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テーマ:アメリカ旅行記/生活記(952)
カテゴリ:アメリカ国内旅行
パソロブレスはサンフランシスコとロサンゼルスのちょうど中間くらいにあるワインで有名な小さな街。 元々、8月最初の週末は毎年恒例のバックパックキャンピングに行く予定だったんだけど、半月前にピコちんが足首捻挫したので、安全をとって9月のレイバーデイ週末に延期しました。なので週末まるまる予定空いちゃったから、土日だけだけどちょっとミニバケーションっぽいことしよう!ってことで、パソロブレスへの小旅行を決行!一応私の誕生日でもあるしね。 土曜の朝、相棒とピコちんが用意してくれた朝ごはんの後、のんびりめに家を出て、ハイウェイ101号をひたすら南下。途中、そろそろお腹が空いたかな?ということで、グリーンフィールドという小さな街でランチ休憩。「エル・タマラソ(El Tamalaso)」というまさに「ザ・hole in the wall」なタクェリアでタコスとブリトーを買い、隣の図書館前の芝生にブランケットを広げてランチ。ここのコーントルティヤは手作りみたいで厚みがあっておいしかった!具もしっかり味付けされたミートがたっぷり入ってて、たまたま入ったにしては大満足でした。 ちなみにカリフォルニアのこの辺り(サリナスバレーとかセントラルバレーとか)は農業地帯でヒスパニック系住民が多いところです。なのでこういう小さな街で食べるところといえばマックとかのファーストフードチェーン以外は大体メキシカンってことになる。 また101に戻って南下を続け、サンミゲルで高速を降り、サンミゲルにあるスパニッシュミッション「ミッション・サン・ミゲル・アルカンヘル」を訪れた。 スパニッシュミッションというのは、まだカリフォルニアがスペインの植民地だった時代に、スペイン人伝道師によってカソリック布教のために建設された伝道所のこと。南のサンディエゴから始まって北のソノマにかけて、21ヶ所が18世紀後半から19世紀初めにかけて建てられた。 それぞれのミッションは1日に馬で移動できる距離(約50Km)毎に設けられ、それを結ぶ道が「El Camino Real(王の道)」と呼ばれるようになったそう。歴史的なEl Camino Realは今でも道路として活用されていて、私たちが南下してきた高速101号もそうだし、ベイエリアのペニンスラ部ではそのままEl Camino Realという名の通りで地域の大動脈。在住日本人が「エルカミ」と略するくらい生活に密着してます。 それはさておき、このサンミゲルのミッションは国定歴史的建造物(NHL)にも指定されていて(21のミッションのうちNHLに指定されているのはこことミッション・サン・イネスの2ヶ所だけ)、うちからパソロブレスへの道中には他にもミッションがあったのですが、保存状態がよく見どころ多しというのをネットで読んでここを訪問することにしたのです。 ミッションは外塀も日干しレンガに白塗りで、オリーブの木とサボテンやアガベに囲まれ、いかにもカリフォルニアのスパニッシュミッション〜〜という感じ(なんとなく)。こちらも日干しレンガに上塗りの白漆喰が剥げかけたどっしりした門を抜けた前庭には、パン焼き窯や石積みの井戸跡(たぶん)、昔の木のオリーブオイル搾り器や手押し車などが置かれていた。 ギフトショップで入館料を払い、セルフツアーの順路に従って内部に入ると、まずはこの地域のネイティブピープルであるサリナン族の生活にまつわる展示。その次の大きな部屋は、ミッション当時は倉庫兼ワイン醸造所として使われていたそうで、当時の伝道所の全景の再現ミニチュアや伝道時代の遺物(装飾品やフレスコ画の顔料、織り機、ワイン醸造設備など)が展示されていました。 中庭に面した回廊を抜けて、当時の伝道師たちの生活が偲べる台所、食堂、寝室を再現した部屋々を見学。日干しレンガに白漆喰塗りの壁、木の天井と床、どっしりした飾りのない木の家具など、簡素で清廉な暮らしがうかがえるしつらえでした。 見学できる最後の部屋は、当時伝道活動のオフィスとして使われていた部屋ということで、宗教画の数々や当時教会で使われていた燭台や椅子、当時の宗教音楽の楽譜などが展示されており、伝道所の名前の由来でもある大天使聖ミカエルの像も置かれていた。 台所 食堂 寝室 大天使聖ミカエル 古い楽譜読めたら楽しそう そこからは中庭を抜けて聖堂部分へ。内部はこじんまりとしながらも、現在も毎土日にミサが行われているだけあって清潔に綺麗に保たれている。印象的だったのは、ヨーロッパの教会だと祭壇や側壁面の装飾は彫刻がされていることが多いけど、ここでは素朴で色とりどりのフレスコ画で表現されていること。このフレスコ画は鉱物顔料をサボテンの汁で溶いた絵の具で描かれているそうです。カリフォルニアならでは、だよね。 聖堂からはまた中庭を通ってギフトショップの入り口に戻る。