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カテゴリ:Travel(日本、関東)
7月中旬を過ぎて、上野の不忍池に蓮を見に行った。
神田で中央線から山手線に乗り換えて、上野に向かうのだが、 …く、くさい 電車の中がなぜかひどく臭い。体臭っぽくもあり、ゲロっぽくもあり。まだ早朝、6時台なので電車はすいている。それで、この悪臭は一体…?? 普段、電車にはめったに乗らないが、一番頻繁に乗るのは中央線、それから丸の内線。どちらでも、こんな臭いがしたことはないのだが。 上野で降りて、中央改札から不忍池方面へ。そして横断歩道をわたるころ… うっ、またくさい! 早朝なので、駅付近の商業施設はまだ閉まっている。逆にそれで臭いが紛れないのか、尿の臭い、ゲロの臭い、生ゴミの臭いが、入り混じったような悪臭が漂ってくる。不忍池にはビルの間を抜けて行くのが近道なので、狭いアスファルトの道を通ったのだが、路上で作業している人が気の毒になるような悪臭に思わず呼吸を止めた。 足早に抜けて、不忍池のほとりへ。 蓮は? 一言でいえば、そこに広がっていたのは唖然とする風景。 デカい! そしてあまりに混みあって群生している。 池一面を覆う、蓮の葉、葉、葉… 花もたしかにかなり咲いているのだが、大賀ハスのように花の茎が長くないので、葉っぱに隠れ、見えない。千葉公園のように、花を少し見下ろすように観察することは不可能だ。 もうちょっと高い位置から見たいな、とコンクリのちょっとした段差のある場所に行ったら… く、く、くさっ!! 強烈な尿の臭いで、思わず、文字通り飛びのいた。 木道のほうへ行けば、この臭いも眺めももう少しマシになるだろうと、慌てて木道へ向かう。 悪臭からは逃れられたが、背の高い、そして群生しすぎの蓮の迫力が、あまりいい意味でなく凄すぎた。葉の勢いが「圧」になってこちらに迫ってくるよう。花は無数の葉の陰に隠れて、あまり目立たない。 混んでいて葉が思いっきり開けないから、開ける場所を探してあがいている感じ。都会の窮屈な空間であえぎながら暮らしている人の姿を象徴しているかのよう。 もっと高い位置に木道を作ってくれなければ、とても花を観賞して楽しむ雰囲気にはなれない。と言うか、よく見えないのだ、そもそも。もし、この壮絶な勢いの蓮をちょっと上から見下ろせる木道を作ったら、今度はいい意味で凄い眺めになるのかもしれない。 弁天堂方面。見渡すかぎり、きゅうくつそうな蓮の葉、葉、葉… 池の水もまったく見えない。まるでデカいフキの畑に来たよう。 弁天堂が「高台」になっているので、そこからの眺めに期待して、わざわざ行ったのだが、全然たいしたことなかった。 ↑ こんな感じ。ただ、弁天堂まで来ると、悪臭から完全に解放されたのがうれしかった。さすがに、人がお参りする場所で糞尿をまき散らしたり、ゲロしたりする人はいない…と思いたい。 蓮の花を見下ろす位置の木道が無理でも、ちょっとした展望台になるような高い場所を作って欲しいものだ。浮世絵にも描かれている不忍池の蓮、と自慢しているわりには、花が咲いたときの見せ方に工夫が足りない。 ちなみに咲いている蓮の花の品種は、 というらしい。 赤みが強いのが特徴だとか。 確かに、蕾の状態でも、花弁の縁の赤さが目立つ。 開いたばかりの蜀紅蓮は、量感があり、非常に優美。 花そのものは華やかで気品が漂う。千葉公園では、こういう花の写真がいくらでも撮れたのだが、不忍池の蓮は、写真に撮りやすい高さと位置にある花はカメラを持った見物客が順番待ちをするほど。 不忍池には大賀ハスもあったようだが、案内板によれば、現在は生育不良で「展示」していないとか。 展示…??? 展示するしないの問題なのだろうか? ほっといたら、生育が良好すぎる蓮との生存競争に大賀ハスが負けてしまった、としか。 せっかく上野という都内のメジャーな場所にあり、蓮の一大群生地だというのに、花の鑑賞はほとんどできなかった。しかも、強烈な尿の臭いだの、生ごみの臭いだのに衝撃を受けすぎて、花を楽しもうという気分が萎れてしまった。 昔から清潔な場所ではないが、これほど池の周囲の道に悪臭が漂っていたのは初めての経験。しばらく雨も降らず、真夏のような暑さが続いたせいもあるかもしれないが、東京オリンピックを控えて、東京のど真ん中の、ネームバリューのある場所がこんな不潔でいいのだろうか? これは対策が急がれる。 そして、蓮の花をゆっくり鑑賞したい方は… もうちょっと早い時期に、足をのばして千葉公園まで行こう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.07.28 23:26:45
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