているのかもしれない。 Mizumizu連れ合いはガパオライス。鶏肉のバジル炒めご飯で、タイでは屋台の定番らしいのだが、タイでは食べたことがない。 要はアジアの混ぜ混ぜご飯だと思う。韓国のビビンバもこの系統かと。連れ合いは、やや「西洋人に媚びた風」になっているのが、気に入らないらしく、再訪するならソムオーだという。Mizumizuは、だんぜんジム・トンプソン・テーブルのほうがいい。 黒タピオカのココナッツミルクはアップで。タピオカは大粒のほうが、もちもちしていて美味しいと思う。 洋風のシフォンケーキとプティングもあった。 味は・・・ 「・・・・」 まあ、東南アジアの洋物スイーツってのは、期待はできない。ちなみに、まずくはありません。 値段も手ごろだし、味も「上だ」し、悪くない店だ。 しかし、ジム・トンプソンの名前を、こんなカジュアルな若者向けレストランに使うのは、多少もったいない気もした。高級路線ではやっていきにくいのかもしれないが、あの謎めいた魅惑の男、「ジム・トンプソン」の香りは・・・ カケラもない店だった。 ティファニー フランク・ゲリー フィッシュブレスレット 送料無料・プレゼントにメール便送料無料【Jim Thompson】 蝶柄 バタフライシルクブランド 【ジムトンプソン】コットン ハンカチ 20%オフ47.5cm四方 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.11.28 03:30:22
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