|
カテゴリ:Gourmet(荻窪)
荻窪で一番、それもダントツの人気を誇るPizzaの店がLa voglia mattaだ。 駅ビル(ルミネ)の中という立地のよさがあるにせよ、ここほど行列のできる店は珍しい。すいているのは、午後の中途半端な時間。夕食どきになると、この行例だ。 奥に見えるのが店の入り口で、そのすぐ前から横に並べた椅子が3列になっている。それでも座りきれずに、立ちっぱなしの行列が店の横に伸びていっている。 どんな絶品のPizzaを食べさせてくれるのか? と思うかもしれないが、実際にはPizzaの基本――いい材料を使い、窯火ですばやくアツアツに仕上げる――に非常に忠実、という印象だ。 荻窪には他にも石窯の直火で焼くPizzaを出す店があるのだが、クリスピーなミラノ風(ローマ風ともいう)Pizzaを出すこの店が、ほんのちょっと頭ひとつ分だけ、個性と味で抜けている。それともうひとつ特筆すべき点――La voglia mattaには、「割安感」があるのだ。 この「ほんのちょっとの違い」を出すのが難しいし、維持していくのはもっと難しい。そして、食べたあとの支払いで感じる微妙なお得感とそれに比例して上がってくる満足度。その「ちょっとの差」が客足の違いとしてハッキリ出てくる。 パスタ類は日本的な味付けで、あまり突出しているとも思わなかったのだが、この「イタリア風野菜スープ」には、ちょっとばかり唸った。見かけはあまりよくないが、イタリアのミネストローネはこんなもの。もっとゲ○っぽいのも多い(苦笑)。 メニューにはZuppa di Minestraとあったが、要はMinestrone(ミネストローネ)だと思う。ミネストローネは野菜やベーコン、ときには豆など入れて、その旨みがスープに滲み出てくるのが美味しいのだが、やはりスープの基本になるのは、イタリア語でブロードと呼ばれるダシなのだ。 La voglia mattaの野菜スープは、このブロードがタダモノではないと見た。Mizumizuがミネストローネを作るときは、そこらの固形のチキンブイヨンを使うのだが、そうした既製品では出せない、まろやかなダシの味がする。 ブロードがダメだと、トマトソースの風味を強くしてごまかす。イタリアでもミネストローネはたいていこのパターンになっている。 La voglia mattaはブロードの味がいい。ダシが飛び切りの味噌汁のようなもの。これはありそうでなかなかないのだ。こういう隠れた小さなところの違いが、人気のヒミツかもしれない。 以前のエントリーではスペシャリテのPizzaをご紹介したが、シンプルなPizzaもとても美味しい。あまりいろいろな具がのっているPizzaを、基本的には好まないMizumizu。 この日は、辛いモノ好き、サラミ大好き人間のMizumizu連れ合いの趣味に合わせて、辛いサラミののったシンプルなPizza。 クリスピーな生地には、しっかり小麦粉の美味しさが詰まっている。外側はカリカリで歯ごたえがよく、真ん中は溶けたチーズと一緒になって少しねっとり。サラミは本当に辛く、チーズとの相性バッチリ。 もちろんワインではなく、ビールと合わせる。 荻窪でダントツの人気を誇る理由も、通ってみて頷ける、リーズナブルでシンプルで、気取りのない美味しい店。 次は「4つのチーズ」にしてみようかな。あ、そういえば、基本中の基本であるマルゲリータも、ここではまだ食べたことがなかった。 遠くから来る方は、夜はこの行例なので予約は必須。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.01.16 01:48:38
[Gourmet(荻窪)] カテゴリの最新記事
|