オリンピックのアジア総代理店は、電通ではなくスイスのInfrontという会社へ!
電通は長い間アジアに関する大型イベントの総代理店を務めてきました。国内外の他社がそれを切り崩そうにも、どこも電通に変わることはできませんでした。それは「電通の運営能力が素晴らしいからだ」という電通の言い分が嘘だったことは、一連の贈収賄事件で明白になりました。私は、モンゴル側から「今後窓口は電通ではなくなるのでしょうか?」「今後のことはどこと相談すればいいのでしょうか?」などを聞いて、確かにこれは単なる国内問題ではないのだと改めて気づかされました。電通のようなアジア総代理店を決定するのは、日本のJOCではなく、スイスにあるIOCです。かすかなつてを頼りに聞いてみたら「今後は電通を総代理店にすることはない」という事実でした。こうしたこともあり、私の専門分野とは全く関係ないのですが、少々首を突っ込んでしまいました。1つ明白なのは、「アジアの総代表を日本が務めるのは当然」などという常識はとっくの昔に消え去っていたにもかかわらず、電通が当然のようにアジアの盟主的活動を続けてきたことに対する、アジア内外からの潜在的反発があったようだということです。それが今回の電通退場劇で、明確化したということです。確かに全アジアのGDPの80%を日本1国で締めていた時代ならいざ知らず、規模では中国、一人当たりではシンガポールなど、今や日本がアジアでダントツという証拠は全て消え去っています。電通事件が明白になった後、日本は身動きできませんでした。通常であれば「じゃあ、博報堂がやるか」となりそうですが、博報堂も共犯だとわかり、更にADKを含む日本の広告代理店上位会社が軒並み共犯者であったことから、リーダーシップを取る企業も不在となったのです。現状はパリ五輪までは電通が行うことになっており、それが正式にキャンセルされた事実はありません。ですが、パリ以降の総代理店については白紙状態だと聞きました。モンゴルからは「日本がまごまごしているうちに、アジアの他国は当然その後釜を狙っているようですよ。」とも聞きました。先にも言ったように、ずっと日本に牛耳られてきたことへの反発もあったようです。結局、どこになるのか?どうやら9月の総会までには決まるらしいとも聞いていました。ですが、モンゴルからの一報で、つい先日決まったことが分かったのです。決まったのはアジア企業ではなく、スイスにあるInfront Sports & Media AGという会社です。その対象オリンピックは 冬季 Milano Cortina 2026, 夏季 Los Angeles 2028, 2030年冬季オリンピック、オリンピアードBrisbane 2032、そしてその期間にある Youth Olympic です。対象国は、Afghanistan; Brunei Darussalam; Cambodia; Chinese Taipei; Timor-Leste; Hong Kong, China; Indonesia; I.R. Iran; Kazakhstan; Kyrgyzstan; Lao PDR; Malaysia; Mongolia; Myanmar; Papua New Guinea; Philippines; Singapore; Tajikistan; Thailand; Turkmenistan; Uzbekistan; and Vietnamの22の国と地域です。モンゴルも当然入っていますから、これからはモンゴルはスイス企業と交渉せねばなりません。そして注目すべきは日本が含まれていないことです。(韓国もありませんね)これはトヨタやパナソニックなどの大スポンサーがいる日本だけは、日本企業に任せようという気持ちが残っているのではないかと推測します。この推測はサムソンのいる韓国も同じロジックなのでしょうか?一体、日本は誰が担当するのでしょうか?