中一男子の話
小学校のとき、息子は女の子のAさんと絵描きノートを交換していた。中学生になっても、クラスが違っても、またやろうと申し出たら、「いいよ」と約束をしてくれた。ところが、中学校に入学した早々、「絵描きノートはやめよう」といきなりAさんから手紙渡された。「もう一生やらない!」とわめいて、息子はそれなりにショックを受けた。Aさんの気持ちだから、尊重してあげないといけないよね。だんだん忘れて、一人で絵描きを続いた。あれからほぼ一年が経とうとしている先週、家の郵便受けに、Aさんからの手紙が来たのだ!あの時、やらないと書いたのはBさんだって、自分としては、やっぱりノートをやりたい。これを読んでから、返事を書いて靴箱の○○番に入れてと書いてあった。急なことで、息子は戸惑った。女子の靴箱にコッソリ手紙を入れるというのは、なかなか簡単に出来ることではないようです。変な誤解もされたくないし、結局息子は返事を書かなかった。次の日に家の郵便受けに、今度はAさんのメモが入っていた。「火曜日の午後○○公園で話そう、逃げないでね…」(時間は書いてなかった)息子にとっては、これは靴箱に手紙を入れるよりハードルが高いようだ。結局その日は、息子は委員会などでなかなか帰宅せず、Aさんが1人で公園に待っていたとしたら、私は心配になった。そこで、弟のために一肌脱ごうと娘は、弟はまだ帰ってないことだけを伝えて、公園に行った。公園にAさんの姿はなかった。娘が戻って来たときに、郵便受けの外にAさんからのメモが貼ってあった。「あした昼休みに美術室で話そう、絶対来て!」息子は言われた通りに、美術室に行った。Aさんはいなかった。その日に息子はさすがにうんざりした表情を見せた。私と娘の説得に応じて、彼女の家に電話をすることに決めた。午後から夜の9時近くまで何度も電話をしたけど、ずっと留守電になっていた。「こういう家もあるよ」と娘は言うけど、何かワケありだな…息子は結局、ぼそぼそと留守電にメッセージを残した。「僕は美術しつに行ったんだけど、誰もいなかった。話したいことがあったら、電話ください…」今日の夕方、帰って来た息子は保健室の前でAさんに会ったという。「僕は最近絵を描かなくなったから、ゴメンね」とAさんに伝えたそうだ。Aさんの反応は無言だった。この一連の「騒動」で、息子は、女の子の気持ちの変動についていけないみたいな感じだった。本当は絵描きノートはやりたいのかもしれない、それよりも、女の子の扱い方に四苦八苦して、すっかり面倒くさくなった。難しい年頃で、自分の気持ちをうまく伝えられないときもある。イエスでもノーでも、はっきりさせたほうが、相手に対しての思いやりであることは忘れないでほしい。これから、もっと難しい選択を迫られるであろう息子には、少しでも勉強になったに違いない。人気ブログランキングへクリックよろしく♪複雑すぎるよね…