レジ袋有料化、賛成が半数を超える
内閣府の調査(今年9月に全国の成人男女3000人を対象に面接方式で行い、回答率63%)では、「政府が法制化を目指しているスーパーなどのレジ袋有料化」に賛成が55%で、反対の22%を大きく引き離したそうである。しかし、詳細を読むと、この結果は怪しい。恣意的に設問が用意されていたとの疑いを持ってしまうのである。賛成:反対は、確かに60と20なのであろう。ところが、賛成理由は、資源の節約が70%、レジ袋は無駄が35%である。反対理由はレジ袋は家庭内で再利用が、75%である。これを、わかりやすくすると、「貰ったレジ袋を無駄にした人」は、20%で、「貰ったレジ袋を有効活用した人」は、15%となる。65%もの人は、どうしたのであろうか。それが不明の調査こそ、無駄なものである。恐らくは、有料化賛成に◎をつけてしまうと、もはや、どう使っているかは問わない形式になっていたのであろう。そして、賛成理由の項目の先頭に「資源の節約」が、あったに違いないのである。「スーパーのレジ袋を追放することで、自治体の関連団体などが 関与するゴミ袋の販売量を増やしたいからであろう」とは、邪推であろうか。しかも、不思議なことに、有料化されると、レジ袋を使わなくなる人は、10%強なのである。つまり、有料化賛成だが、レジ袋は貰うということである。これでは、邪推の思惑は外れるので、いずれ、ゴミ収集における、官製袋の使用が法律で義務づけられることになるであろう。そんなことは、ゴメンである。ゴミを減らしたければ、消費者がやるべきことは徹底分別である。分別するだけで、ゴミは資源に変わる。しかし、分別の人件費を考慮するとコスト的には引き合わないから、奉仕活動が必須である。自治体は、NPOを、やたらに支援するが、この「分別」という活動に関して、目立った動きは聞かない。このことも、「自治体の関連団体等が関わるゴミ袋の販売量を増やしたいのだろう」という「邪推」を呼び起こすのである。(注)『邪推』:ひがみから悪く想像して考えること(明鏡さん(明鏡国語辞典)より)[楽天ブックス]4,620円亜臨界水反応による廃棄物処理と資源・エネルギー化普及版 (地球環境シリーズ) [ 吉田弘之 ]