カテゴリ:中国経済
2017.2.16 Bloomberg
中国が人民元相場を支えるために外貨準備を活用する中で、2016年の同国の米国債保有残高は過去最大の減少となった。 海外勢で最大の米国債保有国である日本も2年連続で残高を減らした。 米財務省が15日発表した昨年12月の対米証券投資動向によれば、中国の米国債保有残高は1兆600億ドル(約121兆円)と、前年比で1880億ドルの減少となった。 前月比では91億ドル増加し、昨年5月以来のプラス。 日本の米国債保有は5カ月連続で減少し、前月比178億ドル減の1兆900億ドル。 前年比で316億ドルの減少だった。 中国人民銀行は14年以降、元相場下支えと海外への資本流出阻止に向けた取り組みの中で外貨準備高の4分の1を費やした。 中国の米国債売りは米政府の借り入れコストを押し上げる要因となっている。昨年の米10年債利回りは一時の1.3%から2.6%に上昇した。 (中略) 米財務省の統計には国際資本フローのデータも含まれており、12月の外国勢による米長期証券投資は129億ドルの売り越しだった。 財務省短期証券(TB)や株式スワップなどの短期証券を含む全体では428億ドルの流出。 昨年12月時点の外国勢による米国債保有総額は約6兆ドルで、前年同月の6兆1500億ドルから減少した。(引用ここまで) 日本の2016年12月末時点の外貨準備高は、1兆2,169億ドル。 このうち、米国債が1兆900億ドル(89.6%) 中国の同月時点の外貨準備高が3兆103億ドル。 うち、米国債が1兆600億ドル (35.2%) 日本は、財務省が毎月の外貨準備を、その構成も含めて公表していますが、中国の外貨準備高は、総額でしか公表されていません。 中国の金保有高が少々古い情報ですが2015年6月末時点で1,658tだそうです。 これを本日時点の金相場(約4,900円/グラム)で当てはめると、715億ドル。 中国は、米国債や金以外の外貨準備高が6割以上あるということです。 上の図は「みずほ総合研究所」様から借用した表ですが、中国人民元レートは外貨準備高に比例して動いている模様です。 中国の外貨準備高の6割以上を占める何かが、仮に米ドル高により「評価損」が出てしまう場合、一気に人民元安になる恐れもあります。 その場合、外貨流出がこれまで以上に加速してしまい、経済成長に悪影響が出る可能性があります。 実際には、外貨準備の「評価損」が出ても、公表することはないのでしょうけど。 中国経済「駄目になる」=先行きに強い警戒感-麻生財務相 2017.2.15 時事通信 麻生太郎財務相は15日の衆院財務金融委員会で、高い成長を続けてきた中国経済について「駄目になるのは間違いない。いつ、どう駄目になるかが問題だ」と述べ、先行きに対して強い警戒感を表明した。 その上で「ソフトランディング(軟着陸)してもらうにはどうするか。 こっちも迷惑するので頭に入れておかなければいけない」と述べ、日中財務当局間の連携を強化する必要性を強調した。 民進党の木内孝胤氏への答弁。(引用ここまで) 麻生大臣のこの言葉が実現する可能性もあると思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年02月17日 22時00分05秒
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