|
カテゴリ:フィギュアスケート(2017-2018)
平昌五輪の男子フィギュアシングルの表彰式に現れた、眼光鋭いロシア人のISU副会長の姿にお気づきだっただろうか?
彼こそ、アレクザンドル・ラケルニク氏。「ほんの少しの回転不足が、その下のジャンプを回りすぎて着氷したときと同じ点になる」なんていう、前代未聞のルール運用がされた、暗黒のバンクーバー五輪。その直後にはやくも、「ソチでは4回転を跳ばずには勝てない(I don’t think somebody can win without a quad)」と「予告」した人物だ。 詳しくはMizumizuのこの記事を参照↓ https://plaza.rakuten.co.jp/mizumizu4329/diary/201408080000/ バンクーバー五輪のフィギュアシングルのルールは史上最悪だった。そしてロシアの成績も散々だった。ロシア人にとっては煮え湯を飲まされた五輪だったが、それで引っ込まないのがロシアだ。そこから採点の流れを変え、自国開催のオリンピックで、見事にフィギュア王国ロシア復活に導いた立役者の一人がラケルニク氏だといえる。 2016年にカナダ人ISU副会長のドレ氏が亡くなり、アレクザンドル・ラケルニク氏が副会長に選出された。彼の権限はより高まったのだ。そして、ラケルニク氏は、平昌後の大きなルール改正にもすでに言及している。 彼によれば、現在のショートプログラムとフリープログラムは似すぎている。これを変えて、芸術面を重視して評価するプログラムと技術面を重視して評価するプログラムとに分け、できるなら「総合」も加えてメダルの数を増やしたいのだという。 面白いかな、と思う。 どのみち今のジャッジは、「スーパーのレジ係」。できるだけお上の意向に沿って…もとい、客観的な基準に沿って、「レジ打ち」すれば、それなりに競技としては成り立つだろうし、今回の五輪の男子シングルの日本選手ワンツーに対する熱狂とそれがもたらすであろう経済効果を見れば、フィギュアスケートの未来は、案外明るい。 ラケルニク氏は、フィギュアスケートの人気を取り戻したいと言う。日本では人気があるが、それはスター選手がいるからだ。今の日本がむしろ例外で、ヨーロッパでも北米でも、フィギュアのかつての人気は地に落ちている。 もし今のままジャンプ重視のルールが続けば、スポーツ競技としては非常に勝敗が分かりやすいが、選手はどんどん若くなり、その結果フィギュアの最大の魅力である、氷上の舞踏芸術としての側面が薄れ、人々がお金を払ってみようという競技でなくなってしまう。 暗黒のバンクーバーのルールをきっぱりと否定し、ルールを改正し、ソチへの流れ、やや拡大解釈すれば「羽生結弦の時代」を作ったともいえるラケルニク氏。もちろん食わせ物のロシア人が自国選手に不利になるような改正はしないだろうし、それがこれからの日本人選手にとって吉と出るか凶と出るかは未知数だが、彼の仕掛ける次の大きなルール改正、Mizumizuは案外楽しみにしている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.02.20 20:23:34
[フィギュアスケート(2017-2018)] カテゴリの最新記事
|