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カテゴリ:Gourmet(荻窪)
名店パスティッチェリア アベのあとを引き継ぐようにして開店した、パティスリー ヴォワザン(Voisin 〒167-0043 東京都杉並区上荻2-17-10. Tel 03-6279-9513)。
黄色い背景色に白抜きのエッフェル塔のシルエットが目印。店内にもエッフェル塔グッズがたくさん。オーナーはフランソワ・トリュフォーか?(笑) Mizumizuの家からもっとも近いケーキ屋さんで、ときどきお世話になっている。まだ若い職人さんが奥に2人、売り子の女性が1人。 12月の繁忙期にはアシスタントさんを何人も従えて、せっせとケーキを作っていたアベ時代の賑わいに比べると、まだ少し寂しいが、上質の材料を使った丁寧なスイーツを出す店だと言っていいと思う。 Mizumizuのお気に入りは、フロマージュ。ふわりとした軽い口当たりではなく、濃厚かつクリーミーな味を追求した逸品。 かなり酸味が強いのは、中にはさまれたパッションフルーツの量が多いから。これが効きすぎてクリームチーズの風味が少し犠牲になっているかもしれないが、Mizumizuはクリーム層と分けて口に運んで、風味の違いを楽しんでいる。 底に敷かれた、粗く砕いたクッキーもしっかりした歯ごたえ。繊細というより、むしろ昔ながらの素朴な味のレアチーズケーキの系統。 モンブランは、なんと注文をしてから作る。底のメレンゲのふんわり感がクリームで湿ってしまわないようにとの配慮からだと思う。 メレンゲの量がかなり多く、糸状に巻かれたマロンクリームの中は、上質な生クリームがたっぷり。いくらローソンが頑張っても、やはりホンモノのケーキ屋の選ぶ上質な生クリームにはかなわない(笑)。上に飾ったマロンの砂糖漬けには、手をかけているそうな。 なのだが・・・このモンブラン、肝心のマロン風味が少し弱い気がする。モンブランなのに、生クリームとメレンゲの印象が強いのは・・・生クリームが美味しいから、それでよいと言えばよいのかもしれないが、隠しマロンを生クリームの中に入れたらもっとインパクトの強いモンブランになるのでは・・・と思わないでもない。ただ、そうすると、材料費が上がっちゃって難しいのかな。 アベも生クリームは、非常によいものを使っていた。ヴォアザンの生クリームも同じ味がするのは、仕入先が同じせいだろうか? 生クリームが美味しいから、当然フレジュも美味しい。ただ・・・上にトッピングされた苺、見た目は文句ないのだが、ちょっと味が抜けていた。生地のしっとり感は、完璧。 マカロンもあり。モナコ公国から運ばれてくるラデュレのマカロンもいいが、近所に本格的なマカロンを作ってくれる店があるというのも贅沢なこと。 フィナンシェ・オ・ヴェルジョワーズ。ヴェルジョワーズとは、ビートから作る褐色の砂糖。 日本人が作るフィナンシェらしく、繊細で優しい味だが、噛むと独特の風味が口いっぱいに広がる。何気なく、クセになりそう。 シナモン風味の生クリームを戴いたタルトタタンは秋の味。しかし、日本のタルトタタンって、タルトタタンに見えない。 フランスの地方の小さな町が発祥のこのリンゴのスイーツ、本当はパイにひっくり返ったリンゴがのってる、もっとぐちゃっとした、素朴な見ためだと思うのだが・・・ こういう深いボルドーカラーで、きれいにまとまったタルトタタンを始めたのは、誰なんだろう? 日本人? こちらはカシス味のメレンゲ菓子。カシスの酸っぱさと苦味が個人的にはかなり気に入っている。 どれも上質なのだが、お客の入りが・・・ まだ新しい店で、住宅街の不便な場所にあるせいかもしれないが、それを言ったら、アテスウェイだって便利な場所とはいえないが、物凄く流行っている。 流行る店とそうでもない店――その違いは、ほんのわずかな「何か」なのだろう。ヴォアザンもここで、材料を落としたりせず、頑張って固定客を1人、また1人と増やして息の長い人気店になってほしいもの。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.12.20 13:29:03
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