カテゴリ:中国経済
2017.2.17 毎日新聞
【北京・赤間清広】 米国のトランプ政権による中国製品に対するダンピング(不当廉売)認定が相次いでいる。 今のところオバマ前政権下で打ち出された方針を追認したケースが大半だが、トランプ氏はかねて価格の安い中国製品の流入を問題視しており、両国の貿易摩擦が激化するのは確実だ。 (中略) 米国の商務省は、輸入品のダンピングがないかを調査。 政府による輸出補助金など不正があれば、補助金分に相当する「相殺関税」や、高率の「反ダンピング関税」を課すなど制裁方針を決める。 最終的に独立機関である米国際貿易委員会(ITC)が認定すれば、制裁措置の発動が正式決定する。 ITCは15日、オバマ前政権が制裁方針を打ち出した中国製シリカ繊維のダンピングを認めた。 トランプ政権発足後、中国製品への制裁が正式決定するのはこれで3件目。 米商務省はトランプ政権発足後の1月23日、大型車用中国製タイヤについてもダンピング認定するなど、新たな制裁発動も本格化してきた。 政府と企業の結びつきが強い中国製品を巡っては、かねてから「政府支援によって輸出価格が不当に安く抑えられている」との批判が強く、2016年だけで27カ国・地域が計119件の制裁措置をするための調査に着手した。 (引用ここまで) ソースは毎日新聞。 分かりやすい図があったので、本文ごと引用しました。 いかにもトランプ政権になってから米中貿易戦争が始まったような書き方の記事ですが、記事中にもある通り、今のところはオバマ政権時の方針の追認なだけなのです。 経済産業省HP「貿易救済措置」より 水酸化カリウム(大韓民国、中華人民共和国産) <概要> 2015年(平成27年) 4月 3日 申請 (申請者:カリ電解工業会) 5月26日 調査開始 2016年(平成28年) 3月25日 仮の決定 4月 9日 暫定AD税賦課 5月24日 調査期間延長 8月 9日 AD税賦課(2021年8月8日まで) (AD税率) 大韓民国 1社 49.5% その他 49.5% 中華人民共和国 1社 73.7% (香港地域及びマカオ地域を除く) その他 73.7% (引用ここまで) これは日本の経済産業省からの引用ですが、国内企業から申請があって調査を開始し、反ダンピング関税が適用されるまで1年以上かかる模様です。 恐らくいま適用されている反ダンピング関税は、アメリカの場合でも、1年くらい前から申請があったものと思われます。 つまりトランプ政権だから反ダンピング関税を課しているという理屈は成立しないわけです。 今のところは、マスコミがトランプ政権を煽りたいだけだと思いますが、もし米中貿易摩擦になるくらいのダンピング課税があったとしても、それは来年以降の話だと思います。 (日本の審査機関がアメリカにも適用される前提ですが・・・) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年02月19日 23時00分07秒
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