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Mizumizuのライフスタイル・ブログ

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ゴロワのブログ GAULOISES1111さん
Tomy's room Tomy1113さん
2018.06.04
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カテゴリ:Gourmet (European)
ロブションと並ぶくらい東京での「チェーン展開」が東京で目立つ、ポール・ボキューズ。高級フレンチのファミレス化に一役買ってしまっている感はあるが、新国立美術館(六本木)の、宇宙的とも言える空間デザインの「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」は、一度は行く価値がある。

新国立美術館は、故黒川紀章の建築だが、久々に行ったら、優美な曲線を描くガラスのエクステリアや、壮大な抜きぬけの内部空間、目を奪う逆円錐形の、カフェ・レストランを支えるコンクリート構造の重量感など、「すげーな、おい」と改めて感動を覚えた。

ここの3階にあるのが、ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ。半角スペースと中黒の使い方が実にめんどくさい正式名の表記だ。

リヨン郊外で50年以上3つ星を守っている料理界の天才、ポール・ボキューズ。その名を冠しつつも、円形の広々としたフロアにテーブルを、これでもかとぎっちり並べて高級感を台無しにするセンスとか、良く訓練されていて落ち度はどこにもないが、みーんな同じで、いっそもうロボットに給仕させたら? と思うようなサービスとか、「お値打ちコース」には、それなりに高級感のある素材を織り交ぜつつも、それはあくまでちょこっとでメインの魚素材なんかやっぱりスズキになっちゃうありきたりぶりとか、そこここに漂う「レストランひらまつ」ぶりが、どうもリピートしたい気持ちを萎えさせる。

…と、思う人が多いのかどうか、日曜日のディナーというのに、お客は数えるほど。本当に、両手の指で数えたら余るぐらいの人しか来ていなかった。ご近所の西荻の個人経営の人気レストランのほうが、よっぽど人が入って、賑わっている。やっぱり日本人は雰囲気よりなにより、「味」にウルサイ民族だな、とつくづく思う。

ぎちぎちに並べられたがゆえに、虚しさ倍増の空席を横目に見つつ、予約していたおかげか、曲線を描く外壁の窓に一番近い良い席に案内される。夕暮れと呼ぶには少しだけ早い東京の景色がパノラマ的に広がって見える。都会的な高層ビルだけでなく、木々の緑も目に入り、空気の澄んだ天気の良い日だったせいもあって、素晴らしい眺めだった。

今回予約したのは「ルーヴル美術館展特別ディナーコース」。


前菜はフォアグラのソテーとリゾット。フォアグラのソースはモリーユ茸を使ったものだとか。この高級キノコの風味は実は、あんまりよく分からなかったが、モリーユっぽい食感が多少入り、甘辛く、日本人の口に合う濃い目の味付けになっていた。リゾットとフォアグラ―のソテーの組み合わせは大好きなので、大いに気に入る。

魚料理は、ブラックオリーブの衣をまとわせたスズキのポワレで、にんにくのクロケットが上にのり、トマトのセッシュの酸味とオレンジの風味をきかせたというブールブランソースの爽やかさが、良い出来だった。ブールブランソースはフレンチの醍醐味、と思うぐらい個人的には好きで、それぞれのシェフの作る味わいの違いをいつも心から楽しんでいる。

けど、結局魚はスズキだし。火入れ具合も特筆することもなく。日本のフレンチでコースを選ぶと、魚はスズキばっかりで、もう飽きてしまった。ワインは重めの白を合わせた。

肉料理は牛ほほ肉の赤ワイン煮。じゃがいものピューレにムーレット(ポーチドエッグ)までついて、お上品な見た目とは裏腹にボリュームがあった。まぁ、普通に美味しかったですよ、ハイ。しかし、牛ほほ肉のワイン煮も、よくあるメニューですでに飽きている。そのうえ、赤ワインのチョイスを失敗。シラー種を使った重めのものを選んだつもりだったが、味がない。昔の、シラー種=安くてまずいワイン、のイメージだったころのシロモノという感じ。単に個人的な嗜好だが、Mizumizu的にはハズレでがっかり。

デザートはジュレをのせた桃のコンポート。バニラアイスとアーモンドのチュイル。バニラのそばにはフランボワーズのソースが薄くのばしてるのだが、ほとんど見えない。日本人はフランボワーズを好まない人も多いので、好きでない人は食べないで済むような配慮なのか? と思うぐらい少なかった。


最後にティーバッグ感ありありの紅茶をいただいて、会計を済ませ、エレベータで1階へ。大都会のど真ん中の六本木とは思えないぐらいガランとして人がいない。しかし、夜の灯りの点った新国立美術館は、中から外を見ても、外から振り返って建物を見ても、実に壮麗で、凛と美しかった。

半角スペースと中黒の使い分けが実にめんどくさいブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ。メニューを見るとアラカルトにフォアグラのソテーとリゾットもある。アラカルトだと3000円ぐらいだが、中途半端なお値打ちコースにするより、アラカルト一皿をゆっくり堪能するぐらいが、今のMizumizuには合っているのかもしれない。

この得難い空間デザインを味わいに、またぜひとも家族で来たいもの。ランチだと美術館に来た人で混みそうだが、美術館が閉館したあとがこんなにすいているなら、東京の穴場と言っていいのでは?










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最終更新日  2018.06.07 00:04:31



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