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テーマ:ミステリはお好き?(1496)
カテゴリ:本馬鹿
西澤保彦の「七回死んだ男」 とんでもなく面白かった。 紀伊国屋の店員さんのPOPを信じて買って良かった。 そんな余韻に浸りつつ、あとがき、解説と読み進める。 すると北上次郎氏による巻末の解説に 著者のある言葉が引用されていた 私にとって、もし〔聖典〕と呼べるものがあるとすれば、 それは山口雅也さんの『生ける屍の死』です。 山口雅也ファンが、 「生ける屍の死」を〔聖典〕としている作家の小説を読んで 気に入らないわけないやん。 なんか、もう 出会うべくして出会った作品だったんだと 運命すら感じたよ。 で、 この「七回死んだ男」 「生ける屍の死」と同じように特殊な設定を先に提示している。 (「山口雅也作品のように」ではない/笑) 主人公の久太郎が言うところの「反復落とし穴」。 月に3~4回程度、久太郎の意思とは無関係に 同じ日が9回繰り返されてしまう。 久太郎以外の人間は、久太郎が違う行動をとらない限り 1周目のその日と同じ行動をする。 1周目から8周目のその日は、どんな行動、結果となっても 24:00にリセットされる。 そして9周目の行動、結果が“決定版”となり翌日を迎える。 ・・・というもの。 まぁ、どうしても「バイツァ・ダスト」を思い出してしまうわけだけど・・・ 祖父の家を訪れた1月2日。 久太郎は「反復落とし穴」に落ちる。 そして、自らの体質である「反復落とし穴」を 熟知している彼には信じ難いことだが “2周目”の1月2日に祖父が死体で見付かる。 自分以外は1周目と同じ行動をするはずなのに・・・ そこで久太郎は“祖父が死なない1月2日”を決定版とすべく 事件を防ぐための行動を探ることになる。 久太郎が祖父の書斎で見て「間違い」と切り捨てたものが 大きな意味を持つことが明確だったので そもそもの前提に“誤解”があることはすぐに分かった。 が、 犯人は・・・となると 完全に「反復落とし穴」を「バイツァ・ダスト」に変換しちゃっているので 「きっと他にも同じ体質の人間がいて 久太郎の“反復落とし穴”に入り込んで因果律に影響を・・・」などと アタマの中でスタンド・バトルが繰り広げられていたので分からず(笑) つーか、そうなっていなくても 犯人を当てようとしてたらこの結末はちょっと読めない。
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