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グランプリシリーズに浅田真央選手が参戦したせいか、拙ブログへのアクセス数が急上昇(汗)。やはり凄い、浅田真央人気。 もちろん素晴らしい選手で、フィギュアスケート史に残る名選手であることは間違いないが、他の日本女子も頑張っていると思う。本郷選手の成長も目を見張るものがあり、これからの彼女のスケートも非常に楽しみだ。フリーの技術点から見れば、浅田選手を6.56点も上回っている。さすがに浅田真央を下して全日本女王のタイトルを手にした鈴木明子選手を指導したコーチについているだけのことはある。 浅田選手について言えば、滑り出しからもはや、何もかもがティーンの若手選手とは別次元だった。ショートでは、これまで少し弱いかな? と思っていたポーズの力強さと美しさが印象的だった。初めから終わりまで、「は~、キレイ」「は~、すげぃ」「は~、うまい」と鳥肌立ちっぱなしのMizumizu。 ジャンプで度胆を抜かれたのは、フリーのトリプルアクセル。凄い完成度かつハイクオリティだった。 成功率はともかく、質ではロシア選手に軍配を上げかけたMizumizuだが、あの力強いトリプルアクセルを見せつけられては意見を変えざるを得ない。 間違ってもあのレベルのトリプルアクセルが、アンダーローテーション判定なんてことがないようにお願いしますよ。 ルッツは案の定(?)、公式戦になると「!」ではなく「E」判定になってしまった。ジャパンオープンではルッツのエッジ違反減点は最低限だったので、これなら武器になるとショートに入れたのだと思うが、「E」では、減点が酷く、3回転を跳ぶ意味がなくなってしまう。フリーでは気にしたのが、ルッツをトリプルにできなかった。やはり、ルッツには赤に近い黄色信号がともったかな、という印象。 浅田選手の場合は、構えているときはアウトエッジだが、いざ跳ぶ時にエッジがスライドしていってしまう。左側からの画面だとよく分からない(アウトに乗って踏み切るところまでいっているように見える)のだが、後ろからだとかなりハッキリwrongだという印象だった。 「だった」というのは、今シーズンの浅田選手のルッツのエッジがどの程度アウトに乗って踏み切れているのか、今回のテレビの画面の方向からではよく分からないので、あくまで過去のクセに言及することしかできないから。 ただ今回、確かに踏み切る直前にエッジがインサイドにスライドしているかな、というのは思った。本人は「アウトに乗って踏み切れるようになった」と発言しているので、スライドしていっている自覚はないのかもしれない。肉眼ではよく分からないし、エッジの矯正というのは改めて大変なことだ。 おまけにスペシャリストの判断も一貫性・正確性に疑問符がつくし。 ルッツのエッジ違反は「!」程度だと判断してもらえれば武器になる。「E」では、ほぼトリプル跳ぶ意味がなくなる。浅田選手のルッツに関してはもう少し試合を見たいところだが、「E」判定があるとなると、ショートに入れるのは危険だろう。 一貫して浅田選手に冷たかったメディアも、キム・ヨナ選手が引退したとなったら(かどうかは知らないが)、浅田選手の高難度構成を手のひらを返したように持ち上げていて、逆に気持ちが悪い。抜群の人気を誇る浅田真央に乗っかって盛り上げ、視聴率を取ろうということしか考えていないのだろう。 プロトコルを見れば、やはり3回転+3回転のセカンドにつけるトリプルループはアンダーローテーション判定だ。それに加えて、ルッツはE、フリーの2A+3Tの3トゥループも回転不足では、正直、バンクーバー前と、判定上はたいした変わりはないではないか。ルール改正で減点幅が変わっただけのことだ。 セカンドにつける3回転については、Mizumizuは一貫してループではなくトゥループにすべきだという主張だ。ソチでのあの素晴らしい3回転+3回転の トリプルループさえアンダーローテーション判定なのだから、今後も期待できない。スローで再生すれば恐らくどこか足りていないのだろうし(それがどの程度なのかはともかく)、セカンドを回り切ろうとすると今度は最初のジャンプが省エネで足りなくなる。このパターンを今後、25才を過ぎた女子選手が脱することができるとは思えないのだ。 フリーのダブルアクセル+3トゥループも回転不足判定だが、この 3トゥループはかなりよくなったと思う。以前は、もう明らかに回転不足と思えるものが多かったが、認定されていいレベルまで来ており、これについては明らかに進歩が見られた。 あの年齢で、これまで以上に進化するなど、しかも休養をはさんでここまで持って来るなど、本当に人間離れしている。天才としか言いようがない。 エッジ違反や回転不足判定は置いておいて、浅田選手自身が試合という舞台を楽しんでいる様子が何より嬉しかった。 この気持ちを失わずに続けて欲しい。中国にも多くの浅田真央ファンがいるということが、今回よく分かった。 技術的に見ても、スケーティングはさらに伸びやかになり、余裕のある表現といい、円熟とはこういうものだというお手本だろう。 見せて、魅せる――やはりフィギュアスケートはこうでなくては。若い選手がポンポン跳ぶだけの競技にしてはいけない。 プロトコルはこちらから。 http://www.isuresults.com/results/season1516/gpchn2015/gpchn2015_Ladies_FS_Scores.pdf
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最終更新日
2015.11.09 22:51:13
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