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我輩はドラ猫である

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桃太郎715

桃太郎715

May 2, 2021
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カテゴリ:エッセイ
「引き出し」のテーマ第二弾です

ヌンチャクとフラ
 日頃から本能と感情に任せて生きている。過去のできごとが脳の引き出しに時系列関係なくごちゃごちゃに詰まっている。ふだんは意識していない。だが、ふとした感情をきっかけに、過去のできごとがパッと飛び出してくる。
 たとえば、ジムでフラダンスを習っているときのことだ。
 最前列で踊ると先生の動きがよく見える。後ろにいると見えにくいので真似をするのが難しい。初心者ほど前へいくとよいのだが、そうはなっていない。最前列の人が間違えると後ろの人たちが釣られるからだ。
 でも空いていると最前列に行ってしまうことがある。やはり近くで先生を見たいのが本音だからだ。
 これはたいてい後悔する。間違えるくらいならいいのだが、集中力が途切れると全然違う動きをしていることに前に人がいないが故に気付かない。周囲の失笑で我に返る。一人でターンをしていたり、前後交互にステップを踏むべきときにどんどん前進したり・・・。
 そういうときはたいてい恍惚としていて音楽と共に別世界に入っているのだ。前に人がいればそこまで気付かないことはない。視覚で気づくからだ。
 こんなことが子どものときからあった。
 最高の恥は中学一年生の休み時間だ。
 その頃、ブルース・リーのカンフー映画が流行っていたので観に行った。ブルース・リーがヌンチャクを振る姿の格好いいことといったら、初めて観る中学生には衝撃的だった。  
 日曜日に映画を観た翌日、月曜日の休み時間のことだった。まずいことに最前列に座っていた。私の前には黒板だけ、頭の中はヌンチャクのシーンだけ。黒板とヌンチャクの二択だ。当然ヌンチャクを選ぶ。
 ああ、ブルース・リー。ヌンチャクをこんなふうに振るんだっけ。そう、大振りに素速く腕を回転させる。思い出しながらそこが教室だということを忘れ、腕を振り回し始めた。もっと速く、もっと回転させて!
 自分のエアヌンチャクに恍惚としてきた。
締め括りに
「アチョー!」
 声を上げて完結。
 笑い声ではっとした。振り返れば男子たちがおなかを抱えてゲラゲラ笑っている。抱腹絶倒状態だ。
 どうしよう。あれはブルースリーのヌンチャクだと説明するわけにもいくまい。
 ヌンチャクには見えなかったようで私は突然踊り出したということになってしまった。
 卒業するまで『桃太郎音頭』と呼ばれ続けることに耐えねばならなかった。それまで気取り屋やのお嬢さんと言われることもあったのにそのイメージはガラガラと崩れた。今の言葉で言うなら女子力ゼロに落ち込んだ瞬間だった。
 桃太郎音頭の汚名を着せられ、運動会のクラス応援団長までやる羽目になった。まさか音頭を踊るわけにもいかず、ポンポンを持ってチアガールまがいのことをやけくそになってやっていたのを思い出す。
 四十年以上の月日が流れ、未だに私は最前列は苦手だ。前に誰かいないと脳の引き出しがまた勝手に開くかもしれない。さすがにフラダンスなのにヌンチャクを振ることはないけれど、何をしでかすかわからない。
 いや、フラダンスは優雅に踊りたいのだが、脳の引き出しから何が突然出てくるか自分でも恐ろしいのである。
 自分では恐ろしいが周りは可笑しくて仕方がないようで、これは中学生のときと変わらない。格好悪い。ブルース・リーにもなれなかったが、優雅にも程遠く残念である。





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Last updated  May 2, 2021 10:31:15 PM
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