カテゴリ:アート リーディング(神話研究)
きのうは、神話研究会で、「国譲りと天孫降臨」のところを、やりました。
ここのあたりの、古事記の取り上げ方は、大きく分けて、三つあるように思えました。 その1)出雲族と天孫族の、支配をめぐる争いが、歴史上存在した、とする説。これによると、政治的・軍事的に、血で血を洗うような闘争が存在した、という考え方もあります。 その2)これは、視覚的な恒星(星座)の移動を、神話化させたものなのだ、とする説。(たとえば、赤い星アンタレスを持つサソリ座は、古事記の中の荒魂としてのヤマタノオロチであり、それは同時に、和魂としてのサルタヒコでもある。冬の間の荒ぶれたオリオンは、夏至の頃には、その和魂のカメヒメへと、変化する。) その3)「神話はもちろん、何らかの歴史的事象と関係を持つだろう。しかし、神話の意図は、それを記述することではない。」とする河合隼雄説。 その、どの立場をとるかは、「何のために古事記と向き合っているのか」と密接なかかわりがあると思います。 この、「何のために古事記と向き合っているのか」というテーマは、時に見失い、時にまた原点に戻ってみたりしながら、見えたり隠れたりするもののようにも、思えます。 「日本神話は、日本人全体の心性に深くかかわるものとして、読み解くことが可能であると思われる。」という、河合隼雄氏のスタンスは、とても共感できるものですが、それに加えて、『日本の神様カード』との出会いのよろこびが、古事記の研究に私たちを導いてくれていることに、あらためてきのうは気がついたりもしました。 これはきのう、私が描いた絵です。 こうやって写真で見ると、どこかのデパートの包み紙の模様に似ているように見えますが、実物の絵を目の前にすると、絵自体も38センチ×54センチと大きなものでもありますので、まったく違った印象になるのではないかと思います。 古事記を読み解くことの中には、自分自身の神聖のルーツをたどる旅の意味合いもあるのだと、思ったりもしました。 また、古事記をより、自分自身の中に生かしてゆく方法として、北沢方邦氏の説による、恒星の星座を背景として、太陽系の惑星が、どの神格に対応されるか。 または、古事記の神格を、サインやハウスに対応させるとしたら、どこに位置すると考えられるか、などを探って行くことも、有意義なことのように思えました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.08.06 16:08:06
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