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2014.09.28
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ヘスティア―は、ギリシア神話に出てくる女神です。ローマ神話では、ベスタまたはウェスタと呼ばれています。

ヘスティア―は、かなり古い神格であると思われます。それはどうしてかといいますと、ギリシア神話り中でクロノスは、妻レアーが生んだ子どもたちを、つぎつぎとのみ込んでしまうわけですが、その一番最初に呑みこまれた子どもが、ヘスティア―であるからです。

ヘスティア―に関する数少ない神話の中では、「オリュムポス十二神のなかで、いちばんおだやかで、いちばん正直で、そしていちばん恵みぶかいばかりか、建築の技術をも発明した女神として、誰からも尊敬されている。」(ギリシア神話 ロバート・グレイヴス 紀伊国屋書店)とされています。

処女神であり、炉の神、そのご神体は、火でした。

また、ディオニューソスのために、オリュムポス十二神の席を譲ったという逸話も残されています。



このギリシア神話のヘスティア―・ローマ神話のベスタという神格とはまた別に、ローマ時代にベスタに仕える「ベスタの巫女」という存在がありました。

Wikipediaで「ウェスタの処女」を検索しますと、とても興味深い文章が出てきます。それは、大阪大学の藤澤佳澄さんという方の論文の中に書かれている文章として紹介されている、次のようなものです。

ウェスタの処女性は今日考えられているような男性が父権制のもとでつくりあげたものではなく、それ以前のはるか昔における「母権制」の産物であった可能性を指摘している。彼女によれば、ウェスタをはじめとした「処女神」は出産による「死と再生」の神話ではなく、「異界への接続」をこそつかさどる。

また、ここには、ウェスタの巫女たちが、ローマ人たちの「代理母」としての役割を果たしていたことや、任務の30年を経過したあと、もし望むのであれば結婚することもできたことなどが、書かれています。かつてウェスタの巫女であった女性と結婚することは、たいへんな名誉とされていた、とも書かれています。

ベスタの巫女については、伝説上のローマ建国者である双子のロームルスとイムスの母と言われている、レア・シルウィアも、ベスタの巫女であったことが有名です。

小惑星ベスタの最大のクレーターにも、このレアシルヴィアの名前が付けられているそうです。



占星術の小惑星ベスタの象意としては、神格としてのヘスティア―やベスタの性質よりも、このローマのベスタの巫女たちの性質から推測される性質があてがわれることが多いようにも思えます。

そこには、現代人の私たちからすると、特異な性のテーマが読み込まれることも、多くあります。



わたし自身の占星術的な検証としましては、わたし自身の出生のベスタの真上にオーブ無しで太陽を持つ人が、造形の先生であったことや、合唱の指揮者であったりしたことがありました。

また、私の占星術やタロットの生徒さんの中には、私の太陽や土星が、生徒さんの出生のベスタの上にこちらもオーブ無しで、コンジャンクションしていることもありました。



ギリシア神話の中で、一番ひかえめでおだやかな女神の延長線上に、さまざまな時代の光と影の中で、対極のような性質が投影されているかも知れないことは、とても驚くべきことです。





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Last updated  2018.08.04 16:09:56
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