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| 「あんた、聞いててくれなかったのか・・・・・・」
「すまん、ちょっと、死んでたんでな、全然聞いていなかった」
ニューイングランドのとある町。
そこでは死者が相次いで甦るという怪現象が発生している。
山口雅也のデビュー作「生ける屍の死」は
そんな奇妙な土地で起きた連続殺人事件を描いてる。
死者が甦る。
十分事件だ。
でも「それはそれ」として、あくまでも解決すべき事件は連続殺人事件。
それがこの作品のスゴいとこ。
作中の「甦り」にはルールがある。
生前と同じようにモノを考えたり行動したりできるが
肉体はあくまで死んでいるため、ケガは治らないし
いずれ腐敗し第二の死を迎えることは避けられない。
第二の死を待つ「生ける屍」が存在することで
事件の捜査・推理が普通の世界とは違うものになる。
死者が甦る世界での殺人の意味。
「口封じのため」という動機は成立しなくなる。
容疑者として死者が浮上した場合。
第二の死を待つだけの「生ける屍」はどのような動機で行動するのか?
さらに、この事件には莫大な遺産が絡んでいるが
遺書を残して死んだ男が甦ったら遺産はどうなるのか?
そして相続人が「生ける屍」だったら、遺産はどうなるのか?
大げさに言えば既存のミステリーへの挑戦。
安く言えば、ちょっとした頭の体操。
登場人物や事件の舞台設定は割りとオーソドックスだが
「死者が甦る」というルールを一つ加えただけで
容疑者が浮かんでは消え、浮かんでは消え・・・
全く先が読めない展開にずるずると引き込まれていく。
「生ける屍」はギミックとして使われるのみの存在ではなく
そのまま作品のテーマでもある。
人間は生まれた瞬間から死に向かっている。
第二の死に向かう「生ける屍」と何が違うのか?
夢も希望もなく日々なんとなく生きていた少年。
自分を殺した犯人を探し出すために
初めて能動的に、目的を持ってがむしゃらに行動する。
彼の生前と死後。どちらが「生ける屍」なんだろうか?
「山口雅也の作品も何冊か読んだしデビュー作にも手を出してみるか」
そんな気持ちで本屋の棚を探した。
が、見つからなかった。
それもそのはず、棚ではなく平積みで置かれていた。
「このミステリーがすごい!」の過去20年の
ベスト・オブ・ベストの第2位に選ばれたからだ。
「デビュー作なのに、そんなにスゴいの?」
と疑心暗鬼で読み始めたが、読み終えてみるとただただ納得。 |
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Last updated
2012.10.21 23:30:16
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