カテゴリ:中国経済
2017.2.4産経ニュース
【上海=河崎真澄】 中国の人民元が貿易や対外投資の決済に使われる通貨として昨年12月、カナダドルに追い抜かれて6位に転落したことが、銀行間の送金ネットワークを運営する国際銀行間通信協会(SWIFT)の調べで分かった。 通貨別の決済シェアで、元は2015年8月に日本円を上回り、ドル、ユーロ、ポンドに次いで初の4位につけた。 だが、経済成長鈍化や元安でシェアが低下。再び円を下回って15年12月段階で5位になっていた。 また、16年通年の元建て決済総額は前年比で29・5%も減少した。 元は昨年10月に、国際通貨基金(IMF)の仮想通貨「特別引き出し権(SDR)」に組み込まれたが、評価は上がらず、習近平指導部が目指した元の国際化戦略に急ブレーキがかかった格好だ。 元をめぐっては、SDR入り後も為替相場の形成を市場に委ねる通貨改革は進まず、国際通貨としての信頼性や利便性は向上していない。 さらに中国を「為替操作国」に指定すると主張したトランプ氏による米政権の動きも不透明で、環境は一段と悪化している。 SWIFTによると、通貨別の代金決済シェアは昨年12月の段階で、米ドルが42・09%。ユーロが31・30%、ポンド7・20%、円3・40%、カナダドル1・93%だったのに対し、元は1・68%にとどまっている。 (引用ここまで) SWIFTのプレスリリースから画像を拾ってきました。 画像では分かりにくいのですが、ユーロ・日本円・カナダドルが2015年に対して2016年の構成比が増えており、米ドル・英ポンド・人民元は逆に低下、スイスフラン・豪ドルはほぼ横ばいという感じでした。 もっとも米ドルが減ったとはいえ、全世界の決済シェアの4割以上を占めており、圧倒的首位であることには変わりがありません。 2014年の資料ですが、総務省統計局の公表データと比較すると分かりやすいと思います。 中国のGDPは、2014年時点でアメリカの約6割、日本の約2.5倍、カナダの5倍以上です。 しかし、自国通貨の決済量とGDP比率と比較すると、人民元の信頼度は、他国通貨に対してあまりにも低いということが分かります。 このことは、次に投稿する記事にも影響する事実です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年02月10日 00時00分11秒
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