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テーマ:最近観た映画。(40130)
カテゴリ:映画
アン・ハサウェイの可愛さにつられて、『マイ・インターン』という映画を観に行ってきました!映画館でヒューマンドラマ系の作品を鑑賞することは久しぶりですが、充分に楽しめることができました!
※ネタバレ注意 まず、アン・ハサウェイが可愛い!そして、ロバート・デ・ニーロが渋カッコイイ! 魅力的なコンビの誕生です。どちらも異性としての魅力タップリで、ついつい見惚れてしまいます。アン・ハサウェイ演じるジュールズはもう純粋に可愛いですし、ロバート・デ・ニーロが演じるベンは歴戦の老戦士的なかっこよさがあります。この二人がタッグを組んだのですから、視線はスクリーン上に釘付けとならざるを得ません。笑 特に、ベンの適応力の高さには脱帽ものです。営業部長時代も、さぞや有能な上司だったのでしょう。ジェネレーションギャップを一切感じさせないコミュニケーション力と経験豊富なアドバイスによって、同僚たちの信頼を勝ち取っていきます。ジュールズの信頼も勝ち取りますし、ちょいワルな仕事もスマートに片付けてしまうその能力の高さは、「かつて伝説の営業マンだった」という設定でも違和感が無いくらいです!笑 とにかく、コミカルでユニークでスマートなこの二人をただ目で追うだけでも楽しめてしまいます。 更に、この映画は「ワーク・ライフ・バランス」の大切さを説いた作品でもあると思います。ジュールズとベンが対照的に描かれていることからも、それが分かります。 ジュールズは夢を追いかける若き経営者で、総勢200名ほどの今をときめくベンチャー企業を率いて邁進しています。旦那は専業主夫で、家庭を顧みずに「仕事漬け」の毎日を送っています。そのおかげで彼女の会社は急成長を遂げますが、あまりにも早く成長しすぎてパンク状態に。部下からは「CEOを雇おう」と提案され、夫には浮気され、さんざんなことになってしまいます。会社はぐんぐん成長するけれど、部下からは不満、家庭は崩壊寸前という、なんと悲しい状況でしょう。 対して、ベンはプライベートも充実させています。インターン生として入社する前も活動的に毎日を送っていましたし、入社後も同僚と仲良くなったり、マッサージ師と恋愛したりと、70歳とは思えないほどのエネルギッシュさです。その上、仕事もきちんとこなし、40年の実務経験があるだけあって、極めて有能です。ジュールズの懐に入り込み、信頼を勝ち取ることにも成功してしまいます。まさに順風満帆。公私ともに充実した生活と言えるでしょう。 ベンは「ワーク・ライフ・バランス」をきちんと保っていたのに対し、ジュールズは「ワーク」に注力し過ぎ、「ライフ」の面が疎かになってしまいました。その結果として、「ワーク」すらも歯車が狂ってしまう。この作品は、その様を描き出しています。 終盤で、ジュールズはCEOの受け入れを決意し、それを夫に報告します。これはジュールズの夢を諦めることに直結しますが、全ては家庭のためです。例え浮気されていようとも、夫と再スタートを切りたい。「ワーク」に全て注力していたエネルギーが、初めて「ライフ」にも注がれます。 そしたらどうでしょう。夫は改心し、浮気を止めたのみならず、CEO受け入れを拒否して夢を追いかけてほしいとジュールズに懇願するようになります。ベンもCEO受け入れ反対の意見を述べ、引き続きジュールズは自分の会社の経営者として夢を追いかけることができるようになります。「ライフ」に注力した途端に、「ワーク」と「ライフ」両方の問題が一挙に解決したのです。 この演出で、「ワーク・ライフ・バランス」の重要性を表現しようとしたのではないでしょうか。ジュールズがベンに全ての問題が解決したことを報告しようとした際に、ベンが仕事場におらず、休暇を取って趣味の体操に没頭していたことからも、それが分かります。ボス(ジュールズ)のことを気遣い、惜しまず残業していた彼でさえも、休暇は必要なのです。そうすることで、仕事だけではなく、「ライフ」も充実させることの大切さを説いたのでしょう。ベンがCEO受け入れ反対であることで、一見、夢を追いかけることの大切さが強調されているように見えますが、実はその逆で、「ライフ」を重視しなければ「ワーク」も成功しえないということを、この映画は主張していたのだと思います。序盤に出た睡眠時間云々のネタも、それを仄かに示していたのでしょう。 思えば、古代ギリシアの哲学者アリストテレスも「中庸」の大切さを説いていました。どちらに極端過ぎてもダメなのです。これは、「ワーク」と「ライフ」をそれぞれほどほどにすればよい、と言っているわけではありません。ジュールズもベンも、「ワーク」に全力投球していました。 アリストテレスはまた、「中庸は賢慮によって決められる」と言います。賢慮とは智恵と同義です。 つまり、常に「ワーク」に全力投球するなということです。やるべき仕事が多い時は、「ワーク」を優先しても構いません。「ライフ」のことは無視して全力を尽くしましょう。しかし、「ワーク」が一段落ついたら、今度は「ライフ」にも全力投球するべきなのです。 「ワーク・ライフ・バランス」とは、常に「ワーク5:ライフ5」で頑張るのではなく、ある時は「ワーク10:ライフ0」の割合で頑張り、またある時は「ワーク0:ライフ10」の割合で家族サービスする、というように、自分の人生の起伏に応じて、どちらを重視するか決定する、ということなのです。だからこそ、局面局面でどちらをどのぐらい重視するかを決めるために、賢慮が必要とアリストテレスは説いたのです。 ジュールズの場合は、「ライフ」に注力すべき時でさえも、「ワーク10:ライフ0」くらいの割合だったために、夫婦生活や仕事もギクシャクしてしまったのでしょう。ベンは「ワーク10:ライフ0」の日が続いたら、休暇をきちんと取り、「ワーク0:ライフ10」の日も確保したからこそ、公私共に充実していたのです。 このように、本作は二人の魅力的なコンビのみならず、「ワーク・ライフ・バランス」の重要性を再認識させた傑作と言えるでしょう。残業だらけで仕事漬けの毎日は生産効率を著しく下げるという研究結果も出ていますし、ブラック企業が度々取り沙汰される現代日本において、皆に見てほしい映画と言えます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.11.08 22:54:02
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