学校の怪談を調べていたら…
あなたの学校に、伝わっているでしょうか学校の怪談新設校などでなければ、必ずと言っていいほどありますよね。映画や本になるほどですから、有名なお話です。たいがいの学校につたわる怪談話には、こんな話が多いですよね。夜中になると階段の段数が1段増えて13階段になる音楽室のピアノが夜中に突然鳴り出す。開かずのトイレ大鏡に死に顔が映るなどでしょうか。私たちの学校はかなり古いので、当然怪談話があります。高校2年生の文化祭だったでしょうか学年のお題として決まったのが「何かを取材して発表する事。」というものでした。クラスで6チームほどに別れてそれぞれのチームで独自のネタを取材したり、検証したりして発表します。我がチームで出し物を決めていた時に、誰かからの提案で、”学校の怪談を調べて文化祭で発表しよう”ということになりました。みんな怖い話が好きでしたから、一生懸命情報を集めることにしました。私たちの学校の怪談はこんな感じの物でした。講堂の踊り場にある鏡に死者の姿が映る講堂の階段が夜中に13階段になる音楽室のグランドピアノが夜中に鳴り出す芝生グラウンドが夜中血の海になる学校裏にある井戸から男の子の声が聞こえる戦争でなくなった生徒さんが学校を歩き回っている他にも何個か有ったんですが、随分前のことなので忘れてしまいました。いずれにせよ、他の学校と同じようなお話なので、面白おかしく取材をすることにしたのです。たいがいのお話は職員室に赴き、古参の先生方から情報を仕入れます。我が校は某軍需工場の近くにあるので、空襲に遭い亡くなった生徒さんもいらっしゃるのです。そのあたりから、学校に歩く生徒さんがいるという話が出たと先生は言います。でも、確かに居るんです。私はその人達と話したりは出来ないのですが、”居るはずのない人たち” の姿を見ることがあるのです。一番前の席になったときに、教壇に立っている足が…。後ろの席になったときは、廊下を歩き回る足が…。とある教室に行くと、息苦しくなるとか…。気のせいかと思ったんですが、ある日友達に話したら、「私は、あの教室に行くと、座っている生徒さんが見えるからこわくって…こっち見てるんだよ。」という返事が返ってきてびっくりしました。私は姿が見えなくて良かった…。廊下を歩く足は何人も目撃者が居るので、間違い無いと思います。そんなところも記事にしつつ取材をすすめていきました。学校の井戸は ”昔近所の子供が落ちて死んでしまった” と言う事故があってそのような噂が流れていたようです。ピアノは昔我が校の生徒さんだった人が在学中に病死してしまったので、その方のお母様が、亡くなったお嬢さんの愛用していたピアノを学校に寄付したという経緯があり、噂が流れたというのも突き止めました。先生から聞かれる話もそろそろなくなり、昔の学校の様子を知る関係者の方から噂の真相を聞き出す部分にまで取材が進もうとしていました。ただ、気がかりだったのは、先生方が怪談話をするのにあまり乗り気ではなかったということです。何故なのかしら?少し不安になりました。いよいよ一人目関係者の方への取材をしようとした日に、その方が急病になりました。非常にお元気な方だったのに、突然具合が悪くなられたとのこと。残念ですが、取材は出来ず。数日経って、他の方に別のことで取材を申し込んでありました。その方は長年学校の植物の世話をなさっている方で、その日は桜の木の枝打ちをしておりました。その作業が終了後、お話を伺うことになっていたので、私たちは学校で待機しておりました。すると、どこからか救急車のサイレンの音が聞こえてきて、次第に大きくなり、止まりました。学校の敷地は非常に広いので、学校内に止まったというのがすぐにわかりました。暫く経って、先生からお話がありました。「今日お話を聞く予定だった方が、枝打ち作業中に脚立から転落して病院に運ばれてしまいました。長年作業していらっしゃる方だからこんな事になるはずないのに…。」………!!!!!!!これはもしかして、見えざる力の取材妨害?思えば、今までのものも、何かを調べるたびにちょっとずつ障害が発生していた…先生の対応も変だった!前回の急病と言い、今回の事故といい、偶然にしてはうますぎる、何故当日に…?事故の事を告げに来てくださった先生がおっしゃいました。「学校の怪談というのは、学校の歴史の暗い部分だから、調べてはいけないこともあるんだよ。」学校の怪談という、他愛のない内容の発表をしようとした私たちに対し、発せられた先生のまじめな発言に私たちは言葉を失いました。途中まで調べていたし、今更計画変更するのも手遅れなので、結局その後もきちんと取材をして発表しました。皮肉なことに、とても好評な発表となりました。一応、取材中に私たちが体験した出来事も報告しました。しかし、私たちは忘れてはいませんでした。このような内容の話は面白がってはいけない…。と私は、心霊スポットとか、ここは近づいてはいけない!と感じた場所には面白がって決して近づくまいと思いました。たまに気が付かずに近づいてしまった!という事もあるんですがそんな時は「私は何にも出来ません!付いてこないでくださいね」とお願いしています。あなたは、居るはずのない人を見たことがありますか?視界の端にしか映らない人に歩調を合わせて来られたことはありませんか?気のせいだったと思いたい時があるお母さんなのでした。