Hale Mahina

ついに　出会ってしまった。
シェイパーから　受け取ったときに　軽さが　いつもの　板とは　違うと　思ったけど
魔法が　隠されていることには　まだ気付いていなかった。
おととい　秘密の　ポイントで　独り占めの　状態で（海には　わたしだけだった）
波に　乗って　気付いたのは　いいポジションにいると　パドルなしの　テイクオフが
出来ちゃうこと。
一瞬　トム・カレンが　乗り移ったのかと　思うぐらい　セットというセットは
全て　パドルなし、サイドアングルの　テイクオフで　行けた。　　　
夢のようだった。
魔法の板だよ～と　心の中で　つぶやきながら　日が　沈むまで　独り占めした。

翌日は　調子づいて　少し　大きめの　ポイントへ　早起きして　直行。
レールが　波の面に　すーっと　不思議なぐらい　静かに　入り込んでいく。
そこそこの　サイズの波で　とりあえず　試し乗り。
力の　抜けた　レールワークで　全ての　波を　気持ちよく　乗ることが　出来た。

朝一が　満潮の　きょうは　少し　遅めに　昨日の　ポイントへ。
セットのサイズは　昨日より　でかい。
しかも　わたしの　得意な　レフトは　スウェルの　向きの　せいで　短め。
ライトは　かなりほれてくるし　振り返るような　角度から　波を　見ることになるので
はっきり言って　苦手。

それがね、上がろうと　思ってから　入って　来た　セットが　たまたま　ライトに
オープンの　方向だったから　次のセクションで　壁が　さらに　高くなるのはもう
承知で　ライトへ　テイクオフ。
あのサイズは　初めてだった。しかも　ライトで。
で　走っていくと　目の前に　波が　カール　してくるのが　見えた。
きょうは　入らずにおこうと　そのまま　チューブの　外側を抜けて　ビーチへと　
たどり着いた。
４年間入ってる　ポイントで　見る　初めての　光景。
胸に　焼き　付いた。しっかりと。今度は　中を　抜けたい。　

学校、新しい仕事と　波乗りから　１年ぐらいは　遠ざかってるのに　以前より
冷静に　波を感じてるから　サイズの割には　ゆったりと　余裕が　あった。
混雑の方が　恐怖を　もたらすぐらいだ。
あの　目の前で　巻き込んでいった　波は　心の中に　焼きついている。
次は　タイミングを合わせて　その中を　通り過ぎるだけ。
まずは　脳の　シュミレーションを　繰り返す。

水のカーテンを通り過ぎていく。
いつか　近い　将来。

ピンクの　ボードは　魔法のボード。
虹のエアーブラシは　自由の　象徴。

そして　そこには　マナが込められている。