8月の昼下がり、とにかく陽射しが強く空はあくまで青く、空気は肌を炙るように乾燥して暑く重く、その中で噴水の水がきらめき、名残のバラが香り、白壁の回廊が影を作るこの中庭で、ああカリフォルニアのスパニッシュミッションを訪れてるんだなあーとなぜかしみじみ思ったりしました。 ギフトショップの中には「4年生コーナー」が設けられていて、カリフォルニアのミッションについて全体像がわかる資料やポスターなどが掲示されていました。というのはカリフォルニアでは4年生の社会の授業の一環でスパニッシュミッションについて学ことになってて、遠足/社会見学などもふつうはあるの。ピコちんはコロナのせいで行けなかったんだけどね! とにかく思いつきで訪れた割にはとても充実した見学をさせていただきました。これからは他のミッションもぜひ見学させてもらおうと思った。ベイエリア内にも何ヶ所もあるわけだし。 カリフォルニア・ミッションのホームページ:https://californiamissionsfoundation.org/ サンミゲルからまた高速101号に戻ってパソロブレスへ。ホテルにチェックインして部屋に入り、さっそくホテルのプールへ。とにかく暑かった(100度越え)ので涼みたかったし、あとホテルのプールってなんかバケーション!っていう気分が盛り上がるんだよね。 存分にクールダウンして、シャワー&ホテルのバーでウェルカムドリンクをいただいた後、満を持して(?)今回のパソロブレス小旅行のメインイベント「センソリオ」へ向かいました。 「センソリオ(正しくはLight at Sensorio)」は、イギリス人アーティストのブルース・ムンロによる大規模なイルミネーションアートのインスタレーション。2018年のオープン当初は期間限定だったのが現在は無期限になったとのことで、今では作品も追加されて4つのインスタレーションが公開されている。 2018年のセンサリオのオープン時からずっとフィーチャーされているのが、センソリオの顔というか最大のインスタレーションである「フィールド・オブ・ライト」。数エーカーにもわたる緩やかな丘の斜面に10万個の色とりどりのLEDライトが敷き詰められている圧巻のアート。夕暮れから夜の闇の中で、ライトが光り出し、ゆっくりと色を変えていく様は、一面の光の花畑のような幻想的な光景でした。 ライトは半透明の球体に収められていて、その球体は地面から立ち上がった30〜40cmくらい?の細い軸の先端についているので、まるでライトの花か実が地面から生えているかのよう。 光のフィールドは緩やかな丘の谷間になっていて、ループになった遊歩道があるので、360度に広がる光のフィールドに囲まれて歩けるし、丘の上には光の谷を見下ろすベンチもいくつも置かれていて、いろんな角度から光のフィールドを堪能できました。 最初はまだ夕映が残る中ライトが灯され、暗くなるにつれてライトが色鮮やかに見えてくる 一面の光の花畑・・ 定点観測(ほぼ同じ場所から撮った写真3枚)で色の移り変わりがわかる 次に大きいインスタレーションの、69個の光と音のタワーが林立する「ライト・タワー」もとてもよかった。タワーはパソロブレスならではのワインボトル17000本を使って作られ、ゆっくりと色が移り変わるLEDライトでライトアップされ、近づくと宗教声楽のようなアカペラの音楽が流れる。器楽じゃなくて声楽というのがすごく合っていると思った。 ワインボトルで作られてるのわかりますか? 向こうに見えるのが他のインスタレーション2点 残り2つのインスタレーションは、今年5月に追加されたばかりの、光が風に揺れる「ファイアフライズ」と、扇形の光の棒が池を取り囲む「ゴーン・フィッシング」。特にファイアフライズの方は瞑想的でよかった。 ファイアフライズ、蛍っていうかクラゲだよね ゴーン・フィッシングは釣竿が光の棒のインスピレーションなんでしょうね ライトタワーも遠くに見える 今は木曜〜日曜の夜7時〜10時までの営業で、入場してすぐのところにあるベースキャンプにはカジュアルレストランやエアストリームのバーもあるし、ファイヤーピットや芝生の上に子供が遊べる遊具が置かれ、ライブミュージックのパフォーマンスもあって、くつろいだ楽しい雰囲気でいい感じ。全体的によくデザインされて作られて運営されている施設だと思いました。場所柄なのかそこまで人が溢れるってほどじゃなかったのもよかったし。 暗くなるまでの時間も楽しく過ごせる パソロブレスに来ることがあったらセンソリオ絶対オススメです。人工的なものがあんまり好きじゃない相棒も来てよかったって言ってたくらいなんで! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.08.18 04:59:42
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