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エッジにイチャモンがついたり、回転不足が非常に多かったり、日本女子を苦しめるマイナスの要素を、「いまのところ」ほぼ持たない紀平選手。トリプルアクセルのことばかり注目されるが、Mizumizuが繰り返し主張してきたように、現在、女子シングル選手の女王の条件は、この難しい大技が跳べるかどうかにあるのではない。ルッツにエッジの不安がなく、連続ジャンプのセカンドにつける3回転が不足なく降りられるかどうかなのだ。
苦手なジャンプがないというのも大事になってくる。難しいルッツは得意だが、ループが不得意だとか、ルッツのエッジは大丈夫だが、フリップに中立グセがあるとかいったマイナス要素があると、現行ルールでは、たとえ大技があっても必ずしも得点はのびてこない。
今回のファイナルで表彰台に立った女子選手3人は、エッジの問題がなく、質の高いジャンプをまんべんなく跳べる優等生ばかり。スポーツとして非常に分かりやすく、解説しやすい結果となった。
まずはショート。紀平選手とザギトワ選手のジャンプ構成を見ると、3回転に関しては3ルッツ、3フリップ、セカンドには3トゥループ(紀平)、3ループ(ザギトワ)とザギトワ選手の難度がやや勝っている。だが、それはトゥループとループの基礎点の違いだけだから、差はわずか。ただ、アクセルジャンプの基礎点の差は大きい。トリプルアクセルが8点なのに対し、ダブルアクセルはわずか3.3点。いくらGOEで加点がついても、紀平選手が3Aで失敗してくれなければ、ザギトワ選手は追いつけない。
あとは演技構成点だが、このファイナルが始まる前に、佐野氏がテレビで、「紀平さんの演技構成点は上がりますから!」と、バラしてしまった!(大爆笑)
このお膳立て…もとい、流れの中で、紀平選手はすべてのジャンプをきれいに決める。今回、紀平選手はトリプルアクセルを3回跳んで2回成功させた。ショートで決めたのは大きく、演技構成点の差は佐野氏の予告…じゃない、見事な予想通り、わずか0.68点に留まったこともあって、2人の点差は、アクセルジャンプの基礎点の差がほぼそのまま反映されたものになった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.12.11 13:54:28
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