兄弟象が職棒21年總冠軍
3日も雨で流れた台湾シリーズはようやく第4戦が開催。今日は初回に牛が象の先発・麥格倫投手からあっさりと先制し、今日こそは牛のペースかと思いきや。その裏に周思齊選手がポール際ギリギリのところに3ランホームランを打ち込んであっさり逆転。控え目にガッツポーズしながら一塁ベースを回る姿がかっこいい。牛は3回から早くも正田樹投手投入で、この試合が背水であることを感じさせましたがその正田投手も致命的タイムリーを浴びて序盤から大差。個人的には4戦であっさり終わるよりもつれて面白くして欲しいので牛の反撃に期待しましたが、あれだけ打てないともうどうしようもないですねぇ。で、麥格倫投手が抑える間に回はどんどん進んで9回裏、牛の最後の攻撃も2アウト。あと一人の場面となって画面に映し出されたのは、ベンチでうつむき加減に腰掛けて顔色悪そうにしていた陳瑞振監督。5点差もあるから余裕の笑顔かと思いきや、やはり指揮官は何点差あっても安心できないものなのか。それとも、オフの間に実にいろいろあったチームを優勝まであと一人のところまで持ってきた感慨に静かに耽っていたのか。象の選手たちがもう喜びの瞬間を待ちきれないといった表情だったのとは実に対照的でした。そして最後の林益全選手の打球は力なくセカンドゴロ、陳江和選手の送球がまだ彭政閔選手のミットに納まらないうちにベンチからは黄色のユニフォームの選手たちが飛び出し、スタンドからは黄色いテープがシャワーのように投げ込まれて象隊が總冠軍に輝いたのでした。おめでとう!試合後、兄弟の黒いジャージ姿のおじいさんが場内に呼ばれ、陳瑞振監督と一緒にインタビュー受けてるから兄弟大飯店の偉い人かと思ったら、榊原良行さんだった。榊原さんがコーチだったとき以来、7年ぶりの總冠軍だそうです。4戦で終わっちゃった台湾シリーズ。特徴的だったのはやはり、象が4試合36イニング全部外国人投手でまかなったってこと。こうなってみると、抑えしかできないであろう庫倫投手を外し、長いイニング投げられる3投手を残したのは大正解だったということになりましょうか。今年の象隊は例の事件で戦力を大きく落とし、開幕前は優勝争いどころか、シーズンをまともな成績で終えられるかも怪しいと言われたものでした。それが4洋投の活躍で後期優勝し、さらには總冠軍に。とてもとても意地悪な言い方をすれば、「台湾のプロ野球はいい外国人選手を揃えればそれだけで優勝できちゃう」なんてことも言えそうな結果で、ちょっと苦々しくも感じないこともありません。11年前の都市対抗野球。ベスト8まで勝ち進んだ日産自動車が、最後まで補強の3投手(オマール・アヘテ投手、谷村逸郎投手、中野渡進投手)しか登板させなかったのを思い出しました。内部事情は知りませんが村上忠則監督、実に厳しい采配をするものだと思いました(養父鉄投手もいましたがもちろん登板なし)。しかし、登板させてもらえずに悔しい思いをしたからか、当然だけどまた翌年から日産は自前の投手が活躍するように。象隊だって、来年は林恩宇投手が先頭に立って、ここまで洋投だけに頼らないチームをきっと作ってくれるはず、だ。そういえば林恩宇投手、しっかりベンチに入ってたみたいで終盤にはテレビで大映しになってたし、ビールかけ(?)のときにはインタビューまで受けてました。アナタ、ほとんど何もしてないでしょ!林投手はあれだけ投げに投げた蛇隊時代には總冠軍とは無縁だったのにね~。面白いものだ。優勝おめでとう~。周思齊選手もお立ち台、おめでとう。林英傑投手や[登β]蒔陽選手は残念でありました。さて、職棒の次の試合は11月4,5日中韓チャンピオンシップ。韓国シリーズもSKワイバーンズが4連勝で優勝したそうでとてもとても強そうですが、どういう試合になるでしょうか。前哨戦(?)の洲際杯開幕戦は台湾が韓国に圧勝したとのことです。こちらも楽しみです。