世の中にはいろいろな宗教がある。
そしてどんな宗教であっても、その人の信仰の自由を侵害することは日本では許されていない。
さて、今年の自治会のメンバーにとある宗教の信者がいる。
人柄は温和でとてもフランクで自治会活動についてもそれなりの理解がある。
当方加入の自治会では、いろいろな係があって、それぞれ2つづつ係を持っている。
例えば私であれば、「会長」という係と「人権担当」という係である。
その係の仕事をそれぞれ粛々と行うことで自治会活動は回っている。
たまに仕事などでその係の仕事ができないってこともある。
その場合、代打要員などはいないので、みんなで話し合って仕事を変わることになる。
これが意外と大変で、普段から係の仕事だけはみんな必死でやってくれるので、
殆ど変わるということがないこともあり、
大体決まらないので会長の私か副会長が引き受けることになる。
確かに「足が悪い」から見回り系の仕事ができないとか
「平日は仕事だから」行事に参加できないとか、その程度のことはまあ、想定の範囲内で
予めできるだけそういう係にならないように組み合わせるとかもやってはいた。
また、仕事を理由にしているが、全員参加の行事については、年に2つしかないので
もうしわけないことだが、有給をとるなどして対応するか、かわりに家族のだれかに参加してもらうかを
お願いしているし、それで何年もずーっと問題なくやれてきた。
所がである。
ここにきて、それができない人がでた。
理由が「宗教」である。
その宗教の考えでは、他の宗教由来のイベントには参加どころかかかわってはいけないという。
たとえば「クリスマス」これなんかは当然だめなのだ。
「初詣バスツアー」こんなのもダメ(松の内あけてやったとしても・・・)
高齢者の慰問の為にお菓子を配るとして、
そのお菓子の台紙に「ひなまつり」の絵が描いてあったらこれもダメ。
12月に餅つきをするのだけど、当然それもダメ。
最初からできない仕事が多そうな係にならなきゃいいのだろうが、
全員でやる行事ができない・・・それも前準備の買い出し一つできないとなると
一体全体どう周りを説得すればいいのか
正直途方にくれている。
片方で「年に2回だけだから、仕事やすんできてね」といい
片方で「宗教上の問題だからあの人が来ないのは仕方がないので納得してね」
‥‥。
仕事しないと生活できないんですけどね~。
有給取るのも仕事調整するのもいろいろと大変なんですけどね~。
そしてこの方、いくら私が
「できないことがあるんだから、できることでそっせんして・・・」
といってもそれはなさって下さらないのだ。
魂の救済は事これほどに重いのであるとは。
「どっちみっち自力でどうにかなるもんじゃないから、阿弥陀様におすがりしておけば大丈夫」と能天気に自力救済など一切考えず、他力もいいところで乗り切ろうとする浄土真宗の信徒である私にはちょっと難しすぎる問題なのでありました。