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テーマ:今日見た舞台(964)
カテゴリ:歌舞伎 ~KaBuKi~
今日も爆笑歌舞伎レポートでまいります(^o^)
この間は勧進帳をイラスト付で掲載しましたが 今回は勧進帳と同じ日に観た 御存鈴ヶ森(ごぞんじすずがもり)という演目についてレポートしましょう。 これははっきり言って筋書きなんてないおしばいです。 主役の人が権八という剣術に長けた青年なんですが 権八ってばこんなに凄いんだぜい! というのを延々と見せてるだけのシンプルな演目です。 ではいかにして凄さを見せるかと言うと それはもうひたすら人を斬りりまくるわけですね。 ですがチャンバラではありません。 殺陣といわれるようなものを延々見せる演目だったら 忠臣蔵の討ち入りの場面とかの方が盛り上がります。 この演目は何がおもしろいかというと 人を斬る描写が非常にリアリティがあるということです。 歌舞伎は、動作やポーズを極限まで様式化して 美を追求した表現になるんです。 なので血が流れるさまを赤い手ぬぐいで表現するなど 随所に美しく見せるための演出が光っているんです。 ですがこの演目は豪快にやっちゃいます。 腕がもげるわ 足が取れるわ 首が飛ぶわ 顔がはがれるわ やりたい放題って感じです! ではどんな感じか実際にイラストでご説明しましょう! シチュエーションは明かりのない夜の処刑場近辺。 鈴ヶ森というのは今で言う東京都品川区南大井に位置していて、処刑場だったそうです。 主人公の権八と、鈴ヶ森にうろついている悪党共のケンカです。 悪党共は権八をおいはぎしようとしてるんです。多勢に無勢。 ですがシルベスタ・スタローン並みの活躍をしますぞ(笑) 暗闇でのケンカですから、お互い姿を良く確認できない設定で 舞台も薄暗く、動きもゆっくりです。手探りっぽい感じね。 悪党共は権八を狙ってキョロキョロしていますが 権八は鮮やかに刀を振るんです。そうすると…
また別の悪党に向かって刀を振ると…
そしてまた襲い掛かる悪党に向かい刀を振ると…
他にも、切られた所がさっくりと割れ、 中から血が見える(実は下に着た赤い服)とか色々な工夫があって ブラックユーモアみたいな見せ方が実に多彩で面白かったのです。 舞台が薄暗いっていうのもかなり効果的で これらの演出のアラを隠してくれるので仕掛けが事前には分からないので 次はどの部位がどう切れる?っていうのが予測できずそれも楽しさを倍増させてくれました。 何よ、鈴ヶ森なんて、たかがチャンバラじゃないの?って考えていた私を 良い意味で裏切ってくれた楽しい演目でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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