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カテゴリ:おもいおもい
「…覚えといてな」 少し違和感を感じた。 終わりを予感させる言葉のように聞こえたけれど 何も言わなかった。 そんな風に 記憶が なぞられる本が好きだ。 私の中の記憶の湖の底に 深く沈んだ泥。 相性の良い本は、その泥をあぶり出して 浮き上がらせてくる。 相性の良い人と話をする時も、同じ効果だ。 決着のつかない、形にならないものを どれだけ溜め込んできてるんだろう。 正体の分からないものを 分解もせずに深く沈めて、忘れたふりをして。 でも 私は、そういうものを愛していくと決めたんだよ。 そういうものを少しずつ、固めて、粘土にして。 墓標になればいいと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
July 19, 2014 12:13:21 PM
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