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テーマ:ギリシャ(35)
カテゴリ:古代ギリシア
6月15日、日本ギリシャ協会の2018年度総会・懇親会に参加してきました。総会に参加するのはこれで2回目ですが、日本全国のギリシア好きが集う会合ですから、少し緊張しますね。当日は金曜日で、私は東京在住ではないのですが(総会は六本木の住友会館にて開催)、ちょうど運良くその日は仕事で東京出張があり、参加することができました。まぁ、東京に用がなくても有休を使って行ってたでしょうけどね。笑
総会・懇親会に出席した時に毎回思うことが、「まだまだ勉強不足だなぁ」ですね。 大学教授や外務省などの錚々たるメンバーが集う会ですから、古典ギリシア語や現代ギリシア語をマスターしている人も少なくなく、在日ギリシア人とギリシア語で流暢に会話している人たちを見ると、「私もいつかはああなりたいなぁ」と思ってしまうわけですよ。最近になって現代ギリシア語も学び始めていたので、私もギリシア語で会話することをトライしてみましたが、まだまだてんでダメで、結局英語での会話に落ち着きました。笑 駐日ギリシア大使館の臨時代理大使とは英語で多くを話し合うことができましたが、これがギリシア語でだったらもっとカッコよかったのになぁと思わない日はありません・・・。 日本ギリシャ協会に入会した最大の成果は、現代を含めた全時代のギリシアを好きになれたことですね。入会前は、「古代」ギリシアのみに熱意を注いでいました。(実際、日本ギリシャ協会会報にて連載している記事も、古代のギリシア神話をテーマにしたものです) 確かに、ギリシアを通史で見ると、一番輝かしい時代が古典期であることに疑う余地はありません。ギリシア文学者のコライスは古代以後のギリシアを「キリスト教により堕落した」と切り捨てており、フィルヘレニズムに熱狂した多くの人々も同じ思想だったでしょう。現代ギリシアの右往左往を見ていると、その行く末にハラハラしてしまうのも事実です。オスマン帝国からの解放を目指して立ち上がった独立戦争時でさえ、各勢力の利害が対立し、遂に挙国一致で団結することはありませんでした。(外的脅威よりも内的な利害関係を優先する傾向は古代にもありましたが) しかし、古代ほどの派手さは無いものの、中世・近代・現代のギリシアもそれに劣らぬ魅力を持っていると思います。それぞれの時代にそれぞれの顔があり、それぞれの英雄がいます。「古代以後は堕落した」というイメージを払拭するに足る、波乱万丈の歴史と文化です。栄光と苦節の時代を経て、ポリス古典文化とキリスト教文化の融合を達成した現代のギリシアは、世界中のどの国よりもユニークで色鮮やかな国なのです。 ・・・願わくば、このまま現代ギリシアの経済が回復し、欧州随一の産業と市場を誇る経済大国に成長してくれれば、ギリシア勤務の夢も現実味を帯びてくるのですが。笑 今、ギリシアでは空前のベンチャーブームらしいので、第二のイーロン・マスク、あるいはペリクレスの再誕を願うこととしましょう・・・。
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Last updated
2018.06.24 18:26:39
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