サンタ
クリスマスも、酒さえ飲めればいい。チキンも、サラダも、お刺身も、フルーツも用意はするけどね。平日と、なんら変わりなく、酒を飲み、気が付くと、フラフラと、自分の布団に潜り込んで寝ている。クリスマスの夜も、同じだった。・・・違ったのは、夜中に、私の枕元にそっと向かう、控えめな足音。眠りの浅い私は、敏感に反応する。その足音が、Mだった。パタンと扉が閉まったとき、音がしないようにそっと、確認した。Mが、手作りのクリスマスカードを置いてくれたのだ。そのカードは、とても手が込んでいて、立体的なサンタが飛び出すものだった。自分で言うのもなんだけど、私は手先が器用だ。その私が、驚くような、出来栄えだった。何年も前から、Mの枕元にそっと近づくのは、自分だった。サンタの振りして、Mが書いたサンタへの手紙に、下手なローマ字で、「kitanokunikara,harubarukimashita!]なんて。わけわかんない、返事を書いて、Mを喜ばせたこともあったっけ?それが、もう、立場が逆転だもん。成長を見たよ。ありがとね。お勉強は、苦手でも、優しい心は育っているんじゃないかなと、思います。世の中の全ての人が、幸せな気持ちでいられたら、いいなと思います。では、もう少しで走りましょう。