最近デパートでは地下の食品売り場しか賑わっていないように見える。洋服や宝飾品売り場はいつもガラガラ。大丈夫なのかと心配になる。
かく言うMizumizuもデパートで一番よく買う場所は、地下の食品売り場。日本中のみならず世界中から集まった「美味しいもの達」は、見て歩くだけで楽しい。
惣菜や弁当の類もたまに買うが、その中でもチャンピオンの座を与えたいのがこちら。
やはり和牛の美味しさは格別。甘辛く味付けした薄い牛肉とタレが少ししみ込んだご飯を一緒に食べる幸せは、日本人にしかわからないのかもしれない。
今年起こった口蹄疫問題で、「種牛」がどれほど貴重か、自らを「牛飼い」と呼ぶ畜産業者の皆さん(しかも、その多くは小規模な個人経営だ)が、どれほど手塩にかけて優秀な種牛を育て、美味しい和牛を提供してくれていたのかが一般に深く認知されることになったと思う。単に、「国家的危機だから、早く殺せ」で割り切れる話ではない。農業国フランスでも感じたが、美味しい食材は、長い年月をかけてノウハウを積み重ねて世に出てくるもの。しかもその多くは少量生産、つまり小規模農家が作っているのだ。美味しいものは大量には作れないし、1度その伝統が断ち切られると、将来の被害は想像以上に甚大で、取り返しのつかない結果になりかねない。
常に「他人へ迷惑をかけないこと」を最優先させる日本という国だから、「すべて一律に強制的に殺処分」という結果を一般人も農家の方々も受け入れたが、ふとフランスだったら別の視点を優先させたかもしれないとMizumizuは思った。
これでもかと入っている肉、肉、肉・・・ お世辞にも健康的とは言えない弁当だが、炒めた玉葱ばっかり目立つエセ「牛めし」とは一線を画す、どこまでも贅沢な逸品。冷えていても美味しいのが不思議。1度は食べてみる価値あり。
東京の有名デパートの地下にはたいてい入っている(ように思う)。