天禅桃子さんの「フラッター」
素晴らしいね!傑作!!!天禅桃子さんのはどれもステキだけどこの「フラッター」ぴかイチ。ネタばれ全開でいくのでよろしくです。コミックス片手にどうぞ。まず、黒い表紙に圧倒されました。天禅さんから、暗い印象を受けたのは初めてだなぁとドキドキしつつページをめくってしっかり真面目なオフィスラブで、時折こぼれる笑みにきゅんってしつつもまだまだ序盤。主人公の浅田はストレートで、仕事で組むことになった観月がゲイだと知って、じたばたするあたり可愛いです。キョトン顔の観月もイイねっで、観月のセリフ「今晩空いてますか」きゃ~~~~なに(天禅さんにしては)急展開!?ドキドキ……と異常に興奮させられちゃいましたよぅま、ただ飲みに行くだけで肩透かしを食らったわけですが観月はセリフや表情、立ち居振る舞い、すべてがカッコいいです。見蕩れてしまいます。動画で見てる訳じゃないのにそんな気がする。天禅さんは、そういう雰囲気を描くのが異様に上手いなぁって思います。ここらあたりで、初読の時、浅田が受なの?どうなの?と迷いました。観月は居眠りしててもカッコいいなとウットリしつつじわじわ観月に惹かれていく浅田に「行けっ頑張れっ」と応援しつつ秀逸な浅田のモノローグ「嬉しいような苦しいような気分になった」に心揺れつつも目を奪われた1コマ。観月が携帯を手に涙を零していた。たくさんBLを読んできて、色んな泣きシーンを見て思わず自分も泣いてしまった時もあったけど、こんなに印象深くなかった。観月の完璧さからは想像もしなかったから泣き顔にもう心がギュッてなるんですよ。観月のセリフがないのに、コマ回しが絶妙で第1話にしてスコーンと、はまってしまった。あっ自分の脳内で浅田「攻」決定しましたね。観月は、自棄酒代わりに浅田を映画館や買い物につき合わさせるんですけど普段は隙のない気配りの観月なんだけど、失恋してネジ一本外れたみたいでふたりともちょっとかみ合わないトコが、焦るというか面白いというか微妙な感じがいい、楽しい。「きみがいてくれてよかった」というセリフにホッとしました。で、日常にもどって仕事中の「成功させますよ」のセリフにめろめろ。カッコいい。やっぱり観月はこうでなくっちゃ!浅田の「粘り勝ちです」と親指立ててのも可愛い。友達宣言しあっている2人は可愛いです。探り探りなんだけどそこが可愛いね。仕事の打ち上げの飲み会もイイ~セリフがガンガン飛び交って楽しい!こうやって女性をさらりと混ぜるのも上手いなぁっその後、2人で飲み直すんですけどっっっ観月の元彼登場だよ!て、あれ?穏やか???修羅場になるかと思っちゃった。こういう運びかたも独特ですねぇ柔らかい。う~ん、みんな優しいのに上手くいかないなぁ私、浅田と先生が公園で会話するシーンがとても好きで人は影響しあっていると思える一幕。観月の心はまだ先生のところなのかな。観月は先生の弱みに付け込んだって言っていたけどそれは違うんだって、一歩離れて立っている浅田には見えていて浅田自身、観月に一方的な想いを抱いていると思い込んでいるけど先生から見たら、ちがうものが見えてて「なんとも思ってない相手にこんな話するわけないよ」先生のこの言葉が深い優しさを感じられてとても好きです。距離や角度や時間が、目くらましになったり薬になったりしたのかなって2人の会話はそんな風に思いました。観月と先生の電話で、観月が泣いていて私は観月の涙にとことん弱く、ココでも心を鷲掴みされてしまいました。滅多に泣きそうにない人が泣く。「これで本当に全部終わったんだ」大切だった過去のどうしようもない喪失感の中頭によぎった自分の手を引く浅田の手前回のシーンと絡めたこの上手さ!こっからもう怒涛の展開なんです!!!ぐいぐい読ませる、読ませてくれるその手腕に脱帽っ観月が涙しつつ浅田に言うシーン「どうして、きみのことなんか」セリフ自体も、このシチュエーションもたまんないっっっその後のキスや、更にその後のって、天禅さんならではでしたね~キスで酔うと思えば、我に返り、コトに進むと思えば確認したり絶妙のテンポとセリフで、ワタワタしたり正気に返ったり冷静だったりとどこまでも読ませてくれました。「…あっちがダメだからこっちってムシがよすぎるか?調子がいいって思うか?」このセリフのある見開き2ページ、息が詰まりましたよ!!!観月の唇が震えるのを見てからの「思いません」かよっ浅田っっっもっと早く言ってあげてよぅそして、私の好きなセリフ「口にすると確信が増す」は~カッコいい。ホント受なの?なんなの?好きだの愛してるだけだったら、いっぱい読んできたけどこんなのは、そうそうないよ!で、挿入なしなのも天禅さんらしくてイイ~ていうか、翌朝の会話で、すべてが満たされてたんだなって思えるのがいいですよね。「そんなのっ俺にだってわかりません!」浅田っ攻なのにどこまでも可愛いな~「こんな朝がくるなんて思ってもみなかった」この観月のモノローグは幸せの象徴のようで……ラストは2人で出勤していました。そうそう、はじめは出勤時に浅田が観月を眺めていただけだったんだなぁそう思うと感慨深いラストでした。そして書き下ろし観月さん可愛さUPしてますよね。ニヤニヤしてしまいました。「してる時名前呼ぶとすごくよさそうだから…」って。ごちそうさま。先生から見た話も読んでみたいなぁ。ドイツで背の高い年下のハーフと恋愛しないかなぁ。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■久々にブログ書いて、だらだら長くなっちゃって反省。でもまだまだ書き足りないです。観月の涙にやられちゃったんですよね。うん。私の中で一番のBL漫画になったね。満たされたり優しい気持ちになれたりしました。以前は、水城せとなさんの窮鼠が一番だったけど、辛いことが多いかったストーリーだったし最近、優しく幸せそうなものがいいなと思うようになりましたね。歳のせいかな。昔書いた日記のカキコのレスもせずすみません。次はいつ書くことになるやら。次、秋葉東子さんについてだらだら語りたいな。それでは、また。