カテゴリ:アート リーディング(神話研究)
11月の神話研究会では、デーメーテールを取り上げました。デーメーテールというのは、ギリシア神話での名前で、ローマ神話では、ケレースまたはセレスという名前です。占星術の小惑星、セレスに対応される神格です。
デーメーテールの名前は、「デー」は、大地をあらわす「ゲー」が変形したものではないかとも、考えられているそうで、この「ゲー」とは、「ガイア」という意味だそうです。「メーテル」は、古代ギリシア語の「母」を意味する言葉とのことで、この名前が示すとおり、大地の女神・豊穣の女神です。 デーメーテールの生い立ちは、前回研究会で取り上げた、ヘスティア―と同じように、父はクロノス、母はレアーです。神話では、ヘスティア―の次に、デーメーテールとヘーラーが生まれたとされています。この生い立ちからもわかるように、ギリシアでは、古くからの神格で、紀元前10世紀の頃から、もともとギリシアに住んでいた農耕民族に崇拝されていたと考えられています。 豊穣の女神を奉じる、母系社会で農耕民族あったかつてのギリシアが、雷の神を奉じる、父権制度の遊牧民族に征服されたことが、神話では、デーメーテールがゼウスによって、辱めを受けるという表現で描かれているとのこと。デーメーテールがさまざまな場所を放浪する神話は、そのような経緯から、征服民の弾圧によって、信仰の拠点が、各地を転々としなくてはならなかったことを表している、との説もあるそうです。 しかしながら、征服民の神話の中に、被征服民の信仰は取り込まれて行き、デーメーテールはゼウスの姉と位置づけられるようになりました。 タロット、3.女帝に、デーメーテールを見いだす説も、あります(『タロットバイブル』レイチェル・ポラック著 朝日新聞出版 2012年)。3.女帝の足元に描かれている麦は、デーメーテールの象徴のひとつです。 デーメーテールは、また、乙女座星座の神話のひとつとも、されています。古代バビロニアでの、「畝」と「葉」という星座が、乙女座の元型と考えられているそうで、この二つの星座は秋の農耕を象徴していたのだそうです。メソポタミアでは、秋に種まきをするムギが主要穀物だったとか。 セレスのお絵描きに関しましては、参加者の方たちが描いた絵には、デーメーテールの女神の持つ、豊かさ・祝福感・生きていて良いのだよ的な存在の肯定感に満ちていたと思います。 占星術的には、小惑星セレスにフォーカスしたとたんに、今までのネイタルチャートが、全く違ったテイストを醸し出すことには、参加者のみなさんも、あらためて驚いておられました。そのような、大きな影響力は、今まで取り上げた小惑星ジュノーとベスタとパラスでは、感じられ無かったので、とても驚きでした。 小惑星セレスは、発見当初に一時期、惑星に数えられていた時もあったそうです。というのも、発見されている小惑星の中で、一番大きなものだからです。 また、ネイタルチャートの中で、小惑星のアスペクトをどこまで取るかには、諸説あります。「ご本人が、事実として受け止めている」ことなどを考慮した時には、メジャーアスペクトのタイトなオーブは、とくにセレスは、働いているように思えました。 ギリシアのデーメーテールにしろ、ローマのケレースにしろ、その豊穣の女神としての神格から、長い間通貨に刻まれて居たりもするそうです。 いずれにしましても、セレスが、惑星に昇格するような時代は、ずいぶんとおだやかで、やさしくて、豊かな時代の到来なのだろうなと、夢みたりしています。その時がやがて来ることを、祈って、文章を、終わりにしたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.08.04 15:49:40
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