イタリアのチーズの王様「パルミジャーノ・レッジャーノ」、そのホンモノに初めて出会ったのは、ボローニャだった。
「パルミジャーノ・レッジャーノをそのまま食べるなら、赤ワインと一緒だよ。白ワインじゃダメ」
イケメンの若い店員のお兄さんにそう念を押された。
あれから何年も時が過ぎ、日本でも簡単にパルミジャーノ・レッジャーノが手に入るようになった。だが、それらの多くは、あらかじめ切り分けたものを真空パックにしているから、風味はガクンと落ちている。
ホンモノのパルミジャーノ・レッジャーノは、やはりあの大きな、円い塊から切り分けなければいけない。パルミジャーノ・レッジャーノをそうやって売ってくれる店は、東京でもまだまだ少ない。
だが、まるの塊から切り分けて売っているパルミジャーノ・レッジャーノを、日本橋三越でたまたま見つけた。試食してみたところ、多少乾いてしまっている感はあるが、イタリアで買ったホンモノに限りなく近い。
ちょうど、九州の知人からいただいた安心院の地ワインで、メルローがあったので合わせてみた。
やはりワインの味がぐっと引き立つ。チーズの味が引き立つというより、ワインの味が引き立つのがパルミジャーノ・レッジャーノの凄さ。
安心院のワインも初めて飲んだが、ベリーの香りにほのかな渋みが交じり、なかなかだった。パルミジャーノ・レッジャーノを口に含んだときの味と、含まないワインそのものの味とのコントラストも十分に楽しめる。
問題はワインがすすみすぎることか(笑)。