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テーマ:ミステリはお好き?(1496)
カテゴリ:本馬鹿
「殺人鬼フジコの衝動」 本屋からの帰り道(正確には「人間ドックの帰り道」)に 読み始めて、止められなくなり そのまま一気に読み終えちゃった。 正直、最低一週間程度は「通勤のお供」になってほしかったトコだけど・・・ まぁ、しゃあないわ^^; この本に興味を持った理由は、売り上げランキングで上位だったんで 目立つところにあったというのが、まずあった上で、 この帯だ こんな雄弁な帯初めて見たわ(笑) でもこれ読んで「オッ!」って思った人なら 間違いなく気に入ると思う。 で、中身。 「殺人鬼フジコ」の事件を取材し、小説にした人物がいて その人に原稿を託された人物が「はしがき」と「あとがき」を書いてる ・・・という設定。 柱になる「殺人鬼フジコ」について書かれた小説。 フジコが11歳の時から物語はスタートするんだけど 不幸から抜け出したいともがけばもがくほど 不幸のスパイラルに飲み込まれていく。 合間合間で束の間の幸福があるだけに その落差が残酷で、時に同情すらしてしまう。 この「作中作」だけでも十分におもしろいんだけど、 物語の起点にある「謎」は「作中作」の中では明かされない。 「あとがき」の中でおぼろげながら輪郭が見えてくる。 そして決定的になるのは「あとがき」ですらなく、 見落としてしまいそうな「7行(実質6行)」だ。 ここまで念入りに仕掛けなくてもいいやん、と。^^; 帯に書いてある「後味の悪さ」は相当なモン。 帯も含めて、一冊の本としての完成度はスゴいわぁ~ ・・・と余韻に浸ろうかというところで読むことになる解説が最低。 最後の最後に「ほとんどが本編からの引用」のもの読ませるな。 山口雅也のファンやってると、 「巻末には秀逸な解説が付いてるのが当然」だから 贅沢になっちゃってる?
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