カテゴリ:追憶
食べたいって言うと、割り箸をいれて、くるくる回しとって 食べさせてもらっていた。 ぐるぐるして、空気が入ると白っぽくなる。 空気を混ぜたほうが美味しいのよ、と言って食べさせてくれたのは、祖母だ。 私は孫たちの中で下から2番目だったけれど、 祖母は私のことを特に可愛がってくれていて、 祖母の家によく預けられていた。 近所に飴屋さんがあって、 いつも白い飴をぐにぐにと機械で練っていた。 あれはね、水あめなんだよ、と祖母が私に教える。 そこに売っているイチゴ飴は、表面にざらめがふってあり、 2つも食べると舌がいたくなるんだけど、 とても好きで、買ってくれるといいなと思いながらちらちら見つめていた。 だから、その材料の水あめもきっと美味しいと思って食べたのに、 今ひとつ、ただ甘いだけのような寂しさを感じた記憶がある。 飴といえば栄太郎飴の抹茶味も大好きだった 大事にひとつづつよ、といってくれる抹茶飴は この世のものとも思えないくらい美味しくて 遊びに行くたびに抹茶飴、あるかなぁ? イチゴ飴、買ってもらえるかなあって じっと思いながら歩いていたのであった。 長じて自分でデパートに行ったとき、地下の銘菓売り場に 栄太郎飴が昔のままに売られているのを発見したとき ついつい3つも買ってしまったのだった。 その後も栄太郎飴への執心は変わらず、 一時期は、手土産は栄太郎飴、という時期もあった。 受け取ったほうは、きっとまた変わった手土産だなとおもっていたに違いない。 水あめなど、もう何年も手に取ったことはなかったが、 芋きんとんを作って欲しいとのリクエストが母からはいり、 スーパーに行ってみたら、瓶入りはなくて、 ジャムのようなプラスチックのカップにはいったものが2つだけ残っていた。 果たして芋きんとんは無事母の元にとどけたが、 せっかくなので、しいたけの佃煮を作ってみることにした。 まだまだたくさん余っているけど、 まあぼちぼち消費していくことにしよう。 もう、大好きなイチゴ飴のお店は跡形もない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年06月17日 04時34分40秒
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